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会見発言記事

原口総務大臣閣議後記者会見の概要

平成21年10月9日

冒頭発言

 おはようございます。閣議後の会見をスタートさせていただきます。
 まず、今回の台風第18号による被害についてでございますが、今回の台風第18号の影響でお亡くなりになられたかたがたの御冥福を心からお祈り申し上げ、御遺族には衷心よりお悔やみを申し上げたいと思います。また、被災された方々には、心からお見舞いを申し上げます。
 総務省としては、現在、被害状況等の情報収集に全力を挙げておりますが、今後、必要に応じ、特別交付税等のですね、被災地に対してできる限りの支援を行ってまいりたいというふうに思います。
 また、本日、閣議後の閣僚懇談会において、私から各大臣に対して、平成22年度の概算要求に当たり、鳩山内閣の最重要課題である地域主権改革を推進するために、格別の御努力をお願い申し上げました。地方公共団体の自主性、自立性の強化を図る観点から、国庫補助事業、直轄事業の見直しや国の関与の廃止、縮減を進めること。それから、子ども手当の創設や公立高校の実質無償化など、マニフェストに掲げられた主要事項について、地方公共団体にその事務を担っていただく場合には、事務が円滑に執行できるよう、所要の準備を整えることなどについてお話をいたしました。
 また、直轄事業負担金の見直しについても早急に見直しを行っていただければとお願いをしたところでございます。
 また、昨日、インドネシアの方から私たちの国際緊急援助で出ておりました国際消防救助隊が帰ってまいりました。いち早くどこの国よりも現地に着いて、そして暑い中、困難の中、救助を行ったわけでございます。私の方から慰労をしましたが、無事に帰れてよかったということですが、今後も、こういう国際貢献について力を入れてまいりたいというふうに思っています。
 また、地方分権改革、昨日、第3次勧告を頂きました。昨日の記者懇でも少しお話をしておりましたけれども、総理からスピーディーに、強力に進めるように、またできたところから各大臣と調整をして、この10月、11月にも形の見える分権の姿を国民の皆さんに実感をしていただきたい。こう考えておるところでございます。
 私の方からは以上です。

質疑応答

地方分権(1)

問:
 最初に分権改革について伺わせていただきます。昨日大臣は、鳩山政権の地域主権改革を推進するために、今の分権委員会をバージョンアップした新しい組織を作る意向を示されていますけれども、その立ち上げ時期はいつ頃を考えておられるのか。実質的に立ち上げた上で根拠となる法律を、例えば来年の通常国会に出すということなのか、あくまでも法律を臨時国会なり通常国会に作ってからスタートさせるのかどちらのイメージでしょうか。
答:
 イメージから言うと後者です。昨日、今度の分権改革推進委員会、10月中に4次勧告まで出したいということをおっしゃいました。私どもとしては、これまでの大変な御労苦に感謝をささげるとともにですね、これは党派制のあるものとばかり限らないです。前の政権が作った委員会ですけれども、私たちは、また自分たちで作って、そしてその勧告ができる頃にはもう何年も過ぎているなんていうことは絶対にあってはならないと思いますので、この勧告が出るまでも何回も私たちは委員の皆さんと意見を交換してきました。したがって、この勧告を真しに重く受け止めて、そしてやれるものからスピーディーにやっていくと、このように考えています。
  発展的なバージョンアップについてもですね、この中の非常に前進的なもの、チャレンジングなものを、しっかりとその魂を受け継ぎながら、組織形態はどういうものがいいのか。私たちは前の政権と違って政治主導ということを言っていますので、組織形態についても考えていきたい。実践しながら組織を作っていくということを考えています。
問:
 そうしますと確認ですけれど、来年の通常国会で分権改革の方向性とか新しい組織とか工程表を盛り込んだ基本法というのか、一括法というのか。
答:
 明確に出せるようにしたいと、そう考えています。
問:
 もう1点、今の関連で、昨日、新しい組織について、もっと民間人や地域のかたがたを入れたいということをおっしゃっていました。あと、政治主導ということをおっしゃっています。今の体制ですと、有識者とか地方代表の委員会が勧告をして分権推進本部で閣僚が国家の政策にするという仕組みなのですけれども、新しい組織というのは、例えば政治家の方も最初から。
答:
 ええ、もう最初からですね、国家戦略局のような形で、地域主権戦略局のようなものを作って、これ仮称です。どんどん進めていきたいし、昨日、丹羽委員長がお話なさったのですけれど、監視委員会のようなものも、地域主権がどれだけ進むかと、3年くらい監視したいという御意向もお示しになりましたけれども、私たちは何も監視される必要はなくてですね、国民から監視される必要はありますよ。でもわざわざ、政府の中にそういうものを作るというのも一つの形ですけれども、それよりも何よりも、もう実践をしていきたいと。そして、この何年の何月までにはこれができました、これもできますということを国民にお届けをしていきたい。屋上屋を作るような組織を作るよりも実践に重きをおいていきたい。こう考えています。

郵政改革(1)

問:
 昨日、報道各社のインタビューの中で、郵政の見直しの絡みで、郵便貯金に新しい機能を担わせるという観点なのか分かりませんが、地域の中小企業を金融面で支えるといった選択肢もあり得るというような発言もされているのですけれども、これはゆうちょ銀行に融資機能を持たせるということなのですか。
答:
 これは亀井大臣のところで、今、御議論を頂いている金融全体のお話ですから、これはあくまで亀井大臣のところがお考えを頂くことだということをまず前提としてお話をすると、今、地域からお預かりをしたお金の約8割が国債に回っているけれども、そのことについてどう考えるかという御質問でございました。このことについては、やはり地域から中央に吸い上げて、そしてそれを中央で使うという形は、正に地域主権からも反するし、それから地域の活力を奪うことにもなりかねないので、それをどのように地域で集めたお金を地域に使っていくのか、あるいは、亀井大臣はモラトリアムというようなお言葉もおっしゃっているようでございますけれども、本当に疲弊する地域経済の中で、困っていらっしゃる方にどう届けていくのかと、そういう金融機能ということが一つ考えられるのではないかという御指摘がありましたねという話をしています。あくまでもこれは第三者の言葉で言っているので。私がこんなオプションがある、あんなオプションがあるというようなことをまだ言える段階にもございませんし、亀井大臣に、先日、サービサーや、多くの不当な取り立てですね、苦しんでいらっしゃる中小企業の側に立って、戦っていらっしゃる債権整理のエキスパートの椎名先生という方、私も大推薦してですね、会っていただきましたけれども。亀井大臣と密接に連携を取りながら亀井大臣のところがお作りになる制度設計、企画を私たちも支援をしていきたいと、こう考えています。

NTT

問:
 NTTの再々編問題について確認させていただきたいのですけれども、昨日のインタビューとかの結果の報道とかを見ていますと、やはりちょっと取組の姿勢というかですね、方針みたいなものがちょっと分かりづらい、かえって分かりにくくなってしまったのですけれども、改めてどういうふうにお考えになっていて、どう取り組まれていくのかというのを確認させていただけますでしょうか。
答:
 NTTのことについて、取組が分かりにくいとおっしゃいましたので、それについてお答えしますが、明確な方針を私は示しています。それは、国内市場の競争政策だけではなくて、世界とどう戦うかということをしっかりと議論をすべきであると。
 NTTだけではなくてほかのキャリアあるいは上位レイヤーについても、私たちは、世界一のブロードバンド環境を持っています。最高速で、大容量、そして世界一の技術を持っています。この技術をどう生かしていくのか、あるいは世界のインデックスを、どのように私たちの標準に合わせて作っていくのかということを、大きな競争政策の柱として立てるべきではないかということを申し上げているので、国内市場の競争については、これまでの競争政策レビューや今度4つタスクフォースを作りますけれども、その中で公正公平に開かれた、あの独禁法の理念のもとでですね、見直しが進めばいい話と。私が申し上げているのは、国内の話ではなくて、国際的な競争市場に向かって、どのような、政府として枠組み作りをしていくのか、あるいはどのような整理をしていくのかということを申し上げているところでございます。御理解を頂ければと思います。
問:
 そのタスクフォースの中で、最終的にどうあるべきかというNTTの姿についても確定するという理解でよろしいのでしょうか。
答:
 競争政策を議論していただきますから、その中で、方向性が出てくるのだと思います。今は、一応2006年の竹中懇、骨太の方針で、一応方針が出ていますね。その方針が今の時代に合うのか、あるいはもっと更に競争政策を進めるのか、その辺はこれから御議論を頂くところだと思います。

暫定税率の廃止

問:
 大臣、昨日始まった政府税調に絡んで、暫定税率の廃止に伴う地方の減収分、大変懸念があるところだと思うのですけれども。昨日、渡辺副大臣が、減収分は地方交付税で補てんすべきだという考え方を記者会見でおっしゃっておられます。大臣のお考えを聞かせてください。
答:
 そうですね。今日も閣僚懇で私の方からも問題提起をいたしました。暫定税率がなくなるとですね、地域の税収あるいは財源というところでいろいろな自治体に応じてでこぼこが起きます。凸凹というのは、これは別に代替財源ではないですけど、私たちは直轄事業の負担金、これをやめますよということを言っているわけです。で、直轄事業負担金をやめたとしてもですね、直轄事業負担金を直接そこに関係のない自治体について、あるいは交付税といっても不交付団体もございますから、それぞれの地域に応じた措置、大きな不利益を被らないような措置を考えるようにということで、前の会見で、私、申し上げたかと思いますが、もう指示をしてありますので、その結果を実践していきたいと、そう考えています。交付税だけでを考えてるわけではないです。渡辺副大臣は、その中の1つの選択肢を言ったのだと思います。

放送と通信の融合法制

問:
 放送と通信の法律をまとめる、いわゆる情報通信法というものをずっと政府でやってきて、来年の通常国会に出すということを言っていますけれども、その方針に変更はないのかということと、その法案の中身について、あれもともと2006年のところから発しているのですけれども、十分なのかどうか、大臣の御見解を。
答:
 ええ、今おっしゃるように、先ほどの話と同じですけれども、おっしゃるのは前の、しかも、約4年前のもので、かなり私どもとしたならば、通信と放送の融合法制についても、通信で一番大事なものはなんなのか、放送で一番大事なものはなんなのか、あるいは今の経済情勢がどうなのか、そういったことも加えて少し検討しなければいけないと考えています。法制自体を先送りするとか、そういうことを言っているのではなくて、その中身については、前の競争政策が考えていたことよりも更にもっと競争を促進し、あるいは国民の権利を保障するという視点がないのかということを私自身、問題意識として持っています。それも検討を指示しているところでございます。
問:
 ということは、提出するという方針は変えないけれども、その中身についていじる可能性はあると。
答:
 そうですね。提出を先送りするということは今決めているわけではありません。

地方分権(2)

問:
 地域主権戦略局のようなものということなのですが、それは国と地方の協議の場も新たに作られると思うのですけれど、そことの関係はどういうイメージをされているのでしょうか。
答:
 国家戦略局、今、さっきお話があったように、審議会があってそれを政府が受けて、そして政府が、審議会が受けてきたことを、言葉が過ぎるかもしれませんけれども、まあそんなものもありますよと言って棚に飾っていたと、そういうやり方はしませんよと。私たちが積極的にその中に実戦部隊として入っていくという考え方で、国・地方の協議の場をどのように設けるかということも国家戦略局の中でも御議論頂いているので、そこと密接に議論をして進めていきたいと思っています。まだ具体的なイメージがあるわけではなくて、どんな組織にされますかって、さっきおっしゃったので、それは審議会方式というよりも、私たちが直接かかわっていく、政治家が入った形の方がいいのではないかという議論を今しているということでございます。

国会答弁

問:
 すみません、それと別件ですけれど、与党が国会の答弁で、法制局の長官ですとか、閣僚の答弁を禁止すると言っているのですけれども、これをどう思うかということと、専門性の高い分野について、一切禁止してしまうと、与党側も困るのではないか、政府側も困るのではないかという声もあるのですが、その辺はどうでしょうか。
答:
 政治主導でやるということは、政治家同士の議論をやると。これは、私まだ野党時代に、あれはテロ対策特別委員会だったと思いますが、当時の大臣が石破大臣で、私が野党の方の筆頭理事をしていたときに、約2時間ぐらい、政治家同士の議論をいたしました。私はそれが大事だということを今の政府は言っているというふうに認識をしています。細かい数字の議論であるとか、あるいは事実関係のことを大臣が答える、必ずしもその必要はないかも分からない。しかしそういったことも頭に入れながら、政治家同士がダイナミックな議論を国民の不断の監視の中で、不断の注視の中で繰り広げていくということが大事ですよと、今までは法律の解釈も、実質的に内閣法制局といったものが出てきてですね、そして、ではその人たちはどのような責任が取れるのだろうかという御議論がありましたけれども、政治主導ということは、政治がやはり責任をとっていく、そして今度野党となられたかたがた、あるいはほかの野党の方々、あるいは与党のかたがたとも、政治の言葉でより分かりやすくダイナミックに議論を進めていきたいということを表明している。そのことだと思います。
 あと、細かなバージョンで、あれをしちゃいかん、これをしちゃいかんという、自らを縛る必要は全くないと思います。

地方分権(3)

問:
 今の分権委員会をバージョンアップした新組織、地域主権戦略局ということについて2点なのですが、一つは来年3月の分権委の任期切れ後の来年4月からの発足という認識でいいのかということと、もう1点はその新組織は今までのような期間限定の審議会形式になるのか、それとも常設の行政機関になるのか、8条機関なのか3条機関なのかというところですが、そこはどういうイメージでしょうか。
答:
 前半の御質問に答えるとすると、もう来年の4月を待たないで立ち上げられればと思っています。分権改革推進委員会が10月にも最終の4次勧告を出すとおっしゃっていて、これはまた御相談ですけれども、そこで一つの区切りというような印象を、昨日丹羽委員長ともお話をさせていただいて私も感じました。その区切りということからすると、早急に立ち上げて、来年の4月以降ということではなくてやるべきではないかと。
 それから、審議会方式をまだ全部捨てたわけではないですけれども、しかし、私たちの鳩山政権らしさと言えば政治主導ですから、今の後段のお答えでいくと、審議会方式でなくて、むしろ常設の、私たちが引っ張っていく。今、政務3役で様々な発議をして実践に移しているのと同じような、そういうものであった方がいいのではないかと、今の感触だけで言わせていただくと、そう考えています。またほかの皆さんとも議論を詰めたいと思いますが、審議会方式自体が全部私は悪いというつもりはないですけれども、スピードが遅いですね。その遅さで、この日本の国が、あるいは国民の生活がもつのかと思うと、私は絶対そうではないと思いますので、スピード感を持ってダイナミズムをつけるためにも今の二つの選択肢で言うと後者の方がいいのではないかと、そう思っています。

郵政改革(2)

問:
 大臣、すみません。昨日のインタビューで、郵政改革について、民間企業のいいところを生かして、市場にさらすべきだということをおっしゃっていたのですけども、これは将来的には上場させるというイメージでよろしいでしょうか。
答:
 そうですね。これも亀井大臣のところで御議論頂くことだと思いますけれども、公社を民営化会社にしたということは、要するに市場の判断を、あるいは市場のチェックをしっかりと受けていく部分というものを生かすということも入っていたと思いますので、それは株式の割合をどこまでとるかというのは、亀井大臣のところで御議論頂くことですけれども、官から民に、それから官から市場のチェックに、あるいは中央から地方にということは、元々、私たち、民主党ができたときに立てた3つの大きな柱ですので、そのところも勘案をした企画が出てくることを希望しています。

地方分権(4)

問:
 関連で地域主権改革、4月を待たずにということなのですが、そうすると通常国会に基本法なりを提出すると、かなり時間的にタイトな感じがするのですが。
答:
 タイトです。ええタイトです。
問:
 どのような予定で。
答:
 4月までにその組織がずっと存続していれば、先ほどのような議論になるのでしょうけれども、先ほどお答えしたように、一応この10月で区切りをおつけになりたいというような御意向を感じましたので、そこもう1回確認しなくてはいけませんけれども、ズルズルと空白のままやっておくというのは、私たち、許されるのかなと思っています。

電子政府

問:
 電子政府についての大臣のお考えと、あと、電子政府の推進も含め、IT戦略本部のICTの利活用などの提言された策については、今後の予算編成も控えていますけれども、これを踏まえて、やっていくのか、やはり前政権のということで、一から見直すということか、いかがでしょうか。
答:
 ICTの電子政府に対する利活用というのは極端に多くの課題を残しているという認識を持っています。レセプトやいろいろな問題が指摘をされていますけれども、各省各般にわたる分野においてですね、更なる電子化を進めていくということは、国民の利便にも大きく寄与することですし、もっと言うと無駄な税金を無くし、そして公平公正で安心・安全な社会を作るという意味でも大変重要だと思います。それで、おっしゃった、前の政府が出してきたことをどうするかというとですね、これも今回の地方主権改革と同じで、やはりいいところはちゃんと取り入れて実践をするようにしたいと思っています。これも野党時代ですけれども、麻生さんが当時の首相になる前の麻生総理が会長になられて、議連をお作りになりました。幹事長が今の鳩山総理でございました。そういう中でもいろいろな合意をしてきた、議連の方でも御議論があったというふうに承知していますので、そういうところをしっかりとこの政府でも生かしていきたいと、こう考えています。

問:
 よろしいでしょうか。ありがとうございました。
答:
 ありがとうございました。

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