私から2件。
【総務省の能登半島地震に対する対応】
まずは、令和6年能登半島地震に対する総務省の対応について、ご報告いたしたいと思います。
昨日は石川県へ出張してまいりましたが、やはり大変厳しい状況を改めて認識を強くしたところでありまして、そういった現場を見てきた者としても、重ねて今回の地震におきまして亡くなられた方々にご冥福をお祈りし、ご遺族にお悔やみを申し上げるとともに、被災された方にお見舞いを申し上げます。
昨日、出張では現地の七尾市や内灘町の一部などは、通るなかで拝見させていただきました。私もこれまでも数々の地震災害を見てきましたが、大変厳しい災害であるという認識は持っていたものでありますが、現実を見て、その認識を確認したところでございます。
そういった中で避難所も訪れて、応援職員で行っている方も大変活躍してくださっておりました。応援職員の方々の職員そのものの環境整備なども必要ではないかと申し上げてきまして、それに対応して、いろいろとしていただいています。一定程度それが出てきているかと思いますが、またさらにしっかりと支えていきたいと思います。
また、消防や救急救助にあたっている消防隊の皆さん、地元の消防団の皆さんともお話しさせていただき、これまでの活動に感謝を申し上げながら、労をねぎらわせていただいたところでございます。またこれからも引き続きニーズに応えられるように、しっかりやっていきたいと思っております。
金沢市の消防局に伺わせていただきましたのも、今回、発災直後、残念ながら一部、通信状況が100%でなかったこともあって、様々な情報収集をするにあたって、石川県のいわば消防隊の要としての金沢は、能登や珠洲などの消防の部隊とも公式のルートにとどまらず、個人的につながっているようなルートでも様々情報収集していただいたものを集約して、私どもと共有することができたことで、早くから極めて深刻かつ重大な事案であるという認識のもと、総務省・消防庁においても早くから動くことができたのではないかと思い、情報共有を含めてお礼を申し上げました。もちろん、今も石川県のいわば中心、要として頑張っていただいていることも感謝しなければならないと思います。
また、自治体職員の応援、これにつきましても、避難住民や罹災証明書の交付に向けた住家被害認定業務などを進めていただいておりますが、今日も改めて総務省の中でも、避難所運営も含めて様々なニーズの把握を積極的に行っていこうということで、認識を共有したところでございます。昨日の視察でお話しさせていただいた方々にとどまらず、昨日、実感いたしましたが、本当に使命感を強く持って被災者支援にあたっていただいていますので、そのことには敬意を表したいと思います。本当に息の長い支援が必要であると思いましたし、全体としてもまだ必要なパワーアップは進めていきたいと思っております。
同時に、復旧・復興に向けて、技術職員を含む中長期の職員派遣も必要ではないかということで、さらなるこういったニーズを把握すべく、被災地の方にも把握するように、今動いてもらって、しっかりこれから対応していきたいと思っております。
通信に関しては、NTTドコモさんの珠洲市の支障は解消したところでございます。今回、今後の本格復旧に向けて、能登半島北部の6市町の各社の基地局の状況について調査を行いました。残念ながら一部の立ち入り困難地域では、まだ仮復旧、応急復旧もできていないのですが、全体的にはかなり応急復旧ができている中で、今後の本格復旧に向けてということで行った調査でありまして、確認すると、全体で主要キャリア1,400局のうち70%はもともと異常がなかったか、本格復旧ができたという状況でありました。他方で、応急復旧で稼働しているものが約25%ほどある。残り数%、NTTさんであれば4%が立ち入り困難でできていないところです。応急復旧で稼働しているものの25%についても、本格復旧の道筋をまたつけていかなければいけない。もちろん、まず立ち入り困難地域ということで復旧ができてないところの応急復旧も、しっかりと急いでいきたいと思っております。
放送についても、そもそも地上波を含めて放送が継続できるように、それから、避難所など受け取る側の対応をするようにということで、関係事業者の皆さんにはご尽力いただいてきまして、燃料補給などでつないできた放送の中継局も、輪島の中継局、舳倉の中継局は、商用電源の回復を確認することができました。
また、先ほど申しましたように、受け手側のいわば支援という避難所などでの放送の受信環境の確認については、21日までに169か所を確認し、うち70か所にNHKなど関係事業者のご協力をいただいて、テレビやアンテナを設置させていただきました。
さらに新たなテーマとしては、実はこの能登半島北部の市町は、テレビはケーブルテレビで見ている方というのが非常に多い。地区によっては9割がケーブルテレビで見ておられる地域もあって、今まだ全て調査できたわけではないのですが、昨今の主な大災害で見る限り、ここまでケーブルテレビ、いわば依存度が高いところはなかなか無かったのではないかということで、また、この被害状況も把握できている限りでも十分に大きな被害になっていますので、この復旧のための支援についても、また我々としても組み立てていきたいと考えているところでございます。
なお、本当に現地へ行かせていただくと、昨日はまだかなり恵まれた環境でありましたが、今日からはかなり雪も降って厳しい天候になってくるようであります。環境そのものという意味では、残念ながらまだ復旧そのもの、人的救助については力を尽くしてくれてきておりますし、その他の復旧も一生懸命行っておりますが、まだ倒壊したり、建物などが除去できてないようなところは多々残っていることは現実でありまして、今後、積雪などでまた被害が拡大しないように、しっかりフォローしていく必要があるのかなと思いながら、状況を見てまいりました。
また、県庁で馳知事ともお会いしてまいりました。ご要望として、人的支援の問題やインフラ復旧などのお話しいただきました。また、これまでもここでもお話してきたものと同じ、ある意味では重なるところもありますが、馳知事から改めて、支援している人も支援してくださいというお話がありました。私の方で申し上げてきた応援職員の環境なども同じ考え方だと思いますが、様々、先ほど申しましたようにケーブル事業なども復旧させるとした場合、国が支援できるのかどうか、そういう枠組みがあることはあるのですが、それで十分かどうかも含めて確認してきたいと思っておりまして、そういった課題の認識についても意見交換をして、認識を共有させていただいたところかなと思います。
財政的支援について何点か昨日決めることができたことについては、現地でのぶら下がり会見でお話ししてきたとおりでありまして、いわゆる瓦礫処理の対応のための財政支援や、被災者に寄り添うための地方税の減免措置をした場合の減収分に対する財政措置などについて見させていただいて、馳知事にもお話しさせていただき、地元にもご報告させていただきました。
先ほども申しましたように、まだまだ課題は山積しておりますし、これまでの災害の教訓を、私自身としては生かしてプラスになっていることも多々ありますが、全ての災害は全く同じものはありませんので、どうしてもその時その時の災害での課題が出てくることも事実であります。懸命に、まさにできることは全てやるとの思いでしっかりと取り組んで、少しでも被災者の皆さんに、また、明日に向けての希望が持てるような環境作りを急いでいきたいと思いますし、私どもの活動についてもそのようなことを発信していきたいと思います。
【
令和5年版消防白書
】
次にもう1点は、本日の閣議のご報告ですが、令和5年版消防白書を配布いたしました。
この白書では、近年の大規模自然災害を踏まえた消防防災体制の整備、新型コロナウイルス感染症対策等への対応、G7広島サミットにおける消防特別警戒などについて記載するとともに、消防団を中核とした地域防災力の充実強化、消防防災分野におけるDX、国民保護施策の推進、関東大震災100年について特集記事を掲載しました。
今回の令和6年能登半島地震においても、救助・救急活動に消防関係の皆様は力を尽くしていただいておりまして、この白書を通して消防防災に対する国民の皆様のご理解が深まり、より一層消防防災体制の充実強化につながればと思っており、また、お知らせなどに努めていきたいと思います。
私からは以上です。