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会見発言記事

松本総務大臣予算折衝・地方財政対策関係記者会見の概要

令和4年12月21日

冒頭発言

  よろしくお願いいたします。
 
【令和5年度予算大臣折衝状況】
 
◆地方財政対策
 
  先ほど、財務大臣と地方財政対策について折衝し、合意したところです。
  まず、一般財源総額については、交付団体ベースで、前年度を0.2兆円上回る62.2兆円を確保しました。
  その中で、地方交付税総額については、前年度を0.3兆円上回る18.4兆円を確保することができました。
  また、特例的な地方債である臨時財政対策債については、発行額を前年度から0.8兆円抑制した1.0兆円とし、その残高を2.9兆円縮減することができました。
  主な歳出項目については、地域デジタル社会推進費について、事業期間を3年間延長することとし、令和5年度及び令和6年度は、マイナンバーカード利活用特別分として、500億円増額することができました。
  また、地方団体が、地域脱炭素の取組を計画的に実施できるよう、新たに脱炭素化推進事業費を1,000億円計上することとしました。
  さらに、学校、福祉施設、図書館、文化施設など地方自治体の施設の光熱費の高騰を踏まえ、一般行政経費を700億円増額することとしました。
 
◆予算重要項目
 
  あわせて、地方財政対策以外の予算重要項目についても、折衝を行い、量子インターネットの実現に向けた要素技術の研究開発のために、25.8億円を確保しました。
  なお、現段階においては、予算の編成作業にあわせて計数整理中であり、詳細については、政府予算案の閣議決定後に、事務方から説明させます。
 
  私からは以上です。

質疑応答

令和5年度地方財政対策の中で力をいれた点等

問:
  今回、折衝が終わりましたが、地方財政対策の中で力を入れられた点と、結果に対する評価についてお伺いします。
答:
  令和5年度地方財政対策においては、地方から高いご期待をいただいておりました交付団体ベースの一般財源総額を、前年度より増額確保することについてまず力を入れ、その上で、地方交付税総額をできるだけ確保し、また、臨時財政対策債を抑制することが最大の課題と考えておりました。
  折衝の結果は、交付団体ベースで、一般財源総額については、前年度を0.2兆円上回る62.2兆円を確保することができました。
  地方交付税については、前年度を0.3兆円上回る 18.4兆円を確保することができました。
  臨時財政対策債については、発行額を前年度から0.8兆円抑制し、制度創設以来の最低額となる1.0兆円とし、その結果、残高は、令和4年度末の52.0兆円から令和5年度末には49.1兆円へと2.9兆円縮減するなど財政健全化の取組を進めることができたと考えております。
  さらに、地域のデジタル化や脱炭素化の推進、地方 自治体の施設の光熱費高騰への対応について、財政措置の拡充を行うこととしております。
  私といたしましては、地方自治体が、住民のニーズに的確に応えつつ、行政サービスを安定的に提供できるようにするための財源を確保するために、最大限、できる限りの対応ができたと考えております。
  地方自治体におかれましては、今回の対策を踏まえて、地域の課題にしっかりと対応していただくことを期待を申し上げるところでございます。

地方財政対策における脱炭素化社会の取組

問:
  歳出項目の中で、脱炭素化推進事業についてご説明がありましたが、この具体的な内容と、期待する効果についてお願いします。
答:
  今お話がありましたように、地方団体が、公共施設などの脱炭素化の取組を計画的に実施できるよう、新たに脱炭素化推進事業費を1,000億円計上しまして、脱炭素化推進事業債を創設することとしました。
  地方団体は、地球温暖化対策計画において、公営企業を含む自らの事務及び事業に関して、再生可能エネルギーや電動車の導入などについて率先的に取り組むことが求められているところでございまして、更に、年内に、GX実行会議において、GX実現に関する基本方針が策定されることも踏まえ、今回、新たに脱炭素化推進事業債を創設したところでございます。
  地方団体におかれては、今回新たに講じた措置を活用して、脱炭素化の取組を率先的に行って、地域全体の脱炭素化を牽引していただくことを期待するところでございます。

マイナンバーカード交付率の普通交付税算定への反映

問:
  交付税の算定にマイナンバーカードの交付率を反映させるという件があったと思いますが、この点に関して、地方からは交付税の減額につながるのではないか懸念の声もあったが、この算定方法も含めて、今回の地方財政対策でどのような措置を講じたのかお願いします。
答:
  これまでも拡充するにあたりというかたちで申し上げてきたところでございますが、今回、地域が抱える課題のデジタル実装を通じた解決の取組等を一層推進するため、地方財政計画の地域デジタル社会推進費2,000億円について、事業期間を令和7年度まで延長することとしたところに加えて、マイナンバーカードを利活用した住民サービス向上のための取組に係る事業費として、地域デジタル社会推進費を500億円増額したところでございます。
  その上で、今回増額したこの500億円について、マイナンバーカードの交付率も活用して、マイナンバーカードを利活用した取組に係る財政需要を的確に普通交付税の算定に反映することとしております。
  具体的には、今回の500億円について、すべての市町村において基準財政需要額を増額するように算定しております。その上で、マイナンバーカードの交付率が高い、上位3分の1の市町村が達している交付率以上の市町村については、当該市町村のマイナンバーカードの交付率に応じた割増し率によって算定すると考えているところでございます。

量子インターネット実現に向けた要素技術の研究開発

問:
  量子インターネット実現に向けた要素技術の研究開発について、分かりにくいところだと思いますが、その重要性を大臣はどのようにお考えかということと意気込みをお聞きします。
答:
  量子インターネットは、量子コンピュータなどの量子デバイスの利活用を支える将来の通信インフラであることは、みなさんご案内のとおりであろうかと思います。
  この量子分野では、これまでも、我が国も非常に様々なかたちで、取組が進められてきたと理解しております。この量子インターネットにより、例えば、多数の量子コンピュータを連携させて超大規模計算を行うことが出来るようになり、創薬、防災や物流など、多岐に渡る領域での技術革新につながることが期待されます。
  今回、量子インターネット実現に向け、量子状態を維持した安定的な長距離量子通信を可能とするための基礎技術の研究開発事業として25.8億円の予算を確保したところでございます。
  先ほど申しましたように、量子通信分野については、これまでのところ我が国が一定の優位性を有していると理解していますが、この量子インターネットの研究開発は、諸外国でも注力をされていて、熾烈な競争状況にあるということも間違いないところであります。
  この事業を通じ、量子インターネット実現に向けて技術開発を世界に先駆けてリードしていけるよう、取り組んでいきたいと考えているところでございます。

問:
  それでは、会見を終わります。ありがとうございました。
答:
  ありがとうございました。

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