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会見発言記事

松本総務大臣臨時閣議後記者会見の概要

令和5年9月13日

冒頭発言

【退任挨拶】
 本日、先ほどの臨時閣議で辞表を提出してまいりました。
 昨年11月21日に就任して、297日在任させていただいてまいりました。記者クラブの皆さんにもいろいろとお世話になりましたし、いろいろやり取りをさせていただいて、また、いろいろな意味で皆さんにも。マイナポイントの件では皆さんにご協力いただいて少しずつ増えてきているみたいで、やはり我々も国民の皆さんとどう繋がっていくかというのは大変大事なことでありますし、まさにメディアで皆さんが間に入っていただいているという意味では、皆さんとの関係を大事にしてきたつもりでありますが、このような形で区切りを迎えましたので、引き続き総務省として皆さんとの良い関係ができればと思っています。
 在任中の話を全部しだしたら長くなってきますが、この間で法案は6本通させていただいております。また、予算編成はちょうど既に概算要求も終わって、最終盤の佳境に入った時期に就任させていただきましたが、地方の一般財源総額の確保などを中心に予算折衝には懸命に当たらせていただいて、一定の成果は上げることができたと思っております。
 特に、やはり大変大きな組織でありますので、しっかりと各部署の皆さんと縦・横にコミュニケーションを取ることを私自身も心掛けてきたつもりでありますし、また、総務省の皆さんも大変忙しい中ですが、大変意義のある仕事をしているということを皆さんが改めて思いを致して頑張ってくれるようにと思って仕事をしてまいりました。
 
 とりあえず、挨拶は以上にします。

質疑応答

在任期間の振り返り

問:
  昨年11月の就任からお疲れさまでした。1問質問をお願いします。改めて、今の話とかぶってしまうかもしれませんが、任期を振り返ってのご感想が他にございましたらお願いしたいのですが。
答:
  少し時間をいただいてお話をさせていただければ。
  改めて、私も就任させていただいて、所掌の広いことと大変重要なものがたくさんあるということは痛感させていただきましたが、例えば、就任して統計の大会があって、秋篠宮皇嗣、また妃殿下もお迎えしてという大変格式の高い大会をさせていただく中で、改めて統計の意義も再認識させていただきました。
  これは行政評価も計画をちょうど作る時期でしたし、統計も計画を作る時期で議論をさせていただきましたけれども、まさに統計を通して現状の位置を知り、そして、評価を通して如何にそれをまた次のステップへ進めていくのかという意味でも、大変意義のあることではないか。政策評価は基本方針ですね、策定をさせていただいたのは。公的統計の基本計画など、ちょうど今年の3月末に、昨年度末に閣議決定させていただいたりしておりますし、また、統計の皆さんからは統計が国民のものになるように、デジタルを通して皆さんに伝えられるようにということがありました。
  行政評価は各府省に対して、行政評価を通してさらに前向きの政策の展開をお願いするという意味でも、大変意義があったと思います。
  地方創生、地方自治という意味では、創生は担当大臣が別にいらっしゃいますけれども、地方を活性化するという意味でも我々は大変重要な役目でありますが、地域おこし協力隊や起業人など、既にいくつか大変大きな成果を上げてきているものがありますが、これを量的に拡大するにはどうしたらいいのか、さらには地域おこし協力隊の皆さんが起業していただくのに新たなサポートの方法などを含めて、新たな仕組みも含めて一生懸命新たな展開をしていただいております。
  私自身も改めて各地方へ行かせていただいて、地域おこし協力隊の皆さんが本当に大きな成果を上げておられて、観光なども含めて地域で大きな起業がそれなりに実を結んでいるということを実感させていただきました。
  福島であれば、ローカルの企業の話だったと思いますが、食品の工場がありましたし、四国ではホテルを開発するとか、古い町並みを再生した古民家再生型ホテルなどを地域おこし協力隊の皆さんが頑張ってやっていただいて、予約でいっぱいという状態であったりするみたいでしたし、本当にそういう意味では頼もしいことは起こっているんですが、これを本当に広く興すことによって日本の力を付けることが必要なのかと、そのように考えてまいりました。
  デジタル田園都市国家構想は、そもそも地方を元気にするという田園都市国家構想が基本であるということは、皆さんにも何度も申し上げてまいりましたが、併せてデジタルというツールが今使えるようになってきたということで、インフラの整備なども改めてさせていだたきましたし、大きな意味でデジタルのインフラという意味では、マイナンバー制度、そしてマイナンバーカードというのもツールでありますが、大変大きなものであるだけに定着させて安定的な定着をしていくために、まだまだ我々もしっかりとやらなければいけないことがあるということで、マイナンバー紐付けの総点検も含めて取りかかったところでありまして、しっかりと仕上げていくことになっていくと思っております。
  マイナンバーカードも、どうしてもこれまで普及に焦点が当たっておりましたが、本来マイナンバーカードは使っていただいて価値が分かってくるものでありまして、使い道の更なる拡大ということをしっかりやっていきたいと思います。
  その意味では、消防でもいろいろ尽力をいただいて、日頃から大変消防の皆さんには災害対応も含めてご苦労いただいていますし、我々もそのサポートをしてきているわけでありますが、ちょうど昨年に行った救急のデジタル対応などは一定の効果を上げてきていますし、マイナンバーカード、マイナンバー制度も活用していただいていますので、こういったことの全国展開も来年度是非やっていただきたいということで、今、提案をさせていただいてるところでありまして、消防の皆さんもやはり人の命を守る、救うという意味でも活躍いただいていると、そのように思っております。
  また、もちろん郵政分野でも郵便の分野でも、いろいろと増田社長を先頭にいろいろお話させていただき、そもそも公的な存在であったということもあって、様々な地方の行政サービスのサポートなども郵便局にはずいぶんとご尽力いただいているわけでありますが、本業の方でも物流の面でも様々今までの、いわばライバル会社との協業を進めるとか、新たな展開をしていただいておりまして、これも現場を拝見いたしましたが、デジタル化も進めていただく一方で、私も増田社長と思いを共有していると思ったのは、若手の皆さんの意見を聞いて、何人か行かれた方いらっしゃるでしょうか、渋谷にかわいい郵便局を作って話題になったというのは、新聞、メディア取り上げているんですけど、皆さんあまりご覧になってないですかね。行くとハートのマークのもとで写真を撮って、プリクラではなくて切手が作れるとか、そういうようなものをやっているんですが、これは若手の提案に乗ったという話のようでした。
  そういう意味で、日本郵政自身もいろいろと前向きの改革をされておられるのを我々もサポートして、やはり大事な、いわば日本郵政が預かっている部分は物流や通信はもちろんのこと、金融も含めて生活の大事なインフラである面がありますので、しっかりとサポートできるような形が必要になってくるのかなと思っております。
  放送や情報通信の分野は大変激動の時代であることは確かでありますが、やはり大きな意味で国民の皆さんがネットを含めた様々な情報を集める、非常に広い情報空間から情報を取れる時代の中で、その情報空間に健全なという言葉でいいのかどうかですが、適切な、正確な情報であることを含めて、その情報の性格で適切な報道であることも含めて分かりながら情報を得られるような形にするにはどうしたらいいのかという意味で、情報空間の様々な、これは偽情報対策だけではなくて、放送などの在り方も含めてテーマになってくるのではないかなと思います。
  その基盤となる通信事業という意味では、まさに通信の事業に当たっている皆さん、これについてもちょうど改革の議論の、いわばキックオフはできたのではないかと思っておりますが、世界を見て、また、我が国を見て、そして国民の皆さんの生活を見て、また、最先端の技術を見て、あるべき姿を、報道の内容は我々の関知するところではありませんけど、放送のインフラであったり、また、通信事業であったりということで、しっかりと時代にキャッチアップして、また、時代に先がけて行くような形ができれば望ましいかなと思っております。
  私自身はG7では様々そういったこともさせていただき、世界に向けての通信事業に関するいくつかの件で、日本が主導権を取れるような、また、日本が主導権を取れることが私は世界のためになると思っているのですが、そのような形を通信事業でもOpen RANなど展開をお願いして、かなり広がってきたのではないかと手応えを感じておりますが、合わせて人工知能、AI、ちょうど生成AIが話題になりましたが、生成AIに限らず基盤AIを含めて先進的なAIについても、これもやはり日本が主導的に今、いわばルール作り、枠組み作りを進めることができておりますが、様々な考え方がある中で、日本だからこそ主導的にまとめることができるのではないかと期待してここまで進めてまいりましたし、一定程度方向性は示してしっかりこの上を走っていけば然るべき答えをいくつか得られるのではないかと期待しているところでございます。
  語りだしたら297日でいっぱいあるのですが、結びに、やはり組織の長として、大きな組織であるだけに、最初にも申しましたが、是非風通しの良い組織になっていただきたいと思っておりまして、例えば出張させていただいたりしたら、一番最先端でロジで頑張っていただいた若い人たちと、終わった後、少しお話させていただいたりするように心掛けてまいりましたし、また、職員の皆さんからは、是非様々な提案をいただきたいということで提案を受けて、いろんな形でさせていただきましたが、その最大の目的は総務省にこれからも良い人材に来ていただくためにも、やっぱり自分たちが前向きに考えれば、これが声が通って実現する組織なんだという形を作れればいいなと思いましたし、他方で我々がそれをしっかり受け止めて、少しでも形にすることで意義のある仕事、自分たちの仕事の意義を見いだしてくれることによって一層やりがいを感じてくれることを期待したいと思っております。
  ちょうど私が就任したときに同じような考え方から、担当は政務官がしてくださっていましたが、広報改革をしようということで若手の皆さんの声も聞いて広報改革も進めてきて、外部の人に入っていただいたりということも含めて広報もだいぶ改革することができたと思いますし、率直に申し上げて、大変優秀な役所の人ならではのパワーポイントの作り方一つも、外部の方の意見を聞くと少し変わってきたのではないかと思います。頭の良い方はパワーポイントにいっぱい字を入れすぎるんですよね。1枚で終わらせるということがあるのかもしれませんけれども。
  そのようなことも含めて、私自身、政治に携わる者がこのような形で政治的に任命をされて閣僚を務めさせていただくわけですが、組織の皆さんからすれば、いわば横からやってくる人間になりますので、まずは私自身もコミュニケーションを取ることと同時に、逆に外から来た者であるが故に申し上げられることはしっかりと申し上げながらやっていくのが大事かなと思っております。
  総務省の入省式でも申し上げましたが、正統性と正当性ということを申し上げたんですが、正統性、一つは正しく統治の統の正統性、もう一つは、正しく当たるの正当性なのですが、役所の皆さんは当たるほうの、いわば理論的に正しいことをしっかりと、何が正しいのかをやっていただきますし、私たちは統治の統というのは、政治は国民の負託を受けているという意味で正統性を有しているという意味で、ですから、政治の声と政策の理論の声とをどう融合して昇華させていただくのかというのが私たちの役目だと思っています。もうちょっと単純に申し上げると、これも地方へ行かれる自治体の職員の皆さんの送別のときに申し上げたのですが、我が国には風土という言葉があるんですが、風と土というのは風土の文化はどう形成されるかというのは、元からある土と外から吹いてきた風が合わさって風土になるという言葉がありまして、まさに我々が風であるとすれば、総務省の職員の皆さんは土でありますので、合わせて新しいものを一つずつ作っていくことができればなと思っております。
  その意味で、我々は、仕事はやはり種を蒔くことと先人の方々が蒔いていただいた種をしっかりと育てて実らせて刈り取ることが仕事だと思っておりまして、いくつか種を蒔かせていただくこともできたと思いますし、先ほど申しましたように、地方自治や行政評価、行政管理、統計、また、消防や選挙、本当に分野は様々広がってまいりますし、情報通信や郵政も含めていろんな種を蒔いてくださったものもいくつか育てることが、また、刈り取ることができたものもあるのかなと、そのように振り返らせていただきたいと思います。

在任期間中に一番印象に残っていること

問:
  大臣、どうもお疲れさまでした。今、大臣がおっしゃったように、在任期間中に様々な案件に取り組まれてきましたが、その中で一番印象に残っていることはどんなことでしょうか。
答:
  これはサポートしてくれるスタッフの皆様も、公式には何が印象に残っているかは如何にして言わないかという文章を考えてくれるのがたぶん大変上手なんですが。   
  個人的には、すぐに行かせていただいたように、ちょうど節目を迎えていた福島に行けたことは大きな印象に残ってますし、徐々に避難地域が解除されて今、人がやっと戻りかけて動きだしているところで、また、今回の処理水の問題も乗り越えなければいけない問題であったと私は思っておりますが、これから先、また大きな節目が数々来るのをしっかりと乗り越えてでも、何とか復旧・復興は果たしていきたいなと。
  この数十年の中では、我が国にとっては最も大きなことの一つと残念ながら言わざるを得ないことが、少しずつ前へ進む中に立ち会えたことは、私の印象の中に残っていることの一つです。ほかにもいろいろありますが、あえて申し上げればそれかなと思います。

次の総務大臣に期待すること

問:
  大臣、お疲れさまでした。今日をもって次の後任の大臣に引き継がれるわけですが、次の大臣に期待される役割や仕事がございましたらお聞かせください。
答:
  次の大臣は誰かというのはまだ言えないんだと思いますので何とも言いようがないのですが、もし既に皆さんが報道されている方がそのままなられるとしたら、確認する限りでも総務大臣政務官も総務副大臣もされておられて、お気づきかと思いますが、総務副大臣、総務大臣政務官は複数いらっしゃるので担当分野を分けているのですが、今、お名前が出ている方はその二つを経験されることで全分野を実はカバーをされておられますので、既に課題も中身もよく認識されておられるのではないかなと思っておりますので、先ほど申しましたように、私自身も在任中にいくつか取り組み始めた課題もあることは既にご理解いただいていると思いますので、先ほど申しましたように、取り組み始めた課題をもちろん引き継がせていただきたいと思いますし、同時にまた、ある意味ではこれまでも総務行政に長く携わってきたことがあるので、多分ご自身がいくつか課題をお持ちではないかと思いますので、しっかりと種を蒔いて、またいろいろ前へ進めていただけるのではないかと大いに、今お名前の出ている方に期待したいと思います。

問:
  ありがとうございます。会見はこれで終了いたします。ありがとうございました。
答:
  はい。

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