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会見発言記事

金子総務大臣閣議後記者会見の概要

令和4年7月5日

冒頭発言

 おはようございます。
 冒頭2件、発言させていただきます。
 
令和4年版情報通信白書の閣議報告別ウィンドウで開きます
 
 本日の閣議で、令和4年版情報通信白書を報告しました。
 今回の白書では、刊行50回目の節目を迎えるため、「情報通信白書刊行から50年ICTとデジタル経済の変遷」と題して、この50年間のICT分野の制度・サービス・技術などの変遷を振り返るとともに、今後の日本社会でICTが果たす役割を分析しています。
 また、国民の皆様方に白書を一層ご活用いただけるよう、ICT分野の動向を俯瞰できるようなポイントを絞った簡潔な記述とすることによりページ数を大幅に削減する一方、QRコードなどを活用することで掲載データを充実させております。
 この白書は、本日、総務省ホームページ上で公開する予定です。
 詳細は、情報流通行政局にお問い合わせください。
 
【KDDIの通信障害】
 
 続きまして、2日未明に発生しましたKDDI株式会社及び沖縄セルラー電話株式会社の携帯電話サービスの大規模な通信障害については、昨日16時に、両社から全国的にほぼ回復したとの公表がございました。
 しかしながら、結果として、国民の日常生活や社会経済活動に必要不可欠な携帯電話サービスが2日以上にわたり利用困難になったことは、改めて大変遺憾に思っております。
 特に、今回の通信障害による影響の大きさや、復旧作業が終了したと公表した後も音声通話が利用しづらい状況が長時間継続したことなどを踏まえれば、利用者への周知広報については、利用者目線で見て、両社が通信事業者としての責任を十分に果たしたとは言えないと認識しており、今後のためにも、しっかりとした検証が必要であると考えております。
 また、過去には他の事業者においても同様の通信障害が発生していますが、今回、両社がその教訓を十分に活かせなかったことについても、再発防止に向けて検討が必要であると考えております。
 今後については、両社からの正式な報告を踏まえて、関係法令などに基づき、しかるべき必要な対応をしっかりと行ってまいります。
 詳細は、総合通信基盤局にお問い合わせください。
 
 私からは以上です。

質疑応答

KDDIの通信障害

問:
 先ほどKDDIの対応を検証されるということをお話しされましたが、特にどういった点で不十分だったと考えるか。あわせて、どういった検証を行うのかを教えていただければと思います。
答:
 冒頭でも申し上げたとおり、今回の通信障害による影響の大きさや、復旧作業が終了したと公表した後も音声通話が利用しづらい状況が長時間継続したことなどを踏まえれば、利用者への周知広報の内容・手段・頻度いずれについても、利用者の不安を解消するために工夫する余地があったのではないかと考えております。
  いずれにしても、今回の事案については、外部有識者で構成される電気通信事故検証会議などにおいて、しっかりと検証を行い、適切な利用者への周知広報の在り方について検討してまいりたいと考えております。

問:
 今、両社と言いますかKDDIの対応について検証するというご発言がありました。検証のポイントとスケジュール感について教えてください。
答:
 検討のポイントとしては、例えば、設備をメンテナンスする際の事前準備の在り方、通信障害が発生した後の対応の在り方、利用者に対する周知広報の在り方、昨年のNTTドコモの通信障害を踏まえた教訓が十分に活かされていたかどうかなどが課題になると考えておりますが、詳細は今後検討してまいりたいと思います。
  法令上は、事故発生から30日以内にKDDIや沖縄セルラーからの正式な報告を受けることになっておりますので、それを踏まえて外部有識者で構成される電気通信事故検証会議などにおいて、再発防止に向けた具体的な対応策について、速やかに検討を進めてまいりたいと考えております。

問:
 今回の通信障害は実に60時間以上も通話ができないという多大な影響を及ぼしたわけですが、これについて再発防止に向けた対策強化の必要があるのではないかという意見もあるようですが、大臣のご見解はいかがでしょうか。
答:
 今回の通信障害は、極めて多くの利用者において、2日以上の長時間にわたり携帯電話サービスの利用が困難となる、前例のない大きな規模であったと認識しております。
  今後、KDDI及び沖縄セルラーからの正式な報告を踏まえて、今般の大規模な通信障害が発生した原因などについて詳細に確認・分析してまいりますが、同様の事案が二度と生じることのないよう、抜本的な検討が必要であると考えております。

問:
 先ほど、周知広報についてのお話がありましたが、今回の大規模な通信障害で物流や交通などの多岐にわたる分野での支障が出ています。これからの時代、モバイル通信が様々なところで活用が進められる中で、1社だけでは情報発信が、どこで何が起こっているのかという発信がなかなかできていないところがあります。個社の発表を取りまとめて、政府として情報の集約や発信、取り組む余地があると思えるのですが、現時点で大臣のお考えをお聞かせください。
答:
 今回の大規模な通信障害は、個人の利用者のみならず、法人が携帯電話を利用して提供するサービスや、バスや自動販売機など、モノとの通信を行うIoT回線にも大きな影響を及ぼしました。
  社会全体のデジタル化が急速に進む中で、携帯電話サービスは、物流や交通をはじめ、あらゆる分野に利用されており、社会経済活動に必要不可欠なインフラとして益々重要になってくると認識しております。
  ご指摘の情報集約・発信については、まずは当事者である携帯電話サービスを提供する事業者が適切に対応していただくことが必要でありますが、総務省としましても、携帯電話サービスが我が国の社会経済活動に与える影響の大きさをしっかりと念頭に置きながら、再発防止に向けて取り組んでまいりたいと考えております。

問:
 今回の通信障害は、119番をはじめとした緊急通報がつながらなかったり、訪問診療など医療の現場にも支障をきたしたと聞いています。こうした命に関わる事態が長期間結果として続いたこと、改めてどのように受け止めていらっしゃるか。また、消防庁の対応とあわせてお聞かせください。
答:
 この障害により、KDDIの携帯からの119番通報が入らないという事態が生じたこと、ひいてはご指摘のような命に関わりかねない影響が出たことは極めて遺憾でありますし、こうした事態を深刻に受け止めております。
  総務省消防庁においては、各消防本部に対して、障害発生当日中に住民への広報など適切に対応して頂くようお願いしました。加えて、消防庁公式ツイッターにおいて、緊急時は他社の携帯電話や固定電話から119番通報をするか、お近くの消防署に駆けつけるなど直接通報してほしい旨を投稿し、国民の皆様に周知をさせて頂いたところです。
  なお、目下、台風4号の影響が懸念されるところでございますが、昨日、開催されました台風第4号等に係る関係省庁災害警戒会議を踏まえ、自治体に対して、防災気象情報や避難情報等の住民への伝達に遺漏がないよう、適切な対応を要請したところです。
  総務省消防庁としては、引き続き、状況を踏まえ必要な対応を行ってまいります。

問:
 今回の通信障害の対応について伺います。今回、総務省は総務審議官をKDDIに派遣しました。この対応について、狙いと背景を改めてお聞かせください。
答:
 総務省としては、通信障害が発生したとの報告を受け、速やかにKDDIに対して、早期の復旧に向けて全力で取り組むとともに、利用者に対しては、きめ細かい情報の周知広報を丁寧に行うことを要請しておりました。
  しかしながら、障害が発生してから長時間経過しても事態の改善がみられず、また、今後の見通しも不透明で利用者の不安も高まっていたことから、事態の把握をタイムリーに行い、利用者への適切な周知広報を促すため、総理からの指示を受け、幹部級、かつ技術に精通している職員をリエゾンとして派遣し、対応に当たらせたものであります。
  SNS上では、素人の官僚を送り込んで、逆に現場の足を引っ張ったのではないかというような誤解もあるわけですが、今言いましたように技術に精通した職員を派遣することによって、混乱をしているKDDIに対して助言し、利用者に対してもきめ細かい情報の周知広報をすべきだということも助言させていただいたところです。以上です。

問:
  これで会見終了します。ありがとうございました。
大臣の動画はこちら別ウィンドウで開きます(YouTube)

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