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会見発言記事

松本総務大臣閣議後記者会見の概要

令和6年1月9日

冒頭発言

【総務省の能登半島地震に対する対応】
 
  ただいまから、定例の記者会見を行いますが、まず、よければ先に小森大臣政務官から現地の状況の報告、対応の進捗などお話いただけたらと思います。
 
(小森大臣政務官)
  小森です。石川県庁から参加させていただいております。
  まず、現地の天気ですが、週末ずっと大雨、雪、低温などで作業が阻害されておりましたが、今日はそこまで荒天ではないということで、進捗が期待されているところでございます。
  昨日までの状況ですが、孤立集落にいる人数の把握が進んでまいりました。全体で約3,300人に上っており、そのうち輪島市が2,800人ということでございます。一部まだ人数把握できてないところもあると思いますので、最終形ではありませんが、かなり多くの方が孤立集落におられるという状況でございます。
  また、避難所におられる方が2万8,000人、停電が1万8,000戸、断水が5万9,000戸ということで、生活にかなり不便が生じている、大規模に生じている状況が現在も続いているところでございます。そうした中で、避難所などの衛生状態などについて懸念が高くなってきているといったところだと認識しております。
  そのような中で、奥能登から金沢、あるいは南加賀などに人を移すという作業が始まっております。昨日、金沢市に設けました体育施設における受入れが始まりました。昨日は天候の影響で、まだ本格的に大きな人数の方が来られたわけではありませんが、今日は一定の進捗があるのではないかと期待しているところでございます。その後、県内で1日最大3,000人の方がホテルや旅館などで過ごせるようなキャパシティーを確保しているところでありますので、そちらの方に移して行くオペレーションを進めているところでございます。
  また、金沢市のスポーツセンター経由という以外の、別のルートや別のやり方も使っても、奥能登の方から電気や水道がつながっている地域へ人が動いていただくということについて、県として、また市町も取り組んでいるところでございます。
  私からは以上でございます。
 
  ありがとうございます。引き続き、現地は大変だと思いますが、よろしくお願いいたします。
  では、私の方から引き続いて、今回の石川県能登地方を震源とする地震について、現段階での総務省の対応についてご報告申し上げたいと思いますが、先ほど一部で提供されている速報でも、さらに亡くなられた方の確認が進んで、亡くなられた方の確認された数もまた増えてきているということを聞いております。改めて、今回の地震におきまして亡くなられた方のご冥福をお祈りしたいと思います。また、被災された全ての方々に心からお見舞い申し上げます。
  消防の活動は引き続き合計2,300名の部隊を展開して、消防全体としてはこれまでに331名を救助、1,309名を救急搬送して、引き続き全力で救出活動に取り組んでおりますし、また、消防団と連携して広範囲で安否不明者の捜索活動も行わせていただいております。報告を聞く限りは、さらに救急活動もかなり需要はあるようでありまして、直接の災害による方もおれば、体調不良の方もいらっしゃるだろうと思いますし、転院の搬送とかそういったことにも協力させていただいていると聞いております。
  次に、職員の派遣のことでございますが、応援職員を順次派遣させていただいております。まずは本当に一番被害のひどい地域に避難所の運営と、また、総括支援チームや幹部としての職員派遣など、マネジメントから現場まで含めてしっかり応援できるようにと思って職員を派遣させていただいていますが、加えて、一部の地域では罹災証明書の発行など、災害に関わる事務を新たにスタートしてきておりまして、これにもまた応援が必要だということで、対象とする派遣先も昨日まで少しずつ増えてきて、今16市町に対して派遣させていただいております。
  息の長い支援が必要だろうということで、幅広く応援の、いわば出し元というんですかね、派遣元はお願いしておりまして、今42都道府県・市から支援に入っていただけることで決定しております。本日までに435名が現地に入っていると報告を受けているところでございます。なお、先ほどマネジメントの話をさせていただきましたが、被災自治体と様々連携していくためにも必要ですので、政府の現地対策本部に昨日から新たに1名の室長級の職員を派遣しております。
  通信に関してですが、通信関係、事業者さんを中心に関係者、かなり頑張っていただいているのですが、そもそも、いわば通常の電源が通じていない地域はまだかなり残っている状況です。先ほど、小森大臣政務官からの話でも、停電地域があるというお話をさせていただいたかと思います。
  ここにおられる皆さんはよくご承知のとおりですが、携帯電話が通じないというのは、大きく分ければハードの基地局そのものが何らかで損壊したり、基地局と関係する局の間はご承知のとおり光ファイバなど線でつないでいる。これが寸断されたりというハードの問題と、基地局や元の本局が動かすための電源が来ないので動かないという問題がありまして、これに対しては移動電源車を使ったり、随時予備電源に対する燃料補給などで対応しつつ、線が切れているなど寸断されている場合は衛星による代替とか移動基地局によって応急的にエリアをカバーしつつ、本来の形に戻せるような復旧工事も進めていただいているというのが今の状況ですが、支障は引き続き輪島市など5市町で残っておりますが、ソフトバンクさんは七尾市の支障が解消したと報告を聞いております。
  能登半島地域北部では、例えばドコモさんでいくと、最大時には障害エリアが面積でいうと7割ぐらいまで広がっていたのですが、今は3割ぐらいまでは減らしてきていただいていると思いますが、通信が占める重みを考えると、全面的な解消に向けて引き続き努力をお願いしたいと思っております。
  また、災害対応業務を進めるにあたっても様々通信が必要でありますので、珠洲市の避難所に配備する衛星携帯電話を約20台増強いたしました。また、DMATさんからも要請をいただいたので、衛星通信機器50台をお貸しすることにしております。携帯電話、全面的な支障の解消、関係者の通信機能の確保、官民連携してしっかりやっていきたいと思っております。
  放送につきましては、昨日は自衛隊などの関係機関にご協力いただいて、燃料補給により輪島市による停波が回避されましたが、いずれも予備電源を燃料でつないでいますので、引き続き燃料補給等が必要ですので、そういったことを続けながら引き続き停波の回避・復旧に向けて取り組んでまいりたいと思います。
  放送による情報は、被災者の皆様に大切な情報を正確にお伝えしていく観点から重要で、通信とも連携して避難所に通信環境を整えることによって、通信を通して放送の情報コンテンツをご覧いただけるようにするということで、避難所における情報提供の確保に向けて最大限取り組んでいきたいと思っております。
  甚だ遺憾ながら、偽・誤情報の問題というのもかなり出てきているやに報道等を通じても見られております。様々な情報を表現の自由が保障された我が国において、直接どのように規制をするかということは課題でありますが、SNS等電気通信事業者はそれぞれの規約に基づいて対応いただくことになっているので、この点については既に要請済みでありますが、各事業者の皆さんも、この緊急時をご理解いただいてご対応いただければ幸いかなと思っておりますし、やはり今日もメディアの皆さんおいでですが、是非、既にそのように動いていただいているメディアもありますが、偽・誤情報もあるという注意喚起をぜひお願いを、受け手の皆さんにもそういったことをご理解いただいた上で、情報への接し方をお考えいただきながら対応いただきたいと思います。
  その意味で、信頼できる情報としての各自治体などから直接の情報や、放送や新聞などの報道による情報というものに、是非直接アプローチしていただくように、改めて私もこの場でお願いいたしたいと思っているところであります。
  なお、税務の関係では、国税とも対応を合わせて、被災した納税者に対する地方税にかかる申告等の期限の延長、徴収猶予及び減免の措置などについて、地方団体において適切な対応をお願いする旨、本日通知いたしました。
  また、政府としては被災支援パッケージを月内に取りまとめることとしていますが、総務省においては、長谷川大臣政務官、内藤事務次官にも先頭に立っていただいて、総務省能登半島地震被災者生活・生業再建支援チームを立ち上げまして、先ほど第1回会議を開催いたしました。今後速やかに被災者支援に関する総務省の取組を検討し、政府の支援チームとも連携して、被災者の方々の希望となるようなパッケージになるよう施策を充実させて、被災者支援に力を尽くしてまいりたいと思っております。
  まさに被災者の生活支援と生業再建支援ということでありまして、目の前の生活を確保すると同時に、先に向けてしっかりと各地域で持続可能な地域の発展を目指すべく、生業を支援していくということを考えたいと思っているのですが、この機会に今私たちとしても、ご承知のとおり石川県においては1.5次、2次避難ということで、避難所、被災地の環境等を考えると、避難としては是非1.5次、2次など、金沢、金沢以南のやや被災地を出ての避難もご検討いただきたいということを、被災者の皆さんにもお願いさせていただいているかと思いますが、私としても、是非、必ず帰ってその地域でまたできるようにと、生業再建支援はその決意で取り組まなければいけないと思っていますが、現段階では、先ほど大臣政務官から報告がありましたように、断水がまだ5万を超える件数がある状況であります。
  衛生環境等を考えると断水地域は極めて大きな問題でありますので、ぜひ厳しい状況の中でお地元に近い方が、お気持ちとしては心強いところがあろうかと思いますが、今申しましたように衛生環境等も含めると、心身全体のバランスを考えたときには、2次避難もぜひ被災者の皆さんにも前向きに捉えて、改めてそれぞれのお地元を元気にするためにも、今から元気になる必要があるということで、元気になれる2次避難も考えていただきたいと思っておりまして、お願いしたいと思っております。
  今も冒頭で天候の報告がありましたように、現地では地震活動も続き、天候もなかなかまだ厳しい日がこれからも来ると思いますし、気温も大変低い状況であり、積雪もあるようですので、なかなか厳しい状況だと思いますし、申しましたように実際に避難所でお暮らしいただいている方を支えるべく、応援の職員も派遣し、例えば通信環境なども避難所の状況もいろいろ聞き取らせていただいているようでありますが、今のところ3分の2ぐらいではテレビも見られる状況であるようでありますし、通信環境もさらに今強化しているところですので、通信環境を通して情報を得られるようにしていきたいと思って、対応はしっかりやれることはすべてやるとの姿勢でやりたいと思いますが、厳しい状況であるという認識はしっかり持った上で、さらに必要な対応に力を尽くしたいと思っております。
 
特別交付税の繰り上げ交付別ウィンドウで開きます
 
  震災に関連しては私からもう1件、特別交付税の繰上げ交付でございますが、被災自治体には多くの対応にご努力、取り組んでいただいて、多額の財政負担が生じることが見込まれるところでございますので、総務省としては、今回の災害救助法の適用状況を踏まえまして、石川県、石川県内の17市町、新潟県、新潟県内の14市町、富山県、富山県内の13市町村、福井県、福井県内3市の合わせて51団体に対して、3月に交付すべき特別交付税の一部である211億1,300万円を本日繰り上げて交付することを、本日決定いたしました。
  なお、特別交付税の繰上げ交付は、令和3年度の大雪にかかる繰上交付以来でございまして、大雪以外では平成6年度の阪神・淡路大震災以来となっております。
  今後も震災により生じた財政需要を丁寧に把握し、被災自治体の財政運営に支障が生じないよう、適切に対応していきたいと考えております。改めて、3月には特別交付税の交付をいたしますが、そのときには被災状況などを鑑みて、被災自治体の行財政運営に支障がないようなことをしっかりと私ども、地方の行財政を預かる立場としては対応いたしたいと思っております。
 
家計調査結果別ウィンドウで開きます
 
  すみません、長くなりましたが冒頭もう1点。
  これは閣議に報告した家計調査結果でございますが、二人以上の世帯の11月の消費支出は1年前に比べ実質2.9%の減少、住居、交通・通信など幅広い分野で減少が見られる一方で、外出の増加に伴うと考えられ、外食、洋服などが増加しているという状況でございます。
  詳細は、統計局にお問い合わせください。
 
  私からは以上でございます。

質疑応答

特別交付税の繰上げ交付

問:
  先ほどご発言がありました特別交付税の繰上げ交付についてお伺いいたします。各自治体への配分のポイントと自治体に期待することについて、お考えをお願いいたします。
答:
  今回実施するのは、繰上げ交付でありまして、各団体の過去の3月分の交付額を基礎としつつ、震度が大きかった地域に配慮した繰上げ交付とさせていただいたと考えております。特別交付税の繰上げ交付というのは、災害によって多大な被害を受けた地方自治体における資金繰りを円滑にするためのものでございまして、各自治体におかれてはこの資金も活用していただいて、住民の皆様の安全・安心の確保のために災害対応をお願いしたいと思っておりますし、私どもとしても、被災自治体の実態やニーズを丁寧にお聞きして、財政運営に支障が生じないように適切に対応したいと考えております。
  何事もヒト・モノ・カネという話がありますが、被災自治体においてまさにいずれも必要であろうということで、総務省でもお金を今こうやって送りましたし、ヒトはすでに応援職員はマネジメントから、いわば現場まで含めて送らせいただいておりますし、モノは各省庁それぞれ担当の部署で、総務省から、さっき申しましたように通信機器はだいぶお出しさせていますが、しっかり支援していく中での一つの大きな、カネについて今回は繰上げ交付をさせていただいたということで、またこれを活用して前へ行きたいと思います。

問:
  こちらで会見終了いたします。
答:
  はい。ありがとうございます。

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