会見発言記事
高市総務大臣閣議後記者会見の概要
平成28年8月5日
冒頭発言
皆様、おはようございます。
官邸では、閣議と閣僚懇がございました。
【副大臣、政務官への感謝】
本日、認証式を終えた後、新しい副大臣、政務官をお迎えすることになります。
この場をお借りいたしまして、今まで力一杯お支えいただきました副大臣、政務官の先生方に感謝を申し上げます。
松下新平副大臣には、ICT分野を御担当いただきました。
「電波政策2020懇談会」を主宰され、座長などとよく意思疎通を図っていただき、新たな電波利用ニーズに応えるための方策などを取りまとめていただきました。
併せて、マイナンバー制度を担当いただきまして、マイナンバーカードのメリットを広めることにも御尽力をいただきました。
フィンランドのOECD閣僚級会合や各国の要人との会談といった国際業務のほか、官邸の閣僚会議など、私の代理も多く務めていただきました。
土屋正忠副大臣には、地方行財政、消防、行政管理・評価などの分野を御担当いただきました。
熊本地震に際しましては、被災地への迅速な人的支援体制の構築に御尽力をいただきますとともに、現地に赴いて首長、消防職団員、応援派遣職員の皆様を慰労激励していただきました。
税制改正プロセスにおきましても、自民党税調などの場において、地方分権の基盤となる地方税の充実確保を強く訴えていただきました。
また、在任中、大変多くの知事、市町村長からの要請をお受けいただきまして、地方自治の豊富な御経験を生かし、円滑な意思疎通を図られました。
輿水恵一政務官には、ICT分野を御担当いただきました。
「AIネットワーク化検討会議」の検討に強いリーダーシップを発揮され、その成果を今年4月のG7情報通信大臣会合におけるレセプションで披露をいただきました。
この他、多くのICT政策の検討に参画され、「あらゆる分野で最先端のICTが利活用される社会」に向けて御尽力をいただきました。
古賀篤政務官には、行政改革分野を担当いただきました。
政務官会議では、テレワークの推進やオフィス改革等の働き方改革の議論をリードしていただきました。
行政機関個人情報保護法の審議では、個人情報の利活用と保護の調和について、丁寧に説明をしていただきました。
併せて、マイナンバーも担当していただき、制度の周知に行政相談委員の皆様のお声を生かすなど、精力的に取り組んでいただきました。
森屋宏政務官には、主に地方自治分野を担当していただきました。
地方交付税法、地方税法、公職選挙法などの法案成立に御尽力をいただきましたほか、所管外の委員会における多くの質疑に対応していただきました。
消防関係の各地のイベントに数多く出席をされ、第一線の担当者を直接激励をしていただきました。
これまで、私をお支えいただいた副大臣、政務官の先生方に改めて厚く御礼を申し上げるとともに、先生方の益々の御活躍とお幸せをお祈り申し上げております。
【記者会見方法の改善】
そして、今日から各局長が記者会見に同席をさせていただいております。
当クラブの皆様から、「閣議後の記者会見の開始時間が遅い」、「もう少し早く」というご要望をいただいていたことは、私も承知いたしております。
私自身、これまで、皆様方からどういう質問をいただくかは、なかなか想定できないのですけれども、自分の言葉で丁寧にお答えしたく、前日の夜ですとか、その日の朝刊などで皆様方が報道されたことも含めて、閣議後に少し勉強するお時間をいただいていたのですけれども、そうしますと、どうしても会見開始時間が遅れてしまいます。
今後、皆様方の御要望に応えつつ、より丁寧に、正確に、細かいことまで御説明をこの場で申し上げられますようにということで、基本的に局長から直接皆様にお答えをしていただくということになりました。
これまでどおり幹事社問ですとか、事前に「私に対して、特に」ということで通告いただきましたことにつきましては、私がしっかりと答えさせていただきますが、これだけ幹部が揃っておりますので、皆様方はご自由に、それぞれ局長たちに質問をぶつけていただけたらと思います。
私からは、以上でございます。
質疑応答
今後の抱負等
- 問:
-
幹事社の産経ですが、幹事社から1つ。総務大臣に再任されましたけれども、今回の総務大臣としての抱負をよろしくお願いいたします。
- 答:
-
第2次安倍改造内閣、第3次安倍内閣、第3次安倍改造内閣、第3次安倍第2次改造内閣ということで、一昨日から、総務大臣として4回目のスタートを切るということになりましたので、まず、皆様には、引き続きよろしくお願いを申し上げます。
まもなく約2年間となりますけれども、私自身の実績といったものは、そうないと思うのですが、ただ、困難な課題に複数、総務省は直面をしてまいりましたけれども、「ピンチをチャンスに」という姿勢で、総務省職員全員が、一生懸命頑張ってくれたということでございます。
例えば、携帯電話料金の検討は、規制緩和の流れを逆行させずに、かつ、実効性を伴うような方法について考え抜きました。
21年ぶりのG7情報通信大臣会合では、本当にぎりぎりまで各国の思惑がぶつかり、非常に大変なことでありましたけれども、各国と折衝することによって、よい成果を上げることができたと思っております。
マイナンバーカードの交付につきまして、本来は市区町村長の仕事でございますので、出過ぎたことかとは存じましたが、カード交付の遅れを放置できないということから、新たに省内に支援チームを作り、踏み込んで対応をいたしました。
これらの結果、携帯電話料金につきましては、国民の皆様の多様なニーズに対応した「新料金プランの導入」や、「端末販売の適正化」も進み、スマートフォンが生活インフラになる道が見えてきたと思っています。普及率も50%を超えました。MVNOも身近なものになってまいりました。
また、G7の情報通信大臣会合の成果は、伊勢志摩サミットはもちろん、6月のOECD閣僚会合でも大変高く評価をしていただきました。日本が世界をリードする形で、「AIの開発原則」など、具体的な検討につながりつつあります。
マイナンバーカードも大変ご心配をおかけいたしましたが、順調に交付が進み、正常化しつつございます。今後、子育てワンストップサービスなど、便利な用途を導入する素地が整ってきたところでございます。
こういった、かなり困難な問題への対応、成果というものは、私の指示に対して柔軟に考え、積極的に動き、突破口を見いだすということができる総務省の職員の働きのおかげでございます。私は心から感謝をしています。
これからも難題はたくさんあるかと思います。本当に小さな種からリスクが発生するのではないかといったことも、たびたびあるかと思いますが、優秀な職員の皆様の全員野球によって、しっかりと乗り切っていきたいと考えています。
今後は、これまでの取組をさらに深めてまいります。国民の皆様に、「ああ、変化が出てきたな、よくなったな」と、思っていただけるようにしていきたいと思います。
「ローカル・アベノミクス」ですけれども、まず、「未来への投資を実現する経済対策」で力強いスタートを切って、この取組を加速させてまいります。
地方への「ヒトと情報」の流れを加速させる新施策を打ち出してまいります。
私も、就任当初から、また、自民党の政調会長時代から、「ライフステージごとの生活スタイルに合わせて自宅や地域で柔軟な働き方ができる雇用の場を増やしていく」ということを申し上げてまいりましたので、引き続き「テレワークの推進」、そして「為替変動にも強い地産地消型の地域ビジネスの創出」には力を入れてまいります。
また、地方が安心して、社会保障を含め必要な行政サービスを提供できるよう、地方税財源はしっかりと確保してまいりたいと思います。
そして、IoT時代を見据えたICT政策を強力に推進してまいります。
産学官の緊密な連携の下で、IoT・ビッグデータ・AIを活用した生産性向上の取組を加速する新たなイノベーションを創出するために、4K・8Kや5Gを展開して、「世界最高水準のICT社会の実現」を目指します。
日本の強みを活かして、官民ファンドJICTとも連携し、地デジなどICTインフラ、放送コンテンツ、防災ICT、電波監視、郵便システムなどの海外展開にも引き続き精力的に取り組んでまいります。
また、NHKの業務、受信料、経営の在り方につきましては、一体的に改革を進めていく必要がございます。「放送の諸課題に関する検討会」で議論を深めてまいります。
そして、熊本地震、東日本大震災の被災地では、今なお多くの方々が避難生活を余儀なくされています。
熊本地震の「復興基金」を創設して、被災地の財政支援や人的支援に全力で取り組んでまいります。
今後の大規模災害への備えを万全にするために、「緊急消防援助隊の強化」や「消防団の充実」等を引き続き進めます。
特に御高齢の方々など、地域にきめ細かく防災情報が行き渡る仕組みを構築してまいります。これは喫緊の課題だと私は考えています。
また、ICTを活用して医療や教育をはじめとした社会的な課題を解決してまいります。とにかく、IoTだ、AIだ、ICTだといっても、それぞれの産業分野で大きな成果を上げていく取組というのもありましょうけれども、生活に身近な分野で、私たちが「便利になったな」、そして「安心して使えるな」といった環境作りということが、総務省の仕事に非常に合致していると思っておりますので、ここに力を入れます。そのためにも、若年層の方々のプログラミング教育など、人材育成にも努めてまいります。
そして、マイナンバーカードですが、これからいよいよ利活用の段階に入ってまいります。情報セキュリティ対策を確保して、来年から情報連携を開始いたします。
マイナンバーカードは、「地域経済応援ポイント」の導入や「公的個人認証サービス」の利用を推進してまいります。
ようやく市区町村におけるカードの交付も正常化してきたところでございまして、秋以降は、国民の皆様に、更にマイナンバーカードのメリットを御理解いただくべく、広報にも力を入れていきたいと考えています。
これまでは、申請しても、混み合っている市区町村などではなかなかカードが交付できないといった状況がありましたので、「これだけ便利なカードだよ」ということを宣伝するというのは、更にその困難な状況を深めてしまいますので、少し広報の時期を遅らせる判断をしておりましたが、いよいよ滞留しているカードの解消も見えてまいりましたので、次はどういうことにメリットがあるカードなのかというところをアピールし、また更に多くの方にカードを取得していただけたらと思っております。ここはマスコミの皆様にも、是非とも御協力をお願いいたします。
効率的で質の高い行政の実現も総務省の役割です。
行政のICT化を進めるとともに、特に消費動向をより正確に把握できる新たな指標の開発ということで、公的統計の精度向上に努めてまいります。
先の参議院選挙の結果を踏まえて、引き続き主権者教育も進めてまいります。
総務省は非常に幅広い行政分野を所管しています。その業務はいずれも国民の生活に密接に関連しています。
私自身の強みは、「打たれ強さ」と「リスクを早めに予見した対応」なのかなと自分で勝手に思っておりますので、大きな方向性に限りましては、職員の皆さんに的確に指示を行って対応することにしたいと思います。
以上でございます。
経済対策における「チャレンジ・ふるさとワーク」
- 問:
-
日本経済新聞の山崎と申します。今の大臣のお話の中で、地方への人と情報の流れを加速するというお話がありました。ちょうど火曜日に決定された経済対策の中でも、「チャレンジ・ふるさとワーク」とか、そういったものが入っていると思うのですけれども、「チャレンジ・ふるさとワーク」の事業のイメージと狙いについて、今お話しいただける範囲でお願いします。
- 答:
-
ライフステージに応じて、地域や自宅で柔軟に働ける雇用の場を増やしていくという、私の古くからの願いであり、また、必要だと思っていた政策を、更に一歩進めるためのものでございます。
これまでも「ローカル10,000プロジェクト」で地域ビジネスを起こしていくことですとか、「テレワーク」及び一歩進んだ「ふるさとテレワーク」を進めていくといった取組を進めてまいりましたけれども、更に細やかな政策によって、しっかりとそういう環境を作っていく必要があると考えまして、時澤地域力創造審議官、松田地域政策課長だけではなく、地域政策課の若い職員の方々もみんな協力をしてくれまして、より使い勝手がよい政策になるように、また、隙間を埋めていく政策になるように、工夫をしたものでございます。
具体的には、まず、「ふるさとワーキングホリデー」という施策がございます。
これは都市部の大学生など、次代を担う若い方々が一定期間地方に滞在して、働きながら地域住民の皆様との交流などを通じて地域の暮らしを学んでいただくという、「国内版のワーキングホリデー」といったものでございます。
この「国内版のワーキングホリデー」に取り組む自治体をモデル的に支援して、地域経済を下支えするということとともに、将来的に都市部から地方に移住する方々を掘り起こしていくことが目的でございます。
2番目に、「お試しサテライトオフィス」という施策がございます。「ふるさとテレワーク」の実証事業でも、ずいぶん大きな成果が上がってきたところでございます。ただ、やはり、都市部の企業が地方にサテライトオフィスを開くということになりますと、果たしてそこで人材が確保できるのか、どういう通信環境なのか、周辺の生活環境はどうかなど、様々なことを考えなければいけません。ですから、リスクを最小化して、積極的に地方で働く場所、地方に住んだままテレワークで都市部の仕事ができるようにしていくということを考えますと、まずは地域でのお試し勤務という形の場を得ていただいて、企業立地の地方への促進を図るということでございます。
このほかにも、「“地域の人事部”戦略策定事業」というものがございます。
これは、私自身も市町村長さんなどと話をしていて、「ふるさとテレワーク」もやってみたいし、「ローカル10,000プロジェクト」なども活用してみたいのだけれども、「自分の地域にどういった人材がいらして、特にテレワークでしたらどれぐらいのスキルを持っておられるのか、そういったことが把握できないのですよね」、という話もございましたので、地域に存在する人材やスキル、こういったものをしっかり把握していただきながら、人材の育成ですとか活用に取り組んでいただくものを支援するということで、これも必要なものだと思います。
もう1点、「次世代コラボ創業支援事業」ということも考えています。
冒頭に申し上げました「ふるさとワーキングホリデー」は、都市部から地方に、若い方に移住していただくお試し期間を持っていただくということなのですが、これは反対に、その地域で育たれた方が、高校進学や大学進学で地方から出て行かれるという問題が生じておりますので、そうではなくて、そこで生まれ育った若い方々が、その地域で創業して、その地域に定住していただく、こういった取組を支援するものでございます。
これから本格的に掘り下げて、しっかりと政策を構築してまいりますけれども、ちょうど隙間を埋める、より活用していただきやすい環境を作るということで考えさせていただきました。
海外進出におけるカントリーリスク
- 問:
-
すみません、もう1点だけ。インドからの撤退を巡って、ドコモと現地のタタが裁判沙汰になっていまして、ああいったカントリーリスクは、中国では結構顕著だったと思うのですけど、今後も、インドも含めいろいろなところで通信事業者が海外に進出するにつれて、同じこともあろうかと思いますが、ああいったカントリーリスクについて、何かお考えはありますでしょうか。
- 答:
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(事務方)御承知のとおり、インドにつきましては、ドコモがタタと始めましてうまくいかなかったという事業でございまして、その処理ということで今回議論が行われているものでございます。
一般論として、カントリーリスクについては様々な国がそれぞれいろいろなリスクがあると思っておりますけれども、私どもといたしましては、それぞれの事業者が適切にカントリーリスクを評価した上で積極的に海外展開をやっていただきたいと思います。
総務省としてできることはしっかりとやってまいりたいと思っています。
- 問:
-
以上でよろしいでしょうか。ありがとうございました。
- 答:
-
はい、お疲れ様でございました。
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