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会見発言記事

第46回国家公務員合同初任研修開講式における川端総務大臣訓示

平成24年4月4日

訓示内容

 総務大臣の川端達夫です。
 本日、第四十六回国家公務員の合同初任研修が開講されるに当たり、国家公務員としての第一歩を踏み出された皆さんに、一言申し上げます。

 この度の研修は、本年度に採用されたI種職員六百三十四名が一堂に会し、日本国の公務員であるという自覚を持ってもらうために、企画をされたものであります。二泊三日という大変短い研修でありますけれども、各界有識者による講演、皆さんの先輩職員を交えた意見交換会など、内容の充実した研修となっています。成果が実り多いものでありますように、積極的な姿勢で取り組んでいただきますように、お願いをいたします。
 また、同じ志を持つ仲間として、ここに一同皆さんは、同期として入られました。寝食を共にする二泊三日であります。どうか、お互いの交流も大いに深めていただき、おそらく長い間のお付き合いをすることになると思います。大事な絆をつくっていただきたいと思います。

 皆さんが国家公務員として新たなスタートを切る今年は、言うまでもなく東日本大震災の復興元年であります。日本再生の年でもあります。まもなく被災地の桜も咲き出すと思いますが、我が国の経済・社会が本当の春を迎えるには、まだ多くの困難があると思います。まさにこうした国難ともいえることを乗り越えて、新しく日本の国をつくる、その中核に皆さんは一員として参画をされることになります。国家公務員に対する期待はその意味では大変大きいし、責任も重いと思います。皆さんが選ばれた国家公務員という仕事を担われるにあたり、皆さんに対し、三つお願いをしたいと思います。

 一つは、「初心を忘れないで欲しい」ということです。
 この道を選ぶにあたり、いろんな選択の中で、自分の適正、能力、志や、やりたいこと、いろんな思いの中で選ばれたと思います。今日まさに、そのスタートに立って、決意も新たにしておられると思います。これから長い公務員人生、いろんなことがあると思います。そのときに、今日この決意も新たにした、そして、一抹の不安は覚えながらも、大きな期待と夢を持っているこの瞬間をいつも思い出してほしい。
 今日、入ってこられるときに、皆さんは、桜の花が咲いているのをご覧になったと思います。毎年、全国で桜は咲きます。松尾芭蕉の句に、「さまざまなこと思い出す桜かな」という句があります。これから、人生いろんな場所で、いろんなときに、桜を見ると思います。そのときに、今日の、ここで見た桜をしっかり胸に刻んで、とりわけつらいとき、苦しいとき、悩むときに、研修で全国から集まって、あの桜を見たときの気持ちを思い出してほしい。これが一つ目のお願いであります。

 そして、二つ目は、「変化を恐れるな」ということであります。よく改革という言葉を口にするし、耳にすると思います。改革は、いつもやらなければいけない。今日は良い日だと、それは昨日まで努力し、頑張ってきたからだと思います。しかし、今日、昨日と同じやり方で頑張っても、今日と同じ明日はやってこない。いつも前向きに、変化を求めて、改革をし続けなければ、今と同じ明日さえやってこない。それが個々人の置かれている立場であり、日本の置かれている立場であります。非日常、非連続こそ改革だと言った人がいます。そんなことをやろうとしても、とてもじゃないが常識で考えられない。非日常ですね、非連続。そんなことをやったら今までと断絶したらどうするんだと、改革というときには、いつもこの悩みがついて回ります。
 しかし、あえて言えば、改革を望むならば、非日常、非連続を目指して、これからの我が国が、これからの世界が、そしてこれからの国民の生活が、どうありたいのか、そのためには、あえて非連続、非日常でも、果敢に挑戦しなければならない。そのことを、いろんな仕事に取り組むときに、しっかり胸に刻んでおいてほしいと思います。

 三点目は、「わかりやすく発信する努力を怠らないこと」。
 仕事をすれば、どんどん専門性がついてきます。そして、レベルも高くなると自分では思います。国家公務員は、シビルサーバントとして、国民のために仕事をしている。そのときに、国民の目線から見て、わからない言葉や、わからない理屈であっては何にもなりません。
 ブラックジョークで、政治家は、如何に何でもないことを大変難しいかの如く喋ることが求められている、と言われることがあります。これは、ブラックジョークです。如何に難しいことを、如何にわかりやすく発信できるのか、話ができるのか、説明できるのか、説得できるのか。それが国家公務員にいつも求められていて、逆に今まで、ややその能力に欠けるのではないかと言われてきたことです。皆さんはまさに若い世代です。今の若い感性をもって、決して今までの国家公務員のパターン、殻に閉じこもることなく、わかりやすい発信をと、いつもこれを頭の片隅に置いてほしいと思います。

 難しいことをわかりやすく伝えることは、口では簡単ですが、なかなか難しいことです。私が先ほど申し上げた三つのこと、初心を忘れず、変化を恐れず、難しいこともわかりやすく発信できるように、これからの公務員人生を過ごしていただきたいと思います。

 この研修を通じて培った人脈、得た知識、これがどのように役に立つかいろいろ評価もあると思いますが、間違いなく、今日から始まった国家公務員としての仕事、その礎になる研修であることを確信しております。皆さん方にとって、この二泊三日が、これからの仕事の大きなスタートとしての、心に残る研修であることを期待いたしまして、これから国家・国民のために、大きく活躍されることを心からご期待申し上げて、私からのご挨拶に代えたいと思います。頑張ってください。

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