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会見発言記事

野田総務大臣閣議後記者会見の概要

平成30年8月7日

冒頭発言


 おはようございます。
 私の方から、3件ご報告をいたします。

【閣僚給与の返納】

 7月27日の閣議後の会見で、金融庁の情報公開請求者の漏出問題に関し、私自身に対する措置を検討していると申し上げたところです。
 今回の件は、私自身が情報公開法の所管大臣でありながらも、法律の理解に不十分な点があったことで、行政に対する信頼を損ねるなど、ご迷惑をおかけしたと考えております。
 このことを重く受け止めるとともに、自分自身に対するけじめをしっかりつけるため、昨年8月の就任時にさかのぼって、この7月までの12月分につき、閣僚としての給与の全額を返納することといたします。
 今後は、自らの情報公開に対する意識をより高く保つとともに、関連法令を所管する総務大臣として、各府省に対して情報公開業務の適切な遂行について、いま一度徹底してまいります。


【国内出張】

 本日7日(火)から10日(金)にかけて、京都府、大阪府、富山県、岩手県及び群馬県に出張させていただくことになりました。
 本日7日(火)は、京都府京都市において、経済団体等と京都府、京都市、京都労働局の連携による「輝く女性応援京都会議」と、昨年7月に結成された「京都女性活躍応援男性リーダーの会」の合同会議において講演及び意見交換をさせていただきます。
 日本の社会の中で、女性が直面している様々な課題を解消し、女性が自らの能力をしっかり発揮できるような「フェアネスの高い社会」の構築に向けて、京都の経済界や行政のリーダーの方々と、認識の共有を図る機会としたいと考えています。
 その後、大阪府池田市において、フリースクールの視察及び池田市民文化会館においての講演をさせていただきます。
 また、8日(水)は、富山県富山市において、農業女性経営者との意見交換などを通じて、地域の実情をお伺いしたいと考えています。
 そして、9日(木)は岩手県において、東日本大震災からの復興の取組について、陸前高田市、大船渡市、釜石市などを訪問し、被災地の現状を視察させていただきます。
 昨年8月の総務大臣就任以来、福島県、宮城県と東日本大震災の被災地を訪問してまいりました。
 今回が3県目の訪問となりますが、現地での復興に向けた取組をつぶさにお伺いして、復興の加速化につなげたいと考えています。
 さらに、10日(金)は、群馬県前橋市において、マイナンバーカードを活用したタクシー利用や母子健康情報サービスなど、前橋市における先進ICT事例を視察させていただきます。
 地方における少子化・高齢化や若者流出など、地方が抱える課題の解決に向けて、マイナンバーカードや5G等のICTを活用する取組を進めている前橋市は、地域課題解決のショーケースであり、地域の活性化に向けて取り組んでいる私たちにとって、大いに参考になるものと考えています。
 詳細については、事務方にお問い合わせください。

(注)8月9日(木)の岩手県への出張は台風の影響を踏まえ、延期となりました。


家計調査結果

 本日の閣議において、私から家計調査結果について報告しました。そのポイントを説明します。
 全国2人以上世帯の6月の消費支出は、1年前に比べて、変動調整値で名目0.4%の減少、実質1.2%の減少となりました。
 自動車購入などの「自動車等関係費」やエアコンディショナなどの「家庭用耐久財」などが実質増加となった一方、パック旅行費などの「教養娯楽サービス」やリフォーム関係を含む住居の「設備修繕・維持」などが実質減少となりました。
 2人以上の勤労者世帯の実収入は、1年前に比べて、名目5.2%の増加、実質4.4%の増加となりました。
 詳細は、統計局にお問い合わせください。


 私の方からは、以上です。


 

質疑応答

閣僚給与の返納

問:
 冒頭の大臣の処分の件なんですけれども、昨年8月にさかのぼって給与を全額返納。この処分の重さを決めた基準とか、あるいは考え方、その辺を教えていただけますでしょうか。
答:
 まず、情報公開法の所管大臣である私の職責、そして、事案の影響度についてしっかりと考慮をいたしました。
 処分の内容については、様々な前例をお示しいただきましたけれども、比較して相当重くしたところです。これは、私自身が自らの戒めのために、今後そういうことを二度としていかないように、そういう自分自身に対する政治家としての戒めでございます。そういう形で判断させていただきました。
問:
 関連して私の方から3点伺いたいと思います。7月の立憲民主党のヒアリングで、総務省が請求者に関する情報を第三者に伝えることは好ましくないが、それ以外の請求内容を伝えることは情報公開法で禁じているわけではないという趣旨の説明をしました。請求者に関する情報以外にも、開示請求を受けていることを漏らすこと自体が問題ではないかと私は思うのですけれども、法制度に問題はないのでしょうか。また、大臣の今回の処分内容をもう少し細かく伺いたいんですけれども、請求者に関する情報を懇親会の場で伝えたということに限定されるのか、請求者に関する情報以外に、請求内容などそれ以外のものを含めたことも処分の対象となったのか、まずこの点についてご認識を教えてください。
答:
 情報公開法は、開示される文書に記載されている個人や法人の権利利益にも配慮する制度となっております。開示予定の文書の内容を示して、意見照会を行うことができる旨の規定を設けております。
 このような法の趣旨を踏まえれば、事実上の行為として、これらの個人や法人の権利利益に配慮して、開示予定の文書の内容を情報提供することは、これまでも情報公開法上問題ないとされていたと承知しています。
 私の処分につきましては、まず金融庁が漏えいしたことについて、担当者が金融庁から連絡を受け、そして、それを私が報告を受けました。情報公開請求と、朝日新聞からあったということを聞きました。
 私は、その時点で既に受理され、公表されているというふうな受け止め方をしたことが、私のケアレスミスだと思っています。今回私は、請求者である朝日新聞を、懇親会で、まだ発出されていないにもかかわらず話をしてしまったことに対しての今回の処分、自分への措置でそのような形にしたところです。
問:
 2点目なんですけれども、金融庁は今回、大臣だからということで連絡したというふうに把握していますが、大臣は過去の閣議後会見で、今回の問題については第三者に対して事前に情報提供して内容を確認することは、情報公開法上ありうるものとの認識を示されましたが、今回はそれに該当するというご認識でよろしいでしょうか。
答:
 7月24日の記者会見の私の発言のことだと思いますが、先ほど申し上げた趣旨を簡潔に述べたものであります。金融庁からの情報提供は、情報公開法第13条に基づく第三者意見照会の手続きにより行われたものであると申し上げたものではありません。
問:
 3点目、1点目の大臣のご答弁にもかぶるところがあるのですが、総務省が法に基づいた正式な手続きである第三者通知を、先ほどもありましたが、事実上の行為として許容しているというふうにこれまでの取材で把握していますが、法に基づかないでやると、恣意的に運用されるおそれとか、公文書の管理上記録が残らないとの懸念や指摘があるのですが、現状のような運用のままで適切だとお考えでしょうか。
答:
 繰り返しになるんですけれども、情報公開法の趣旨を踏まえれば、第13条の手続きをしなくても、とらずとも、事実上の行為として、行政文書に記載されている個人や法人の権利利益に配慮して、開示予定の文書の内容を情報提供することは、従来から問題ないとされていたと承知していますし、そういうふうに理解をしているところです。
問:
 今回、金融庁のことについて処分を発表されたということですけれども、ご自身は総裁選挙に立候補の意欲を示しているわけですけれども、その影響についてはどのように思っていらっしゃるでしょうか。
答:
 私自身、常に申し上げているように完璧な人間ではございません。自分なりに一生懸命様々な法律を学んだつもりでいたけれども、今回の私のケアレスミスというのは、そもそも漏えいはないという前提を持っていたものですから、その報告を聞いた時に、それが漏えいであるということの疑念をフィードバックできなかった自分であったと思います。そういうことを踏まえて、だいぶ皆さんにもご迷惑をかけましたけれども、しっかりと、今後はそういうことのなきよう務めていくことでご理解いただきたいなと願っています。
問:
 改めて、総裁選へは、まだ立候補に意欲はあるということでいいですか。
答:
 コツコツとやっております。
問:
 報酬の返納額については、具体的にいくらなのかということと、いつごろ手続きとして返納されるかということを。
答:
 返納総額だけ、手続きはこれからやっていくので。月額が11万3,359円×12月、平成29年8月分のみは額が違いますが、及び平成29年12月及び平成30年6月の期末手当分の総額で、161万7,088円というふうになりました。
問:
 返納手続きは、今日というわけではないということですか。
答:
 これからです。
問:
 もう1件なんですけれども、公文書改ざんから、麻生大臣も閣僚給与を返納されて、大臣も先ほど、行政の信頼を損なう事態だということをおっしゃったと思うんですけれども、そうした、現政権でですね、またそういう事態が続いてしまったことについて、改めて伺えますでしょうか。
答:
 そもそも公文書の改ざんはあり得ないとみんなが思っていましたし、私も今回の情報公開に関するという事柄について、漏えいがあることはないと思っておりましたが、こういう事態が起こってしまいましたので、今後はやはり、しっかりと反省して、そして、二度と起きないように務めていくことが大事だと思っています。
問:
 よろしいですかね。どうもありがとうございました。

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