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会見発言記事

野田総務大臣の日中韓情報通信大臣会合終了後ぶら下がり記者会見の概要

平成30年5月28日

冒頭発言


【第6回日中韓情報通信大臣会合の概要】

 本日はお集まりいただきまして、ありがとうございました。
 本日、第6回日中韓情報通信大臣会合を開催しました。本会合は、日中韓3か国の情報通信担当大臣が、ICT分野の取組と今後の協力について意見交換を行う。そのことで関係の強化を図り、ひいてはアジアのICTの発展に貢献することを目的にしたものです。
 2011年に前回の第5回大臣会合が開催されて以来、7年ぶりの開催となりました。また、日中韓3か国の大臣全員が揃う大臣会合としては、2006年以来の実に12年ぶりということになります。
 今回、日本が議長国の番で、私が議長を務めました。中国からは工業・情報化部 苗 ?(びょう・う)部長、韓国からは科学技術情報通信部 兪 英民(ユ・ヨンミン)長官が来日して会議に参加していただきました。
 この会合におきまして、私からは、20年後の日本の課題を見据え、ICTを活用した人々の生活の質の向上や経済成長のために必要な政策について、御紹介させていただいて、中国や韓国からも高い関心を示していただいたところです。
 中国からは、ICTを活用した産業発展に向けた取組、韓国からは人間中心の第4次産業革命等についての御紹介がありました。今後の日中韓3か国ICT分野における協力について議論が行われたところです。
 これらの議論を通じて、日中韓3か国のICT分野における取組が、地球規模の課題の解決や持続可能な開発目標、SDGsの達成の基盤となることを認識し、例えば、5Gの早期実現、オリンピック・パラリンピックを1つの契機とするICTの高度化、または、国際ローミング料金の低廉化に向けた取組等について、3か国の協力が重要であるとの考えを共有したところです。
 こうした協力を進めるため、定期的な実務者レベルの協議の場を設置することに合意しました。
 次回の会合は、2019年に中国で開催することとなりました。
 最後に、今回の会合の成果を取りまとめた共同議事録に、日中韓3大臣が署名をいたしました。

 以上です。


質疑応答

中国のサイバーセキュリティ法に対する日本企業の懸念と2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会への対応

問:
 サイバーセキュリティについては、オリンピックの関係も含めてどんなやり取りがあったんでしょうか。
答:
 まず、中国の苗(びょう)工業・情報化部長とはバイの会談をいたしまして、今、サイバーセキュリティ法というのが中国にございまして、その懸念というのが、詳細が伝わっていなかったこともあって、日本の経済界からそういう話が出ていたことは、皆さんも御承知だと思います。
 それについて率直に、そういう日本企業の懸念がありますというふうに私からお伝えしたところ、苗部長の方からは、サイバーセキュリティ法の適用について、条件や詳細の説明をしっかりいただきまして、インターネットの発展と安全のバランスをとって運用していくという発言をいただきました。
 あと、2020年の東京オリ・パラに関しましては、ピョンチャンの方で既に韓国が取組まれたということで、なかなかサイバーセキュリティの人材というのは十二分にないのが、どこでも国の抱えている悩みの1つですが、韓国においてサイバー攻撃を感知していたけれども、しっかり取組むことができて、そこが始まりとなって今非常にサイバーセキュリティについての進展が進んでいるという報告は受けました。いろいろと御協力をいただけると信じています。

5Gの早期実現に向けた具体的な取組

問:
 5Gの早期実現で協力するという場合に、具体的な取組としては、何かお話はあったんでしょうか。
答:
 とにかくこの会議のメインは5Gでありまして、それぞれ取組んでいるんですけれども、まず、標準化のこととか、周波数を合わせていくという努力をして、それが結果的に国際社会の中のコンセンサスになるように取組んでいきたいと。
 あと、5Gというのは、これまでの4Gと違ってキャラクターが全然違い、延長線上ではないと。この5Gの凄まじいキャラクターをそれぞれしっかり生かしていけるように、特に、それぞれ3国共通は、人のために、国民の生活の質の向上のためにしっかり取組んでいけるような話し合いの場を設けていこうということで、前向きな話し合いができたと思います。そういう感じです。とにかく終始5Gが主役という感じで、それぞれ、私を含めて取組について話をさせていただきました。

サイバーセキュリティの具体的な提案

問:
 先ほど、韓国側からピョンチャンのオリンピックのサイバーセキュリティ関係の言及があったようなお話をお伺いしましたけれども、具体的に課題とか、あるいは日本、今度東京でやるにあたってアドバイスですとか、具体的な協力の申し出みたいな、そういったやり取りはあったでしょうか。
答:
 実は、サイバーセキュリティの人材について、私は会議の中でアドリブで想定外の質問をさせていただいたところのお返事だったので、そこまで深掘りはしていませんけれども、実務者協議をしばしば開いていく中で、大臣間で協力態勢を確認できたので、具体的な話が進んでいくと私は信じています。

国際ローミング料金の低廉化

問:
 国際ローミング料金なんですけれども、韓国との間で話が挙がったということなんですけれども、どういうところで一致できたかということ。あと、中国を含めて何か合意みたいなものがあったのかどうか、お願いします。
答:
 これだけ日中韓が、この間の日中韓サミットを経て、私たち情報通信大臣会合でもそれぞれが独自にやるのではなくて、3か国が共通の意識をもって5Gを中心にICTの新しい役割を果たしていこうというベースメントがある中で、現実に今あるのは、これだけ近接しあっているのにローミングに関しては料金の問題があると。
 通話の時代からデータの時代になってきていて、皆さんも御承知のように、データ料金が高いということが、それぞれのネックになっていることがあると。それは3か国ともそのとおりだねということで、できるだけ、これは民間の方たちへの要請ということになるんですけれども、それぞれの産業なり、社会生活の向上のために取組んでいこうということで、最後の最後という形になっているんですけれども、当初からそのような思いで3か国とも意識を共有化させたところです。

今後の日中韓協力関係

問:
 共同議事録に署名されたということで、今後、日中韓の協力の期待していることを。
答:
 こういう会議というのは極めて堅苦しく、シナリオどおりというような印象を持たれると思うんですけれども、極めてフランクに、中国も韓国もそれぞれ、部長も長官も御自身の言葉で率直なお話をしていただいたことが。私もいろいろな国際会議に出ているんですけれども、良い意味で異例な感じがいたしました。私もできるかぎり自分の言葉でこの会議に参加して、率直な意見の中でそれぞれの得意な部門、そして苦手なところで、お互いに困っている共通の部分とか、率直な意見の発出ができたと思っています。
 それぞれの大臣もおっしゃっていましたけど、堅苦しくなく、カジュアルに、常に常にICTはどんどん進んでいきますから、それのスピードに負けないように、いろんな形で会議を進めていこうということで結論を得たところです。

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