総務省トップ > 広報・報道 > 大臣会見・発言等 > 新藤総務大臣閣議後記者会見の概要(平成26年5月30日)

会見発言記事

新藤総務大臣閣議後記者会見の概要

平成26年5月30日


 5月30日の閣議後記者会見の模様です。冒頭、新藤総務大臣から、ICTドリームスクール懇談会の開催、地域活性化モデルケースの選定、全国防災・危機管理トップセミナーの開催について説明した後、投票環境の向上方策等に関する研究会、中間貯蔵施設建設候補地における住民票の取扱い、北朝鮮の拉致問題などの再調査、内閣人事局の発足について新藤総務大臣が質問に答えました。


冒頭発言

 それでは、閣議後の会見を始めさせていただきます。

【ICTドリームスクール懇談会の開催】
 まず、本日はですね、私が今般、新たに設置をいたします「ICTドリームスクール懇談会」ということについて発表したいと思います。
 昨年はフィンランドに、ICTの関連で出張してまいりましたが、その際にですね、向こうの先進的な学校を視察をいたしました。正に生き生きと、生徒が自主性を持って学校運営をしている。そこに一人一人の学業をタブレットで管理いたしまして、この、弱いところですとか、不得意な部分を分析・検討しながら、成績を伸ばしていく。それから、ICTをフルに活用して、生徒がですね、学習意欲を高めていくと。この、大変、成功例を私、見てまいりまして、それが数字に出ていることも確認しましてですね、非常に強烈な印象を得たところでございます。
 こういう新しい教育の在り方、もちろんそれぞれの所管において、また、全国の学校関係者、御努力いただいているわけでありますが、総務省は総務省なりのですね、技術を使って何かサポートすることができないだろうか。それから、本来ですね、こういう学校の教育レベルを上げること、また、魅力ある教育をつくることは、町おこしにもつながっているわけであります。
 昨年、私が訪れましたある県のですね、村においては、東京の学習塾の関係者が移動学校をやっておりまして、それがとても評判を呼んで、その講習を受けたいがために、その村に子どもたちが移住しているとかね、いろいろ、教育を高めることによって、地域の活性化にもつながるわけであります。もちろん、子どもが移動するということは、親も一緒について行くわけでありまして、私はそういう、ICTを使って教育を更にですね、レベルアップできないだろうかと、そういうことを有識者の方々と懇談をいただく、その場を作らせていただいたわけであります。
 今般、そういった意味で、我が国の教育学習分野のICT化を加速するための学識経験者、それから、自治体、学校教育関係者、ICT企業の方々、そういった方々13名からなる懇談会を設けることにいたしました。座長は、教育とメディアの専門家である慶應義塾大学の金子郁容教授にお願いをして、本年の秋までに一定の取りまとめをいただく予定としております。これ、抽象的な議論、まずはコンセプトから始めていくわけでありますが、最終的にはですね、実践的なアウトプットを出していただきたいというふうに思っていますし、例えば、そういうICTを取り入れた教育によってですよ、どこかの地域の小さな学校が、ものすごい学力が上がってしまうとか、すごい教育をやっているということでですね、いわば大都会の学校をしのぐ力をそこで発揮できたら、こんな楽しいことはないじゃないかと、このようなことも、私、個人的には思っております。第1回の会合は6月6日の金曜日、2時半から開催をさせていただきます。

【地域活性化モデルケースの選定】
 それから、もう一つ、昨日でありますが、「第3回地域活性化の推進に関する関係閣僚会議」を開催をいたしました。
 これは、私どもが安倍内閣、我が国において恐らく始めだと思いますが、地域活性化の横串を刺す、横串を通すですね、地域プラットフォームというものを構成いたしまして、そして、各省が仕事を持ち寄って、それぞれの地域に、最適かつ複合した事業を展開しようではないかと、こういう試みでありますが、3月25日から4月21日まで公募をいたしました。これがまた135件というですね、非常に我々の想定を上回る、各地からの、自治体からの御要望があったわけであります。それを、ワーキングチームにおきまして書面評価をいたしまして、65件に絞り込みました。その65件について、誠に申し訳なかったのですが、ワーキングの先生方に3日間で延べ22時間、朝8時から夜8時までという、そういう時もございましたが、精力的にヒアリングをやっていただきまして、この度ですね、33件を推薦をいただいたわけであります。
 その件に関して、昨日の閣僚会議に報告をし、了承を得たということでありまして、地域活性化のモデルケース、33件が選定をされました。この33件でございますけれども、関係省庁は8つにまたがります。8府省、そして、それぞれのセクションにおける50を超える事業がこの中に入っているということでございます。
 今後は、この選定されたモデルケースに対しまして、各省の課長級で構成される政策対応チームが、実務に当たってまいりますし、このワーキングの、私と一緒にですね、活動していただいているワーキングチームの専門家の先生方に、モデルケースになりました自治体の首長さん方と膝詰めで、いろいろな御相談をさせていただく、その「総合コンサルティング」というものを順次行って、さらに、このケースの提案を、具体化をしていくということになります。
 今後ですね、昨日の会議におきましては、まずは第1弾でこのように決めましたから、引き続き、その後どういうふうに続けて、取り続けていくかと、こういうことで、今後の作業についての確認をいたしました。
 この地域活性化モデルケース、ミッションは、地域の力で日本の元気を取り戻すであります。そして、この、ビジョンといたしまして、アベノミクスの成果を全国津々浦々まで届ける。超高齢化、人口減少社会における持続可能な都市地域の形成、そして、地域産業の成長、雇用の維持創出、これを目標といたしまして、様々な取組を進めていきたいと、このように考えております。

【全国防災・危機管理トップセミナーの開催】
 それから、もう一つございます。今般、全国市長会の市長さん方とですね、全国防災危機管理トップセミナーというものを開催をすることにいたしました。
 危機管理につきましては、これは、非常時のですね、いかに人々の安全を確保して、また、命を救うと、こういうことになるわけでありますが、私は、持論でありまして、平常時の利便が非常時の安心につながるということであります。普段使っている所こそが、非常時に対してですね、そこを活用できることであり、また、いつも使っている所でなければ、そこの防災のですね、拠点になり得ないのではないかということでございます。
 それから、ここの、最近の気候変動によりまして、これまで想定し得なかった災害というのが、いくつも起きています。竜巻にしても、この間の雪害にしてもそうでございます。ゲリラ豪雨もそうであります。ですから、従来、想定できなかったことが起きて、それにどう対応するかという、やはり、力が問われているのだと。それについては、何よりも訓練が重要です。あわせて、非常時におけるリーダーシップが、これまた大きな影響を与えるということでありまして、是非そういったことをですね、まずは防災管理の計画、体制の見直しから始まって、先進事例等も見ていただきながら、聞いていただきながらですね、全国のリーダーの皆さんに、そういったセミナーを受けていただこうと、こういうことでございます。
 6月4日に、これは、まず、行います。それから、各都道府県においてもですね、市町村を、市町村長を対象としたセミナーを順次開催をする予定であります。冒頭、6月4日には、私も出席をいたしまして、皆様に改めてお願いをさせていただこうと、このように考えております。

 私からは以上であります。

質疑応答

投票環境の向上方策等に関する研究会(1)

問:
 幹事社の共同通信です。質問させていただきます。国政選挙や地方選挙の投票環境の向上に向けた方策を検討する研究会、発足しました。ICTの活用とか、期日前投票の運用の改善について話し合われています。投票率のアップに向けてですね、どういった議論を期待されますでしょうか。
答:
 これは、投票環境の向上方策等に関する研究会と、こういうものを設置いたしまして、その中でですね、今、お話ありました、ICTの活用であるとか、期日前投票の利便性向上、有権者が投票しやすい環境をどのように整備していったらいいかと、こういう様々な実効ある方策を御検討いただいているわけであります。例えば、ICTの活用といたしましては、郵便によって行われている不在者投票の投票用紙等の請求について、それをオンライン請求、認めることができないだろうか。それから、選挙人名簿の対象をオンライン化すること、これによって、選挙当日の投票を、投票区外の投票所においても行わすことができるのではないかとか、そういった検討が、今、なされているわけであります。さらには、期日前投票の利便性の向上には、投票所の設置をですね、駅構内であるとか、ショッピングセンターですとか、人が頻繁に往来する、そういう場所に、更に展開をできないであろうかとか、そういった様々な点について御議論を頂戴をしているということでございます。

中間貯蔵施設建設候補地における住民票の取扱い

問:
 時事通信の吉本と言います。福島の関係でちょっとお伺いしたいのですが、中間貯蔵施設の建設候補地になっている大熊町から、土地が国有化されても住民票を維持して欲しいという要望を受けていらっしゃると思うのですが、住民説明会が間もなく始まると思うのですが、どういう形で対応なさるか、お考えをお聞かせください。
答:
 過日、会津若松市に出張した際に、大熊町の町長さんともお会いをいたしまして、直接御要望を頂いております。更に、中間貯蔵施設の施策を進めます環境省からもですね、石原大臣からも御相談、御要望を頂きました。私とすれば、できるだけ住民の御要望に添った形で、良い方策がとれないかということで、今、事務方に検討、指示を出しております。特別なケースでありますので、こういったケースに限定したものになると思いますけども、何らかのですね、いい知恵を出していきたいと、このように考えております。
問:
 あの、住民票をですね、二重に発行するというのは、なかなか制度的に難しいのではないかと言われていますけれども、特別なケースというのは、やっぱり、何か解釈的な措置になるということになるのか、それとも、何か、特別に何か別のものを発行する、証明書みたいな、これ、どういうイメージになりますか。
答:
 これは今、検討中というよりも、まだ明らかにしておりませんので、詳細は差し控えさせて頂きますけれども、二重のそういった、住民票を作ることは、これは非常に無理があると思いますね。それから、特別に何か別のものを出すというのも、これまた非常に難しい問題があると思います。したがって、解釈上の運用でですね、何か良い方策がないかということが、一番現実的ではないかなと、こういうふうには思っています。

北朝鮮の拉致問題などの再調査

問:
 朝日新聞の斎藤です。お願いします。北朝鮮が拉致の再調査で合意したということですけれども、所管外ですけど、少なからぬ関心を抱いてきた自民党議員としてですね、期待すること、気を付けるべきこと、何かあるでしょうか。
答:
 これはかつて、拉致の再調査をすると言って、それがほごにされた、そういう経過があります。今般ですね、これは、拉致も含めて、さらに、昭和20年前後に北朝鮮域内で亡くなられた日本人の遺骨や、それから、墓地、そして、残留日本人、加えて、拉致、それから、特定失踪者と言われる拉致されたのではないかと推測される方々。そういう包括的な、日本人に関する調査が行われる。そのための交渉が合意を見たということは、非常に喜ばしいことだと思いますし、安倍内閣としてですね、水面下において、強い決意を持って、また、信念を持って交渉してきた成果だと、このように思っております。何よりも、外交において問われるのは総合力でありまして、国力が下がっているときに、自国に有利な交渉というのはあり得ません。したがって、北朝鮮が日本ときちんと交渉する、そういった環境を作っていくことが非常に重要だと、私はかねてよりの持論であります。一方で、私の地元には田口八重子さんの実家がございます。ちょうどここのところで、田口さんの御兄弟が一人お亡くなりになりました。代表をおやりになっている方の弟さんでございますけれども、私もずっと一緒に街頭で署名したりですね、した方が、亡くなられました。ですから、拉致の被害者で、家族、帰りを待ちわびている人にとっては、時間との闘いにもなっているわけでありますから、私は断固たる信念を持って全面解決をすると。そういう交渉に臨んでいただきたいと思いますし、日本国政府はそのようにするというふうに思います。一方で、北朝鮮には、誠実、誠意を持ったですね、対応を求めたいというふうに思いますし、誠意に対して、誠意で応えられるのが日本でありますから、そこをですね、是非我々を信頼して、すべてのことを明らかにしてもらいたいと、このように私も願っております。

内閣人事局の発足

問:
 NHKの伏見ですが、今日、内閣人事局が発足しまして、それに関する御所感と、後、総務省がずっと、ここのところですね、所管していた人事行政が内閣人事局に移ることになりますが、出ていくことに関して、大臣としての思いがありましたらお答えいただければと思います。
答:
 今朝の閣議においても、閣議・閣僚懇でですね、安倍総理から、これは長年の課題であったと、自らが取り組んだが、ここで良い形ができたことは、非常に自分としても、感慨があるし、また、関係の閣僚には御苦労であったという言葉を頂きました。まずは、公務員制度改革という、国のですね、官僚組織の基本でありますから、これが実効性ある素晴らしい成果を上げるように我々も協力していきたいというふうに思っています。全体が、すべての規模は、それは官房の方から明らかになると思いますが、私ども総務省から129人、行っていただくことになります。これは、今まで一緒にやってきた仲間、そして、ずっと、この中にあった組織ですから、それが離れることについては一抹の寂しさもあります。しかし、一方で、今まで私たちがやっていた仕事は、そのまま移っていくわけです。ですから、組織がどこにあろうとも、この人事のですね、考え得る、今までの努力というものは、また、長年のそういった経緯というものは、受け継がれるどころか、その人たちがやっているわけですから、私はこれによって何らかの影響が出るとは思っておりません。そして、そういった、総務省の中でですね、政府全般の人事行政をやっていた、その誇りをもって、今度は人事局の下でしっかりと仕事をしてもらいたいというふうに思いますし、また、私たちとの連携というのは、全くこれまでと変わりなくできるわけであります。実際には地方公務員の制度のこともございますし、いろいろなやり取りが今後もあると思います。また、公務員制度、公務員の働き方に関しては、電子行政をその中に徹底して入れようではないかと。そうなりますと、組織の作り方、人事の配置も、これ、ICTを導入することによって変わってくるわけですね。そこの部分は総務省に残っておりますから、実務的にも、今後、連携をしていくことになるだろうと、このように思っています。新しく移る笹島さんと、若生さんを先頭にしてですね、大活躍をいただけることを確信をしていますし、それを希望したいと思います。

投票環境の向上方策等に関する研究会(2)

問:
 共同通信の江藤です。選挙の研究会の話に戻るのですけれども、投票率アップに向けてICTを活用したりとか、期日前を改善したりとか、そういう問題意識から始まっているんだろうと思うのですけれども、その辺の大臣のお考えを聞かせていただきたいのですが。
答:
 これは、選挙権というのは、国民が持つ、これはもう、基礎的な国民としてのですね、権利であります。それから、国民の意思を受けて政治が動いていくわけです。また、行政が動いていくわけであります。したがって、政治参加、行政参加、意識を高めていくことは、日本がこれから動いていく上でですね、非常に重要なことであるのは、いつの時代も同じであります。したがって、今般もこのような検討会を設けているわけでありますが、これは不断の見直し、いつもそういったことを研究していると。あれは昨年になりますかね、インターネットの解禁というのもございました。ですから、時代、社会に合わせてですね、これはどんどんと改善していけるように取り組んでいこうと、この一環だと思っていただければいいと思います。
問:
 よろしいでしようか。ありがとうございました。
答:
 はい。

ページトップへ戻る