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会見発言記事

野田総務大臣の山形県現地視察後の加藤鮎子衆議院議員との合同ぶら下がり会見の概要

平成30年9月8日

冒頭発言

 まずはじめに、平成30年北海道胆振東部地震でお亡くなりになられた方々に哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様方に心よりお見舞いを申し上げます。
 また、先月30日からの大雨により被災された山形県の皆様に対しましても、心よりお見舞いを申し上げます。本日訪問させていただきました、ここ新庄市と最上町を含め、今回の災害により多大な被害を受けました山形県内の7市町村に対して、当面の資金繰りを円滑にするため、11月に定例交付すべき普通交付税の一部、11億7,300万円を9月10日に繰り上げて交付することを昨日決定いたしました。今後とも被災団体の実情を丁寧にお伺いしながら、特別交付税措置を含め、地方交付税や地方債による地方財政措置を講じ、その財政運営に支障が生じないよう、適切に対応してまいります。
 続いて、本日はふるさと納税を活用していただき地域の活性化に成果を挙げていただいている地方団体を訪問して、現場を視察させていただきました。関係者の皆様方の熱心な取組みに敬意を表しますとともに、今回の視察に当たって多大なるご協力をいただきましたことをこの場をお借りして改めて感謝申し上げます。
 まず、最初の訪問は寒河江市でございました。クラウドファンディングによって目標を大きく超えるふるさと納税が全国から寄せられた慈恩寺の文化財保護と地域初の病児保育施設の建設プロジェクトについて、お話を伺ってきました。慈恩寺には大変な鎌倉時代、江戸時代等々の仏像が秘仏として保存されているんですけれども、少し前に、そのお寺に何者かが液体を撒くという事件がございまして、やはりセキュリティを考えたときに、今ある監視カメラだけでは十分ではないということで、そうはいってもなかなか国から、また県からということも難しい中で、自立してこのお寺を守ってもらいたいということから、ふるさと納税のクラウドファンディングを活用していただいたところ、ほぼ倍ぐらいお金が寄せられたと。これは県内もとより全国からやはり、慈恩寺の持っている日本の宝をしっかり守りたい、守ろうということで、まさにふるさとを想う気持ちの表れだと思います。さらにですね、その結果、地域にあってあまり感心のなかった人たちも自分たちの慈恩寺について理解を深めていただき、今は自発的に慈恩寺をしっかり守るための活動をしてくれているというそういうありがたいお話も聞いたところです。
 とくに、寒河江市は、子どものことについて非常に当を得た取組みをしていただいているということで、ふたつ私は感心したんですけれども、ひとつは産後ケア、これはやっぱり男の方ではわからないんですけれども、出産後というのはホルモンの関係で色々と精神的にも身体的にもダメージがお母さんにくるわけですが、これまでそのケアをともに考えてくれる、寄り添ってくれることについては、「お産は病気じゃないんだから無事に生まれたらそれでよかったでしょう」でどうしても止まっていて、その先が問題であって、一部マスコミでも産後うつで自殺をされるお母さんが相当数いる、ということがつい先日報道されたばかりです。そんなことをしっかり受け止めていただいて適切なケアをしてもらっている。
 また、ふるさと納税のお金を使って、病児保育所を作ると。私たちから言わせると、子どもを育てている親から言わせると、小さな子どもは病気をするのが仕事です。熱を出すのが仕事です。今の保育所のシステムだと、7度出すともう引き取りにきてくださいということで、やはりフルタイムで働くお母さんお父さんとしては、そこが厳しい条件になっているという中、改めてですね、子どもは病気するものという普通の感性に立って、寒河江ではそういう取組みを、ふるさと納税の資金を使っていただいているということに、寒河江市のみなさんは幸せだと思いますし、それがまたお手本になって、全国で本来やはり子育てというのはそういうところにあるということをお示ししていただければありがたいなと思います。
 次にお邪魔したのが最上町ですけれども、これは大変ありがたいことに、関係人口ということを地方創生の中で使わせていただいているんですね。いきなり移住するということはなかなか難しいです。だけどふるさと納税を使って、その中で出会った、今回はお米とトマトとアスパラガス、それをもう既に受け取っているんだけれども、実際に生産されたところはどんなところかということで、ツアーを組んで、実際にそれを受け取られた方が、比較的若い方が多かったんですけれども、バスに乗って農家を回ると。そうするとなおいっそう顔の見える、「あ、この人がこんな風に丹精こめて作ってくれているんだな」ということで、ふるさと納税の地元の農産品はもとより、やはり地域に対する愛着がわくということで、これから大切なことは、いきなり工場が東京から来るとか、本社移転がされるとか、そういうことではなく、きめ細かい人情溢れる取組みによって地方が、望んで来てもらえる人たちを増やしていくことが、とても大事だなという風に思いました。大変おいしいものをたくさんいただけて幸せであります。
 そしてここ、新庄では子育てに熱心に取り組んでいただいていて、わらすこ広場と言うんですね、本当にたくさんの子どもたちと会うことができましたし、子どもたち、遊んでいるお父さんお母さんの幸せな笑顔にも出会うことができました。どうしても、全国的に見て、地域社会の中にあって、子どもが優先される公共施設はとても少ないです。子どもは遠慮してください、子どもはどこか端っこにいてくださいといった流れがある中、新庄のど真ん中に子ども王国のような場所を作ってくれて、これは子どもが嬉しいとともに、やっぱり子どもを幸せにしたいという親の気持ちが非常に伝わってきまして嬉しく思いました。中には、新庄で9人のお子さんを育てたというとても素敵なお母さんのお話も承ることができて、ますます私たち少子化対策で頭を悩ませている仲間にとっては心強い市町村のリーダーシップを見たところであります。
 そしていまここにいるのが、ユネスコ無形文化遺産になった新庄まつりで、ここでは、私も初めてで非常に感銘を受けましたし、とても感動して鳥肌が立つようなすさまじいものを拝見したんですけれども、なかなかその、新庄の人が知ってても、全国に、また世界に知れ渡っているかというと、ユネスコ文化遺産だからということで知名度がないなか、ふるさと納税を使っていただいて色々なところでPRなど、大きなものを運ぶ費用などに使っていただき、結果としてすごいな、新庄まつりに来ようといった関係人口を増やしていただいているということに、まさにありがたい取組みでいっぱいでございます。
 今回の視察を通じて、こういう優秀なふるさと納税の原点を御理解いただいて取り組んでおられる市長さんをはじめ、皆様方に出会って、やはり自発的に地方を創生するというためにはふるさと納税というのは決してなくしてはならない制度だなということを実感いたしました。であればこそ、こういうものをしっかりと、新庄の取組み、最上の取組み、そして寒河江の取組みをしっかりと継続していただくためにもこれまで問題がある事例についてはしっかりと正していく必要があるということを改めて痛感した次第です。やはりふるさと納税に対する批判の主な要因というのは、過度な返礼品の問題に尽きてくると思っています。そこで、私は来週11日の記者会見において、9月1日現在の返礼品の見直し状況の結果をしっかりとご報告することと併せて、総務省としての対応方針をご説明できるよう、準備をしてまいりたいと思います。本当に今日は市長さん誠にありがとうございます。そして地元の方々、ありがとうございました。ふるさと納税の本当に素晴らしい事例、地方創生に直接寄与している事例を拝見することができましたので、しっかり取り組んでいきたいと思います。以上です。
 

質疑応答


視察後の所感

問:
 先ほどの関係人口のお話がありましたけれども、改めてお伺いしたいんですけれども、今総務省が関係人口を増やすことに力を入れられていて、実際先ほどの米のお方々だったりとか、実際にお会いされてどのように感じられたかお伺いします。
答:
野田総務大臣
 私自身もそれを進めている側ですけれども、実際に今日、見える化というか、「あ、こういう形でやってくださっているんだな」というのを拝見することができて大変参考になりました。実は、ややもすると地方に移るっていうのはリタイアした人というイメージが強いんですけれども、今回のバスで来てくれてた人たちは、むしろ私より若い方たちで、非常にそういう意味では、いい意味で期待を裏切るメンバーであったと思います。非常に熱心に、農家の方が努力していることについて質問されていたし、そして共鳴されていたし、そういう本当に与えられた付き合いではなくて、自分らが、山形の返礼品について素晴らしさを確認しているというところに、次の望みを見出したような感じがいたします。強制されて来るのではなく、やはり自分から望んでここにいたいと思ってくれるようなバスツアーの取組みではなかったかと。みなさんのそういう笑顔がとても素晴らしかったと思います。

問:
 加藤議員に伺います。地元の案件だと思うんですが、大臣と一緒に歩かれて、何か改めて気づかれたことやご感想はございますか。
答:
加藤鮎子衆議院議員
 大臣と同行させていただきながら地元をふるさと納税の好事例ということでご紹介いただいたり、今日ここにいるような新庄まつりの屋台などを見ていただいて、改めて新庄最上地区の素晴らしいところを発見することが、見ていただくことで発見することができたという風に感じております。人のつながりを大事にするということ、また、子どもたち次の世代を大事に育むというところ、それから文化をしっかりと守っていくというところ、ここを改めて大臣にもお伝えできたということを嬉しく思っています。
 さらに、道々行く中で大臣に今回の被災に遭った箇所をご覧いただきました。やはり、今こういう時期だからこそ、これから復旧・復興に向けて大臣にもお力添えをいただきたいところであって、本当にお力添えいただいているわけですけれども、その時にあって、その新庄、最上の力強い、前向きないいところをあえてご覧いただけたのは、本当にこれからしっかり復旧・復興すればさらに地方創生を成し遂げていける地域なんだと、そういうことをお伝えできたのがよかったのではないかと思います。

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