会見発言記事
武田総務大臣臨時記者会見の概要
令和3年6月4日
冒頭発言
【
倫理規程違反調査の結果、
検証委報告書等】
はじめに、この度は総務省幹部職員の会食に係る事案により、国民の疑念を抱く事態となっていることにつきまして、深くお詫び申し上げたいと思います。
国家公務員倫理規程に違反する疑いがある会食の調査について、本日、結果を取りまとめ、32名の職員について延べ78件の会食の倫理規程違反を確認しました。
この調査結果について、本日、国家公務員倫理審査会に対して報告を行うとともに、懲戒処分の承認をいただき、配付資料のとおり「減給」「戒告」等の処分を行いました。
また、倫理監督官である黒田事務次官等に対して訓告等を行うとともに、私自身もこのような事態に至った責任を改めて痛感し、前回の自主返納に加えて、新たに大臣給与3か月分を自主返納することといたしました。
加えて、このような事態を二度と起こさないよう、職員全体に対する研修機会の増加、倫理教本の配布など倫理法令に関する知識習得の徹底、ポストごとの利害関係者一覧の作成や飲食の届出の拡大など総務省独自ルールの整備、事業者等に対するルールの周知、監察体制の拡充、といった再発防止策について指示をしております。
また、事業者との会食によって行政がゆがめられたとの疑念については、情報通信行政検証委員会において精力的に検証を行っていただいたところ、東北新社の外資規制違反の問題について、その検証結果をとりまとめていただきました。
報告書では、総務省が外資規制への抵触を認識しながら東北新社の認定を取り消さなかった可能性が高く、そうであれば行政をゆがめたとの指摘を免れないとの指摘をいただいており、深く反省しなければならないと考えております。
これらは会食による影響が起因したものとはされておりませんが、4K・8K推進への影響に躊躇し、外資規制違反を見逃したことは重大な問題と考えており、再発防止にしっかりと取り組み、信頼回復に努めてまいりたいと存じます。
そのためにも、委員会には、他の情報通信行政についての検証を進めていただきたいと思っており、引き続き、総務省としても万全の協力を行ってまいる所存です。
総務省は、各府省・地方公共団体・事業者に対し、許認可を含む大きな権限を預かっている役所です。政策立案・執行に当たっては、行政の中立性・公正性に疑念を抱かれないよう、厳重に身を律することが求められます。こうしたことを改めて深く認識するとともに、日々の仕事に全力で取り組み、国家国民のため、結果を出していくことで、国民の皆様から信頼される総務行政を一歩一歩取り戻してまいる所存であります。
会食の調査及び検証委報告書に係る詳細につきましては、この後の検証委員会座長及び事務方によるブリーフィングにおいて、お問い合わせをいただきたいと思います。
次に、情報通信分野における外資規制の在り方に関する検討会の開催等について申し上げます。
このたび、検討会の第1回会合を6月14日に開催し、外資規制のあり方や実効性の確保について、有識者のご意見を頂きながら検討を進めていくこととしました。
東京大学大学院の山本隆司先生に座長をお願いしており、年内に一定の方向性を整理頂く予定です。
また、外資規制の遵守状況調査については、対象社数が多いため引き続き精査を行っていますが、優先的に確認を行ってきた認定放送持株会社10社及び在京キー局5社については、すでに判明しているフジ・メディア・ホールディングスの事案以外に外資規制違反に該当する事案は確認されなかったことをご報告申し上げます。
以上、詳細については、情報流通行政局にお問い合わせください。
質疑応答
- 問:
- 今回の問題で32人の処分者が出たこと並びに検証委員会の報告書の指摘について、大臣の受け止めをお伺いします。
- 答:
- まずは、検証委員会の委員の皆様には精力的にご活動いただきまして、短期間で報告書をまとめていただいたことに感謝申し上げる次第であります。
報告書では、総務省が外資規制への抵触を認識しながら、東北新社の認定を取り消さなかった可能性が高いこと、そうであれば行政をゆがめたとの指摘を免れないとの指摘をいただいており、深く反省しなければならないと考えております。
一方、国家公務員倫理規程に違反する会食については、確認された事実に基づき、国家公務員倫理審査会の承認を得て、本日付けで関係者の処分等を行っているところです。
再発防止にしっかりと取り組み、信頼回復に努めるためにも、委員会には、他の情報通信行政についても検証を進めていただき、総務省としても万全の協力を行ってまいりたいと考えております。
- 問:
- 相次ぐ倫理規定違反の会食で、国民からは行政がゆがめられたのではないかという疑念の声も上がっています。先ほどの第三者委員会の報告書も踏まえて、大臣、この点についてのお考えをお聞かせください。
- 答:
- 検証委員会の報告書では、会食の有無にかかわらず、4K・8K推進という政策への影響に躊躇し、東北新社の外資規制違反を認識しながら認定を取り消さなかった可能性が高く、そうであれば行政をゆがめたとの指摘を免れないとの指摘をいただきました。
このことは重大な問題と考えており、再発防止にしっかりと取り組み、信頼回復に努めてまいりたいと考えています。
- 問:
- 処分内容について、もっとも重くてもいいのではないか、軽いのでないかというような声もあるかもしれませんが、その点について大臣のお考えをお聞かせください。
- 答:
- 報告書におきましては、外資規制への抵触を認識しながら、東北新社の認定を取り消さなかった可能性は高いとされているものの、当時の担当者は皆これを否定している状況にあります。こういった段階では、処分を行い得る状況にないと私は判断しております。
一方、国家公務員倫理規程に違反する会食については、確認された事実に基づき、国家公務員倫理審査会の承認を得て、本日付けで関係者の処分等を行っているところです。
- 問:
- 今回の調査結果を受けまして、先ほどの処分にもありましたが、改めてどういった、結構厳しい再発防止策が必要ではないのかという声もあると思いますが、改めまして再発防止策について教えてください。
- 答:
- まずは、行政に対する国民の信頼を大きく損なうに至ったことに、本当に深く、申し訳なく、お詫びを申し上げたいと、このように考えております。
まず、倫理規程違反については、このような事態を二度と起こさないよう、職員全体に対する研修機会の増加や倫理教本の配布など倫理法令に関する知識習得の徹底、ポストごとの利害関係者一覧の作成、また飲食の届出の拡大など総務省独自ルールの整備、事業者等に対するルールの周知、監察体制の拡充といった再発防止策についても指示を出しているところです。
また、検証委員会の報告書は外資規制違反の問題に対象を絞った検証結果であり、引き続き、他の通信・放送行政に係る検証が終了した段階で、再発防止策の提言をいただく予定としておりますが、報告書で指摘されている外資規制違反に係る許認可の審査の在り方の改善については速やかに取り組むとともに、許認可の検討過程の記録が残されていないことも指摘されており、今後は、事務・事業の経緯の跡付け・検証に必要となる文書の作成・保存にはしっかりと取り組んでいきたいと考えております。
- 問:
- まず、1,500件の会食の申告があったということですが、これまでほとんど申告がなかった中で、調査で1,500件もの会食の申告があったという、この数字についてどう思われているかということと、78件の倫理法違反を確認したということですが、当初、総務省単独の調査では39件で、そこから倍増ということになっていますが、この数字についての受け止めをお願いします。
- 答:
- 会食の件数、全体的な件数に関しては別としまして、その中身ですね。倫理法令に抵触するかどうかという問題であろうかと思います。その数は、多い少ないではなくて、1件でもあっていいものではないと、このように考えておりまして、徹底した再発防止策に今後とも努めていきたいと思います。
また、当初我々が示した数について、その数よりも増えているということについては、その時点、その時点の報告であったわけでして、その後、日数の経過を経て深掘りを進める中で数が増えていったということにほかなりません。
- 問:
- 今回の東北新社との会食では菅総理のご長男が同席をされていました。報告書の結論を受けて、大臣としても菅総理の長男が会食に参加していたことが今回の事態には影響を与えていなかったというご認識でしょうか。ご所見をお願いします。
- 答:
- 会食がですね、行政をゆがめたという事実関係については、これは掴めていないというのが報告書の中身でした。それぞれの部署部署の方々が、業界発展のためにいろんな努力をされたことは承知をしておりますけども、一個人の影響力が行政に対して影響力を発揮したという事実は確認されておりません。
ページトップへ戻る