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会見発言記事

高市総務大臣閣議後記者会見の概要

令和2年5月22日

冒頭発言


  皆様、おはようございます。

【特別定額給付金】

  冒頭、特別定額給付金のオンライン申請につきましては、様々な報道がなされておりますので、皆様の関心も高いことから、改めてご報告をいたします。
  オンライン申請ですが、市区町村からの申請書の送達を待たずにできることから、一般的には、郵送申請よりも給付開始は早くなっております。
  1,741市区町村のうち、本日22日までに、97.5%に当たる1,697団体がオンライン申請受付を開始し、そのうち1,233団体が給付を開始するということでございます。
  郵送申請の給付開始が704団体でございますから、約2倍となっております。
  個別の団体によって給付事務の処理状況は異なりますが、オンライン申請の給付件数が、申請受付データ受理件数の約9割に達している団体もございます。
  各市区町村の首長及び職員の皆様におかれましては、迅速かつ的確な支給に向けて大変なご尽力を賜っておりますことに、改めて感謝を申し上げます。
  内閣府と総務省におきましては、当初より、市区町村がシステムを活用し、効率的に事務処理を行っていただけるように、申請受付データの一括ダウンロードや一覧表の作成ができるツールの開発と提供、一覧表における申請者の電子証明書番号の記載、世帯員の突合についての簡素な確認方法の提示などを行ってまいりました。
  本来、こうした一覧表などをシステムに活用していただきましたら、負担が少なく迅速に処理できるのですが、今回、早急な対応を求められる中で、給付システムの導入が間に合わなかった市区町村においては、手作業が多くなり、負担が大きくなってしまったと推察いたしております。
  ただ、ここに来てシステムの導入が本格化しておりますので、これによって、市区町村のご負担が大きく軽減することを期待しております。
  また、システム化の予定がない小規模な市区町村に対しましても、地方公共団体情報システム機構において開発した、パソコンで突合などを行えるソフトを18日から無償で提供しております。これによって、作業の効率化が進むことを期待しております。
  さらに、申請者の入力誤りを減らすための入力画面の改修や、市区町村に対する効率的な事務処理方法についての丁寧な説明を継続的に進め、市区町村の事務負担の軽減と給付金の円滑・迅速な交付に、これからも尽力をしてまいります。


【新型コロナウイルス感染症による地方公共団体の資金繰りへの対応】

  今般の新型コロナウイルス感染症の影響によりまして、地方税収や公営企業の料金収入などに様々な影響が生じることが想定されます。
  このため、当面の資金繰り支援として、次の5点の措置を講ずることとし、その旨を、本日、地方団体にお知らせをいたします。
  第一に、地方税の徴収猶予に対応する「猶予特例債」について、資金調達能力の弱い一般市町村分は、公的資金を原則全額確保いたします。
  第二に、地方税の大幅な減収に対応する「減収補填債」について、一般市町村分は公的資金を極力確保します。
  第三に、総務省が条件交渉を取りまとめており、民間資金の中で基本的に最も金利が低い「共同発行地方債」について、償還年限を多様化した上で、発行額を大幅に増額いたします。
  第四に、料金収入の減により公営企業で生じる資金不足について、特例的に「特別減収対策企業債」を発行できることとし、利子について特別交付税措置を講じます。
  第五に、地方債の総務省への協議手続を早期かつ柔軟に行うことにより、タイムリーな起債発行を可能といたします。
  地方団体の財政状況など、よくお伺いしながら、これからも適切に対応したいと考えております。
  この詳細につきましては、自治財政局地方債課及び公営企業課にお問い合わせをください。


消費者物価指数別ウィンドウで開きます

  本日、消費者物価指数を公表いたしました。
  4月の全国の「生鮮食品を除く総合」は、前年同月比が3月から0.6ポイント縮小して、0.2%のマイナスとなりました。2016年12月以来3年4か月ぶりに下落に転じました。
  新型コロナウイルス感染症の影響もあり、需要減を背景とした原油安に伴う「ガソリン」の下落や、旅行者数減少による「宿泊料」の下落などによるものでございます。
  1年前と比べた消費者物価は、「生鮮食品を除く総合」がマイナスに転じるなど、物価動向に変化が見られます。
  今後の新型コロナウイルス感染症の状況を見ながら、物価動向を注視してまいります。
  詳細は、統計局にお問い合わせください。


自治体情報セキュリティ対策の見直し別ウィンドウで開きます

  総務省では、本日、自治体情報セキュリティ対策の見直しについて、検討会の取りまとめを公表いたします。
  自治体の情報セキュリティ対策につきましては、2015年の年金機構の情報漏洩事案を受けて、「三層の対策」として抜本的強化を図り、インシデント数の大幅な減少を実現してまいりました。
  今般、行政手続のオンライン化や働き方改革など、新たな時代の要請を踏まえて、昨年12月から、有識者を交えた検討会において見直しの検討を行い、取りまとめをしていただきました。
  この取りまとめでは、自治体の効率性・利便性の向上とセキュリティ確保の両立を目指す観点から、これまでの「三層の対策」の見直し、次期自治体情報セキュリティクラウドの在り方、神奈川県における情報流出事案など昨今の重大インシデントを踏まえた対策の強化などについて、提言をいただいております。
  総務省といたしましては、この取りまとめを踏まえて、更に詳細な検討を加え、スピード感を持って、「地方公共団体における情報セキュリティポリシーに関するガイドライン」の改定など、必要な対応を図ってまいります。
  本件につきましては、自治行政局地域情報政策室にお尋ねください。

  私からは、以上です。


 

質疑応答

特別定額給付金制度

問:
 ご発言のあった特定給付金のオンライン申請の関係なんですけれども、負担が増している関係でオンライン申請の受付を、取りやめを公表する自治体もいくつか出ておりますが、大臣のお考えと対応を伺えますでしょうか。
答:
 オンライン申請につきましては、本日までに1,697団体、97.5%の団体がオンライン申請を開始すると聞いております。改めて、市区町村のご理解・ご尽力に感謝を申し上げます。
 一方で、本日までに3団体が受付を停止または中止すると聞いております。
 その理由につきましては、2団体が、郵送申請の開始に伴いこれに切り替えるということ。1団体は、確認作業に時間を要することであったと聞いております。
 事業主体である市区町村における給付事務の処理状況の実情に応じた、それぞれ責任あるご判断だと受け止めております。
 ただ、住民の皆様の選択肢をきっちり確保する意味で、内閣府・総務省としましては、特に、事務処理の負担を理由として、オンライン申請受付を停止または中止される市区町村が、できる限り生じないように、先ほど申し上げました、申請者の入力誤りを減らすための入力画面の改修を継続して実施するとともに、市区町村に対しまして、効率的な事務処理方法についての説明を丁寧に行ってまいります。
 先ほど申し上げたようなソフトの活用も含めて、しっかりと取り組んでいただけたら、大変ありがたいことだと思います。

地方公務員法改正案

問:
 国会で、検察庁法改正案を含む一連の束ね法案が今国会で成立しない見通しとなりました。地方公務員の方々の定年制度にも関わる問題だと思うんですが、現在の所感と今後の在り方についてお願いします。
答:
 国会の法案審議のスケジュールは、国会で決めていただくことでございますけれども、「地方公務員法改正案」の取扱いにつきましては、制度的に関連の深い「国家公務員法改正案」と帰趨を共にすることとなります。

公共放送の在り方に関する検討分科会

問:
 会見に先立って、10時からNHKの公共放送の在り方の検討分科会があったと思うんですけれども、NHK側はだいぶ詳しく、いろいろ説明をしましたけれども、大臣の受け止めと、それから、中期経営計画策定に向けて短期間でNHKの考えも示したいと、今日専務理事がおっしゃっていましたけれども、具体的なものは一切提示がなかったという印象もありまして、その辺はどういうふうにお考えでしょうか。
答:
 私もこのあと参加をいたしますが、本日開催している有識者会議においては、「通信・放送融合時代」において、公共放送であるNHKがその役割を適切に果たしていくため、どのように三位一体改革に取り組むべきかなどについて、検討をお願いしています。
 議論の方向性は、今後定まっていくものでございますが、「業務の在り方」については、ネット活用を含めた「環境変化への対応」と「事業収支の健全化」をどのように両立するか。「公共放送としての役割」について、どのようなビジョンを描くか。そして、私が、特に重視しております「受信料徴収コストの削減」や「子会社の在り方のゼロベースの見直し」をどのように進めていくかについて、ご議論をいただきたいと思っております。
 本日の会合では、NHKから三位一体改革の現状や考え方についてご説明いただき、民放連も含めた関係者の皆様からも、NHKに対するご意見を頂戴しているということでございますので、今後は、ヒアリングの結果も踏まえて、検討を進めていただきたいと思います。
 今ご指摘がありましたように、NHKが「中期経営計画」の案を夏に取りまとめる予定であることも念頭に置いて、スピード感を持って議論を進めていただきたいと思います。

マイナポイント事業の現状と期待

問:
 ゆうちょ銀行もマイナポイント事業への決済事業者登録が完了したと発表するなど、マイナポイント事業への登録決済事業者が増えていますけれども、マイナポイント事業所管担当大臣として本事業の現状と今後への期待などをお願いいたします。
答:
 マイナポイント事業は、昨年12月に決定した「総合経済対策」に盛り込まれた施策でございます。
 新型コロナウイルス感染症が景気全体に与える影響を考えますと、より重要な施策になったと考えております。
 現在、7月からのマイナポイント申込み開始に向けて、決済事業者や地方自治体と一丸となって取り組んでいるところであります。
 マイナポイントに登録している決済サービスは、本日時点で112サービスとなっております。現在審査中の決済事業者もありますし、今後、申請してくださる決済事業者もあるかと思いますので、最終的な数字ではございません。
 ゆうちょ銀行の「ゆうちょペイ」も含めまして、QRコード決済や電子マネーといった、国民の皆様になじみのある決済サービスにつきましては、概ね選択していただけるようになったと考えております。
 マイナンバーカードにつきましては、マイナポイント事業に加えまして、令和3年3月から健康保険証としての利用が始まります。
 さらに、私も大きな期待を持っているのですが、今後、お薬手帳、介護保険被保険者証、障害者手帳、母子健康手帳、ハローワークカードなど、様々な利用のシーンが出てまいりますので、政府全体で普及・活用を進めることになっております。
 ちなみに、今年の1月、マイナンバー関係閣僚会議を主催させていただき、特に厚労省案件が非常に多くございますので、関係各省におかれまして、準備を進めていただくことをお願いいたしました。
 今回のマイナポイント事業も含めまして、マイナンバーカードの普及・促進を進めてまいりたいと思っております。

マイナンバー法の改正

問:
 続けて、マイナンバーについて、ちょっとお伺いしたいんですけれども、自民党で口座との紐付けに関する議員立法の動きが進んでいるということで、大臣ご自身も昨日の衆院総務委員会で法改正に向けて大変強い意欲を示されました。答弁の中でマイナンバーをフル活用するには2段階で法改正が必要だというお考えも述べられておられましたが、今後の法改正の中身と改正に向けたスケジュールについて、もう少し詳しく教えていただければと思います。
答:
 今回の特別定額給付金などの給付事務は、マイナンバーの利用を認められた事務として、「マイナンバー法」の別表に記載されておりませんでした。そのため、番号そのものを利用することができませんでした。
 特別定額給付金の申請に当たって、今回記入していただいたそれぞれの世帯主の口座情報についても、各市区町村の「個人情報保護条例」に基づいて、給付事務に必要がなくなった時点において、速やかに廃棄しなければならないことになっております。
 仮に、全てのマイナンバーに給付のための口座情報が紐付いていましたら、世帯員ごとの個別給付も可能だったわけでございます。
 今後でございますけれども、福祉的な意味を持つ給付や、景気対策などで同様の給付を行う場合、現状のままでは、国民の皆様や自治体職員の皆様に、今回と同じお手数を再度おかけすることになってしまいます。
 よって、自民党はじめ各党から、今、「議員立法も含めた対応をするべきじゃないか。」というお声を上げていただいているのだと理解をしております。
 私といたしましては、緊急時における給付、福祉的給付、景気対策としての給付、年金の給付、税の還付といった、給付を目的とする口座をマイナンバーとともに登録をしていただくことは、非常に有意義だと考えております。それが第1弾でございます。
 これは、議員立法として出していただくことになると、議員立法の場合は、理事会派全体の賛同を前提として、国会への提出が認められることが、自民党の場合のルールでございますので、かなり幅広い会派のご賛同を得て提出されるということになりますので、それは大変ありがたいことだと思います。
 それから、更に国民の皆様のご理解が進むことが前提ですが、東日本大震災、熊本地震の時も多くの方がお困りになったと思いますが、まず、災害時に自らの口座がどこにあったのかを把握することも大事だと思います。
 それから、私自身の経験から言いますと、親を立て続けに亡くした際、どこに口座を持っていたのかが全然分からないということで、家中をひっくり返しても、これで全部発見できたのかどうかわからないという大変苦しい思いをいたしましたので、相続時に被相続人の口座を確認する上で、可能でしたら全ての預貯金口座にマイナンバーを紐付けることができたら、多くの国民の皆様の負担軽減につながると思っております。
 ただ、中には、「政府に全ての金融資産情報を把握されるのではないか」といった懸念をお持ちの方もおいでかもしれませんが、その心配はございません。つまり、口座の中身を把握されるのではなく、それぞれの方がどの金融機関に口座をお持ちかという口座の所在について、全ての国民の皆様に付番されているマイナンバーと紐付けておくことで、自らそれを知ろうとするときに大変便利なことであろうと思っております。
 現行法におきましても、金融機関の預貯金口座とマイナンバーとの紐付けについては、平成30年1月から開始されております。法律の附則第12条第4項の規定で、「政府は、(中略)規定の施行後三年を目途として、(中略)金融機関が(中略)預金者等から、又は(中略)農水産業協同組合が(中略)貯金者等から、適切に個人番号の提供を受ける方策(中略)について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて、国民の理解を得つつ、所要の措置を講ずるもの」とされております。
 来年になると、ちょうど規定の施行から3年になりますので、この規定に基づいて、今ほど申し上げましたような、相続時や災害時の国民の皆様の負担軽減にも資するよう、預貯金付番の実効性を確保するための制度について、年内に関係府省とも検討を進めてまいりたいと思っております。
 ですから、必要な法改正は、おそらく2段階になると考えられますけれども、これは、国民の皆様のご理解を丁寧に得ながら、マイナンバー制度をより効果的なものとするための法整備でございますので、既に内閣官房番号制度推進室に検討の指示をいたしました。
 私は、閣法の方は、次期通常国会に向けての検討を進めたいと考えております。


問:
 大臣、ありがとうございました。
答:
 ありがとうございました。

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