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会見発言記事

野田総務大臣のフィリピン共和国ドゥテルテ大統領への表敬後ぶら下がり記者会見の概要

平成30年1月9日

冒頭発言

 皆様、こんばんは。
 私の方から、本日のドゥテルテ大統領への表敬について、御報告させていただきます。
 まず、昨年12月に発生しましたフィリピン南部における台風被害、そして、ダバオ市のショッピングモールにおける火災により犠牲になった方々に対し、改めて心からお悔やみ申し上げたいと思います。また、御家族、関係者の方にお見舞い申し上げるとともに、一日も早い復旧復興をお祈りいたします。
 今回、総務大臣として、フィリピンを訪問させていただきました。昨年10月の日フィリピン首脳会談を受けまして発出されました「日フィリピン共同声明」。これのICT分野の協力として、「国家ブロードバンド計画」及び「地上デジタル放送」の協力が挙げられているところです。このように、ICTも、両国が協力して整備を推進する重要なインフラの位置付けとなっております。
 本日は、これらの協力を着実に実施していくために、先ほど表敬訪問したドゥテルテ大統領に対して、ICT分野の総合的な協力方策である「日フィリピンICT総合協力パッケージ」を提案させていただきました。
 このパッケージでは、総務省が、フィリピンの全ての国民にとって社会・経済活動の基盤となるブロードバンド網及び地上デジタル放送といったICTインフラ整備に協力をしていきます。
 ICTインフラ整備は、ICT利活用の基盤となります。フィリピンの社会的課題の解決及び経済成長に貢献できるため、フィリピンの国民生活を豊かにするとともに、日本企業の海外展開の後押しにもつながるものと信じているところです。
 その結果、ドゥテルテ大統領との間で、国家ブロードバンド計画及び地上デジタル放送への移行に関する協力について、今後、着実に実施していくことで一致をみたところであります。
 明日は、フィリピン国営放送局(PTV)の地上デジタル放送開始式典で来賓挨拶をさせていただき、これまでの日本の貢献及び今後の協力についてアピールをさせていただきます。
 また、アンダナール広報業務担当大臣及びリオ情報通信技術大臣代行との会談等を予定しています。会談を通じてICT分野全体の協力を一層推進することで、日本企業の海外展開を強力に推し進めていければと思います。
 詳しいことは、後程、事務方から説明させていただきます。



質疑応答

「日フィリピンICT総合協力パッケージ」を推進していく上での思いと慰安婦像への対応

問:
 2点質問させていただきます。
 1点目は、「日フィリピンICT総合協力パッケージ」を進めていくことで大統領と一致したとのことで、これはフィリピン国民にとっても大事な協力になると思うが、大臣の気持ちを聞かせていただきたい。
 2点目は、マニラに設置された慰安婦像について、大臣からどのような発言があったのでしょうか。あったとすれば、ドゥテルテ大統領はどのように答えたのか。
答:
 「日フィリピンICT総合協力パッケージ」については、3つの大きな要素があります。
 1つはブロードバンド網について、高速で安価なネットワークを作ることによって、よりフィリピン国民の利便性又は新たな経済活動を生み出すことになります。これまでもJICA専門の派遣員がおりますから話し合いをしてきましたし、これからもそれを加速していこうということを申し上げました。
 また、地上デジタル放送につきましては、我が国でもアナログからデジタルに移行することによって様々なメリットが生まれてきております。これについても、フィリピンはASEANで唯一の日本方式採用国であり、今後ともさらに協力を推進していきたい。
 さらに、これらの基盤の上に立ったICT利活用が重要でして、災害や交通渋滞の解消等についてもICTによるネットワークにより、社会生活が改善され、安心安全につながることを進めていきたいということを申し上げました。
 大統領にはこの提案を喜んでいただいて、謝辞をいただきました。日本はICT分野で大変優秀な国で期待している、これまでも取組んできましたけど、これからも未来志向で大変親しい友人ということで付き合っていこうということで一致をみたわけです。
 その中で、慰安婦像設置の問題についても、唐突に事案が報道されて以来、初めての閣僚のフィリピン訪問となり、日本としては非常に残念である。これまで、フィリピンは、先の大戦からお互い色々と問題を抱えながらも未来志向で親しい関係を築きあげてきたので、その関係を続行していくために、日本とフィリピンの間で、しっかりこれからの先行きについても話して頂きたいということを率直に申し上げたところです。大統領の方にしっかりお伝えしたわけで、大統領も御理解いただけたことと私は思っています。
問:
 大統領が理解を示されたということだが、具体的にどのような言葉があったのか。
答:
 それぞれの政府間でやりとりが行われている中ですので、引き続き、それについて進めて頂きたいという趣旨を申しあげたところ、大統領から特にコメントはございませんでしたけれども、御理解はされたと受け止めております。

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