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会見発言記事

野田総務大臣閣議後記者会見の概要

平成30年8月28日

冒頭発言


 おはようございます。

【障害者雇用】

 本日、厚生労働省において、平成29年度の障害者雇用の数値について、再点検した数値が発表されました。
 総務省は、平成29年6月1日現在の障害者数について110人、雇用率2.3%と報告しておりましたが、再点検の結果、このうち障害者手帳の所持が確認された者は、重度障害者のダブルカウント分を含めて40人であり、結果として雇用率は0.76%と大きく下がることになりました。
 原因については、担当者が厚生労働省からの通知についての認識を誤り、手帳の所持を確認することなく障害者数の算入を行っていたこと、また、担当者の誤りについて、事後も含めチェックを行う体制が働いてこなかったことに起因するものと理解しています。
 障害者の皆様をはじめ、国民の信頼を傷つける結果となってしまい、大変申し訳なく思っております。
 また、地方公共団体に対する障害者雇用の数値の再点検及び法定雇用率の達成に向けて、厚生労働省に協力してまいります。
 詳細については、大臣官房秘書課にお尋ねください。


【「スマートインクルージョンの実現に向けた懇談会」の開催】

 来週9月3日(月)、私が主宰する「スマートインクルージョンの実現に向けた懇談会」を開催いたします。
 「スマートインクルージョン」とは、本格化するIoT、AI時代に、ICTを利活用し、年齢・性別・障害の有無・国籍等に関わらず、誰もが豊かな人生を享受できる「インクルーシブな社会」の実現を目指すというコンセプトです。
 「インクルーシブな社会」を実現するためには、社会の側の根本的な意識改革が必要と考えています。
 そこで、障害者の方々は言うに及ばず、高齢者、女性活躍や外国人との共生も含め、ICTによる支援策、社会の意識改革や関連する制度のあり方など、有識者の方から幅広くご意見をお聞きする場を設け、今後の政策に反映していきます。
 懇談会の詳細については、情報流通振興課までお問い合わせください。


消費者物価指数

 本日の閣議において、私から消費者物価指数についてご報告しました。
 その内容については、統計局から既に公表されている資料のとおりです。
 詳細は、統計局にお問い合わせください。


 以上です。


 

質疑応答

障害者雇用

問:
 障害者雇用の関係で2つ伺います。まず1つ目ですけれども、今回の調査結果の受け止めと、今後の対策、どうしていかれるかお伺いします。
答:
 障害者雇用における過大の計上、これについては、大変大きな問題です。政府全体として早急に取り組むべき問題だと認識をしています。
 これからは、このようなことが絶対ないよう、制度の部内への周知やチェック体制の確立を図ることはもちろんのことですが、当面は非常勤での雇用が中心となりますが、省内での推進体制をしっかり組んで、障害者に適した業務を洗い出し、障害者の採用に取り組んでまいりたいと考えています。
 また、本日、「公務部門における障害者雇用に関する閣僚会議」が発足しました。現状では障害者の雇用拡大は、民間への就労を前提としたチャレンジ雇用を拡大する道しかないことや、これまで事務の民間委託を進めてきたことも考えれば、制度改正も含め、幅広い角度から検討を政府部内で行う必要があると考えています。その旨、本日の閣僚会議でも私から発言をしたところです。
 さらに、先ほど申し上げた「スマートインクルージョンの実現に向けた懇談会」の議論におきましても、総務省における障害者雇用の新たなモデルを示すことができれば、と期待しているところです。
問:
 もう1つ、今回、障害者雇用、全国の自治体も同じような問題が広がっているわけですけれども、この対策について、どのように調査等々進められていかれる方針でしょうか。
答:
 地方公共団体における障害者の雇用状況については、国の機関や民間企業と同様です。障害者雇用促進法に基づき、厚生労働省に対し報告し、厚生労働省において集計・結果を取りまとめています。
 地方公共団体での再点検に当たっては、総務省からも協力を要請するとともに、法定雇用率の達成に向けて地方公務員法及び地方自治法に基づく技術的助言をするなど、必要な対応を行ってまいります。
 具体的な点検の内容等につきましては、これから厚生労働省と協議をして詳細を検討をしてまいります。
 厚生労働大臣からも、今日、会議でその旨のお願いがございました。

「スマートインクルージョンの実現に向けた懇談会」への期待

問:
 先ほどの質問に関連して、以前、障害者の雇用水増し問題に関して、総務省の中だけで何かできないか議論しているという話が挙がっていましたけれども、いまおっしゃったような「スマートインクルージョンの懇談会」などを含めて、具体的に今考えていらっしゃることがあれば教えてください。
答:
 TECH戦略を作成するに当たって様々な方たちの意見を聞いたところ、圧倒的に障害を持つ方、また、団体からの要望やら、アイデアをいただいたことは事実でありました。
 私自身もICTにのめり込んだきっかけというのは、実際には対面で話もすることができない、意思疎通を図ることができない友人と、当時のパソコン通信を使ってそういうものを乗り越えて、お互い切磋琢磨ができた。今日までその友情が続いていることにあります。
 これまでもICTの中では、多くのできないと思っていたことをどんどん技術によって塗り替えてきました。そもそも電話は耳で聞くものですから、聴覚障害の人には無用であったけれども、メールは、携帯電話を通じて使うことによって聴覚障害の方もそれを利用することができるし、目の見えない方も、音声読み上げによって見えないネットの情報を受け取ることができる。
 先日、パラオリンピックの2年前イベントに行った時には、NTTドコモだったと思いますけれども、3Dプリンターを使って、目の見えない方に分かる写真というデモンストレーションと出会うことができました。それは、普通は写真は平面なんですけど、プリンターを使って凹凸をつけることによって、顔の輪郭とか2人で一緒に撮っているとか、そういうことが、触ることによって認識できるということでありました。凄まじい勢いでICTというのはできないこと、やれないことをやれると私は信じています。
 そんな中にあって、総務省、その担当をさせていただいているアドバンテージを最大限活用して、インクルーシブというのは必ずしも障害者だけではありませんけれども、今、現状の働き方の中でオミットされてしまう人たちを、スムーズにメンバーとして受け入れられるような、そういうデバイスであることも大事ですけど、それを使える職場環境を、逆にそちらから作り替えていくことも可能であると信じています。
 残念なことに、こういうことが明るみになった今、すべての省にかかってきた問題だけれども、むしろ私たちはそういうことと接してきた役所として、どこよりも先駆けて障害者が働けるような、ICTを活用して働ける環境整備をすることで、いいモデル、ビジネスモデルを作れれば、今後10月中旬にも取りまとめられていると言われていますけれども、新しい働き方の一助になると。これが横展開ができれば、自然な形で、無理に数合わせをすることなく、当然障害を持っていても、その人の能力に応じた、その人の能力を引き出すことができる端末やデバイスを使って働くことができること。こういう形を進めていければいいなという、熱い思いを今、改めて持ったところであります。

携帯電話料金の値下げ(1)

問:
 先日、菅官房長官が、携帯電話料金、国際的に見て割高であって、4割程度下げる余地があるのではないかという趣旨の発言をされました。政府が値下げを強制する仕組みはないと思うんですけれども、公正な市場の競争環境を促進する上で、今後の情報通信審議会に期待される具体的な論点を教えていただけますか。
答:
 少し前にとあるところでこのことについてお話をさせていただいたんですけれども、重なるところもありますけれども、申し上げるならば、モバイル市場については、総務省はこれまで、接続料を下げること、そして、SIMロック解除の推進などを通じて、事業者間の競争促進に取り組んできたところです。ただ、依然として大手3社が約9割のシェアを占めている寡占状態ということもありまして、競争が十分に働いていないという指摘も受けてきたところであります。
 4社目の事業者として楽天が新規参入することによって、大手3社から4社目になるということで、競争の進展が期待されるところであります。
 MVNOを含めた事業者間の競争を一層促進するために、先週8月23日の情報通信審議会に対して、電気通信事業分野における新たな競争ルール等の包括的検証を、諮問をいたしました。これによって、モバイル分野についても検証を行うこととしていただくわけです。
 今後、いつものことですけれども、利用者の視点に立ち、これまでの政策の効果について、予断を持たずに検証いただきまして、モバイル市場の競争環境の確保の在り方について、取りまとめていただくことを大変期待しているところです。
 総務省としては、取りまとめていただきましたら、速やかに公正取引委員会とともに連携をしながら、迅速に必要な対応を行うことによって、多様なサービスが低廉な料金で提供されるよう取り組んでまいりたいと思います。

自民党総裁選挙

問:
 ちょっと聞きにくいことを申し上げますが、自民党総裁選なんですけれども、依然困難な状況が続いています。9月7日ぎりぎりまで、頑張るというおつもりでしょうか。
答:
 私自身は困難と思っておりません。自分の持ちうる力を精一杯、毎日、客観的に見れば、ささやかかもしれませんけれども、応援していただく仲間の皆さんと歩ませていただいているところです。
 前も申し上げたとおり、今回は私1人で走っているわけではなく、私を支えていただく仲間の皆さんとチームを作ってやっているので、そういう様々な今後については、日々相談をしながら決めているところなので、私もそういう積み重ねを大事にしていきたいと思います。この場では、様々なことをお話しすることは控えたいと思います。

携帯電話料金の値下げ(2)

問:
 携帯料金の値下げに関係してなんですけども、6項目について包括的に検証されるということだと思うんですが、携帯料金の値下げについては、菅さんがかなり早急な値下げをというようなことを、おっしゃってはいませんけれども、かなり急がれているような雰囲気を感じるんですが、6項目の検証については、来年末までの取りまとめということだと思うんですけども、携帯料金に関してだけ前倒しにされるとか、そういったことはご検討されますか。
答:
 官房長官、様々OECDの資料等をご覧になって、日本の携帯電話の通信料は、他国に比べて非常に高いなという印象を持たれていると思いますし、総務省のほうでもずっと、通信料金の引き下げについては、本来はそれぞれの事業者の方が自由に設定すればよろしいんですけれども、国民利用者の声をお届けしながら、もっともっと通信料金が下がることによって、新たな個人消費や、また、いろいろなサービスが生まれてくるのではないかということも、日本の経済の可能性の中の大きな1つでありますから、パートナーとして歩んできたところで、やはり消費者の動向を見ても、通信費というのは非常に大きなボリュームを持っていますので、そこは今に始まったことではなく、常に官房長官も注視しておられるし、私たちも同様に利用者利便を考えて、通信料金については安ければそれだけ利用者にとってもありがたいことであるし、多くの利用者を増やすきっかけになると思いますので、特に官房長官が、それだけに特化しておっしゃっているというような風には受け止めておりません。逆に、そうやって言っていただいたことで、私たちもしっかり今までどおり取り組んでいければと思っているところです。
問:
 それだけにというのは、料金値下げだけにではなくて、ネットワーク整備とかそういったことも含めて検討するようにというふうに、長官はおっしゃっているというふうなことですか。
答:
 私の方には特段そういうお話は来ていないので、これからも利用者、国民にとって通信料金が他国に比べて高いという中で、少しでも安くできるような努力をしてほしいという、大きなエールをいただいたのかなというふうに理解しています。
 官房長官がそうやっておっしゃったからといって動くのではなくて、常日頃から総務省はそれについて取り組んできたところですので。

漫画家のさくらももこさんの訃報を受けて

問:
 漫画家のさくらももこさんが乳がんで亡くなりました。これまで乳がん対策などに尽力されている立場などから、もしご感想をお持ちでしたらお聞かせいただけますでしょうか。
答:
 さくらももこさんがお亡くなりになったことは、本当に痛感の極みです。さくらさんがお出しになっているアニメ、とりわけ「ちびまる子ちゃん」は私も知っていますし、7歳の息子も知っているということで、本当に長い期間にわたって、この日本のアニメ文化の中の主役のお一人でもありましたし、そういう意味では、まずは才能を失ったことを大変残念に思います。
 私はライクワークの1つとして乳がん子宮がん検診議員連盟の会長をずっと務めてまいりました。今日は総務大臣としての会見場ですけど、男女共同参画・女性活躍の中の女性が活躍できない壁の1つが、やはり女性の健康に対してのこの国の不十分さだと思っています。
 がんというのは、男女とも経年劣化というか、年を取るとがんになりやすいということが一般化されていますけれども、特に女性がかかる乳がんとか子宮頸がんというのは、子宮頸がんなどは10代、20代、30代、そして、乳がんにいたっては20代、30代、40代と、ある意味働き盛りというか、活動が最も活発になっている世代に降りかかってくる病であります。
 もう少しこのことについて、患者は女性が多いんですけれども、家族の一員としても男性の方たちの深いご理解をいただいて、他人事と思わず、一般的に言われるがんとは違う発現をしてしまう女性特有のがんについても、しっかりと受け止めていただけたらいいなと思っています。
 ご冥福をお祈りしたいと思います。


問:
 よろしいでしょうか。ありがとうございました。

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