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会見発言記事

鈴木総務大臣退任記者会見の概要

令和5年12月14日

冒頭発言

【退任挨拶】
 
  おはようございます。
  先ほど官邸におきまして、松野官房長官をお訪ねして岸田総理への辞職願をお届けいただけますように託してまいりました。
  約3か月の短い期間ではありましたが、国の根幹でありまして、また、国民生活の基盤となる重要な制度を幅広く所管する総務大臣という立場にありまして、充実した時間を過ごしたなと思っておりますので、本当にありがとうございました。
  記者クラブの皆様には大変お世話になりまして、ありがとうございます。また、総務省の発信にご協力賜りまして誠にありがとうございました。
 
  以上です。
 

質疑応答

辞任理由(1)

問:
  今お話がありました、辞表を提出されたということですが、一連の問題で大臣はこれまでキックバックを受け取ったことはないとおっしゃっていました。その中で、今回の辞任の判断をした理由について、改めてご説明をお願いします。
答:
  少し長くなります。まず、今回、我々が所属します清和政策研究会、大変大きな疑念を持たれながら、非難をされておりますので、それについてはお詫びを申し上げたいと思います。本当に申し訳なかったです。
  この報道が始まって以来、実は私も知る由もない事態がいっぱい出てきました。つまり、閥務をやったことがありませんので、そもそも私の中には、いわゆる巨額の裏金還流という意識は全くありませんでしたから、そういった面では全く知らない事態がたくさんありました。
  そうした中で、いわゆる還流という問題でありますが、私はそういう意識も発想もなかったものですから、だから、そういった還流という意識は全くありませんでした。それが、実は先般の記者会見のとおりであります。
  ただ、そうは言いながらも、清和全体として今様々な批判をいただく立場でありまして、清和全体のことが大変な話題というか、疑念になっておりますで、その中で、私、清和の一員として、まずお詫びをしながら、それからもう一つは、こうした中で清和の人間として、このまま引き続き閣内にとどまるということは、ある面で行政の遅滞を招くと思いますので、国政への。そういった面ではこの機会に身を引いたほうがいいと思ったわけでありまして、そういうのが現状でございました。

在任期間の振り返り、次の総務大臣に期待すること

問:
  在任期間は3か月ほどでしたが、この期間を振り返ってのご所感や、やり残したことや、次の大臣への期待も併せてお願いします。
答:
  実際3か月という短い期間ではありましたが、私も実は顧みますれば、32年前に地方自治体の市議会議員になって、それで32年後に総務大臣の立場になったわけでありますが、非常に感慨深いものがありました。
  この間、自治体情報システムの標準化の問題、あるいはBeyond 5Gの研究開発の問題、あるいは補正予算、まさに巨額の補正予算でありますが、作りました。また、例えば京都のIGFの会議、国際会議でありますが、広島AIプロセスにおきまして、その議論もある意味、主導ができた。また、12月1日にはG7包括的政策枠組みができましたので、そういった面では極めて、短期間ではありましたが、ある面で仕事ができたのかなと思うところはあります。
  なんと言っても総務省というのは、旧郵政、旧自治、旧総務庁ですから、極めて幅広い国の根幹の仕組み、制度を持っている省庁でありまして、そうした中で極めて重要な省庁でありますが、その幅広い分野において、いろんな関与ができたことは非常にありがたいと思っております。
  また、最初に行った地方は福島でありましたし、やはり例の東日本大震災以降の復興も含めて、私も思いは深かったので極めて印象深いところでございます。
  こうした中で総務大臣でありますので、各地方自治体の知事、首長、議長などとたくさんお目にかかりますので、いろんな議論ができたのはよかったなと思うし、私自身も先ほど言ったように地方議会の出身でありますから、そういった思いが強いので、今回こうして身を引きますが、引き続き、総務行政についてはしっかりと応援していきたいなと思っておりますし、そういった場が与えられればありがたいことだなと思っています。
  また、これから新しい大臣に代わるわけでありますが、もう言われているように、前任の方と聞いていますので、極めて私も非常に信頼する人間でありますし、立派な業績を残された方でありますので心配はしておりません。また、総務行政を引き続きしっかりと進めていただけますように、これまで同様に、また副大臣、政務官、またあるいは職員も含めてよろしくお願いしたいと思っております。
問:
  大臣、やり残したことみたいなものはありますでしょうか。
答:
  やり残したという意識はないですね。そういった面では、短期間におかげさまでいろんなことにタッチができましたのは非常にありがたかったと思います。
  立場としては今回退任をするわけでありますが、もし私が政治家であれば、引き続き関与するわけでありますから、一生懸命応援しようと思っています。そういう面ではありません

辞任理由(2)

問:
  今ご説明いただいた辞任のところですが、理由についてお伺いします。清和全体の問題、あるいは清和の一員としてというようなご説明がございました。そうすると、今回、辞表を大臣ご自身が出されているわけですが、鈴木大臣ご自身の責任、今回辞表を出したことについての責任というのは、具体的には何だとご説明されますか。
答:
  責任と言いますか、私も清和の一員で、清和全体で疑念を持たれておりますので、そういった面では責任があると思います。
  ただ、もう一つ、私は清和の人間でありまして、清和の方々の応援を得てこの立場になっておりますので、その中で私の関与はどうあれ、多くの方々に批判をいただく中で、私自身がずっと職務を続けるということは潔しとしないというところがありましたので、そういった思いです。

自民党の派閥

問:
  そうしますと、安倍派、清和会に所属しているということが、今回、身を引かれることの理由の一つということになると思いますが、長年所属してきた安倍派ですが、大臣にとって派閥の意義というのは何なのでしょうか。簡潔にお伺いします。
答:
  私は、たまたま私の先輩議員の方が清和の人間で、ある面で考える余地もなく清和に入れていただいたのですが、派閥はいろいろ功罪ありましょうけども、私が思うのは、やはり様々な勉強の機会をいただいたなと思いますし、実は自分自身も数年前に清和研の政策委員長をやっていまして、こうしたことを通じて、いわゆるグループの中で勉強会もやりますから、そうしたことを一緒にやる仲間でありまして、いろんな批判的なものもありましょうけども、逆に言うと400人近くいる自民党全体の中で、全部でこんなことはできませんから、ある面で思いを同じくする人間が集まって議論することもあるでしょうし、お互いの応援もすることがあるでしょうし、そういった面で見ると、私にとってはそういった政策勉強会はそういうものかなと思っています。
問:
  そうした派閥が、今回、組織的な裏金作りということを疑われる事態になっているわけですが、それについては、なぜそのようなことが起きていると、大臣は思われますか。
答:
  前の会見で申し上げたように、私はいわゆる清和研の中で、そうした閥務と言いますか、全体を仕切る仕事をやったことはありませんので、よく分かりませんでした。現に報道が始まって以来、信じられないことがいっぱい、金額にしても、事態にしても、私の発想の中に全くそういうのはないので、発想も認識もないのでびっくりしました。正直言って。
  ただ、現実にそういうことがあったと思われますので、その中の一員としてはその非難を免れないと思いますし、そうした中で今回、ある面では身を引きながらということはそういうことなんですね。
問:
  大臣、お辞めになられて議員に戻られるわけですが、清和会の組織改善であったり、信頼回復であったり、大臣ご自身としては、どのように今後取り組んでいきますか。
答:
  そうですね。まず、清和会全体というより、まず個人がしっかり、私も含めて、もう1回しっかりいろんな資金問題も含めてやらなきゃいけないなと思うのと、あとは、おそらく多くの若手や中堅議員も同じことを思っていると思うので、こんな状態でいいとは思ってないと思うので、そうしたことをお互いに意識を集めながら、現場の中で一つ一つ改善ができればと思っています。

総務行政

問:
  これは鈴木大臣だけの責任ではないのですが、このところ総務大臣が短い期間で交代するということが続いています。大臣、就任以降、盛んに幅広い所掌があると。地方自治、通信など、そういった幅広く関係者がある中で、こうした形で短い間でトップが交代する事態になってしまった、この受け止め、責任、また、この影響をどのように考えているのか教えてください。
答:
  まず、やはりお詫びをしなくてはいけないのは、私がこういう形で3か月で退任するというのも本当に申し訳ないと思いますが、ただ、そうは言っても、総務行政が、いわゆる人によって劇的に変わるものではありませんし、課題は同じでありますから、同じ思いを私も前任から引き継ぎ、また今度は託すわけですが、そうしたことをしっかり受け継ぎながらやっていこうと思ってますので、それについて、まず、私自身としてはお詫びをしますが、それ以上のことはないです。

政治資金等

問:
  確認と、改めてお伺いしたいことがあります。大臣はキックバックをもらってないということは、ずっとおっしゃっていて、先ほども説明していだいたと思いますが、この認識に変わりはないかということを確認させていただきたい。また、辞意を固められたのは具体的にいつか、誰かと相談された上で固められたのか、いつそういう辞意を固められたのかというタイミングの確認。最後は、辞表を先ほど官邸に持っていかれたと思いますが、総理や官房長官から何か労いや、これからどうしていこうというお話があったかということを改めて確認させてください。
答:
  まず、官邸に行って官房長官にお出しをして総理に託したわけでありますが、官房長官も同じグループでありまして、大変だけど頑張っていこうということはありました。
  それから、私の認識でありますが、先程来言っているように、私の中で裏金とか還流という意識は全くないものですから、そうした面で見ると、通常、地方でもあるように、ある程度の経費補填と言いますか、そのあれはありますので、これは自分の中の認識では全くキックバックという認識がないので、そういうふうに答えた次第です。
  あともう1点、何でしたか。
問:
  辞意を固められたのはいつかということ。
答:
  これは、正直言うと、もう数日前というか、先週末ぐらいですかね。私も実はこういう中で、清和全体が厳しい非難を受けている中で、そこから応援していただいてなっている私と、もう1人農水大臣も含めて、このままずっとここにいるというのも変だよねという、申し訳ないなと思うところもあるし、逆に自分としても、哲学としてそういう中にあって職にとどまるということはあまり潔しとしないので、この際やはり、ある面で清和全体としては、そういうふうに、ある面では自分達のしっかり始末をしなきゃいけないなと思ったところはありました。
問:
  ありがとうございます。答えていただいたことの中で、追加で確認ですが、認識はなくてそういう発想もなかったということですが、キックバックのところですね。実際にそういうお金を受け取ったことがないと断言できるか、それとも、そういう意識はなかったが、何かしら、派閥に所属する人間としてお金のやり取りがあったのかというのは。
答:
  これはしっかり調べないと分かりませんが、前にも言ったように、私はいつも派閥のパーティーというのはギリギリ、カツカツの状態でありますので、そもそも額があるのかないのか分からないような状態なので。それに、もしあれば、それはそういった裏金だとかそういう意識はないので、キックバックという意識もないので、そういうふうにお答えしたところです。
問:
  これからしっかり確認されるということでしょうか。
答:
  だいたい秘書と話をしますので、そういった面では、ほんのわずかあるようでありますが、ただ、私としてはそういうふうな意識でもらっているわけではないし、実際に手にもしないので、そんなことはありましたね。ですから、そうお答えしました。
問:
  重ねて恐縮です。今のキックバックのご回答のところで一つ確認です。昨日、安倍派に所属している宮澤防衛副大臣が、キックバックのお金については政治資金収支報告書に記載しなくていいのであると、派閥から指示を受けたということを明らかにしました。また、今回のことについては外にしゃべるなと箝口令を敷かれているというような指示を受けたということも明らかにしていると思います。この二つの指示について、鈴木大臣はそういった指示を受けたことは、認識はありますでしょうか。
答:
  私はそういう認識はないです。実際にそういう言葉をかけてもらったこともないですし、書面でもらったこともありませんので。ただ、おそらく慣例として、そういうことがお互いに、秘書も含めて、事務所も含めてあったのかもしれませんが、明確な指示を私は受けたことはありません。
問:
  そういう話を他の安倍派に所属している仲間の議員の方から聞いたり、そういうこともないですか。
答:
  それも具体的には、まずないです。お互いに話をしませんから、その問題については。そういう問題はね。

辞任理由(3)

問:
  先ほど、辞任については先週末、ご自身で潔しとしないということで決意を固められたということでしたが、残念だという思いは今ありますでしょうか。
答:
  残念だと言いますか、確かにそのように思っていませんでしたから、これまでは。まだしばらくやるものだと思っていましたから。ただ、こういう状況になってはやっぱりよろしくないと思うのと、あとは、私の中の意識では、この立場にあろうがなかろうが、地方自治の行政であったり、あるいは郵政もそうですし、総務省もそうでありますが、こうしたことはこれまでもやってきましたし、これからもやるわけでありますから、そういった面で見ると、ここで完全に全部がなくなるわけではありませんし、立場はここで終わりますが、それについて残念とかそういうのはないと言っていいと思います。

問:
  終わります。ありがとうございました。
答:
  いろいろありがとうございました。お世話になりました。また引き続き、どうぞよろしくお願いします。
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