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会見発言記事

鳩山総務大臣閣議後記者会見の概要

平成21年4月10日

冒頭発言

 おはようございます。閣議では、閣僚懇談会に移ったときに、私から、ヤミ専従の問題は、各大臣から厳しく昨年行った調査の再点検を、この間もお願いしましたが、どうぞよろしくお願いしますと。5月になりますと、もう少し条件を厳しくした再調査を行っていただくことになりますけれども、とりあえず昨年の、いわゆるあれも点検なのですけれど、ヤミ専従の。あるかどうかという調査をしてもらっていますからね。それが、ごまかしがあったことが判明している以上は、各府省徹底して厳しく命じていただきたいとお願いしました。
 それからですね、かんぽ生命のことなのですが、推定値で80万件という支払いの問題。これはですね、大変残念。私は郵政文化というものは、国民の絶対の信頼の上に明治以来の歴史と伝統が形作ったものだと、こう申し上げている以上は、この問題は絶対に解決をしなければならないと。これは少なくとも郵政公社になってからのもの、平成15年から19年の4年半くらいの分でしょうか。1,250万件という話があって、これはいろいろ私も更に説明を聞きますが、何度も報告徴求はしているわけでございまして、5千万人のお客さんがおられるわけではなくて、5千万件の契約数があると。一人が幾つかの保険に入っておられると、養老保険だけでなくて、いろいろほかにもありますから。
 1,250万件ある中で、既に何度も報告徴求を、私ではなくて、前の大臣たちがやっておりまして。問題はですね、既に支払いを行った保険金に関して、支払い不足になっている事案があるのではないかということで、これが民間の生損保で保険金不払い事件、事件というのか、があって、私はそれの改善をするために法務大臣時代、保険法の改正、保険業法ではありません。保険法の改正をやっているわけですね。つまり保険契約者や、被保険者や、受取人に比較的有利になるような法改正をしたわけですね。例えば、「昔、あなたは病気だと言わなかったじゃないか。」と。「だって、私にあなたは病気のことを聞かなかったじゃないか。」というようなことで、尋ねられたことだけ、答えればいいというふうに法改正したりしておりますが、それと同じようなことが起きていたかどうかは、まだ私はつまびらかにしておりません。
 ただですね、入院証明書のイメージ化、データ入力をするということで、1,250万件のうち、86.4%は入力をし、それを機械による点検をして、その分はコンピューターで、いわゆる突合というのでしょうか。突き合わせをして終わっているものは、そのうちの67.2%、つまり240万件はですね、いろいろデータはあるのだけれども、突き合わせてみて、ぴたっとまだこない。それを240万件は、人間の目視で1つずつ点検しなくてはならないということで、その問題は平成20年の10月からですから、去年の10月から順次開始をしております。ただですね、1,250万件のうち、13.6%に当たる170万件ほどはまだ入力できておりませんから、これは入力を急ぐということでございます。ですから、かんぽ生命、保険社員やあるいは派遣社員も使ってですね、この240万件の突き合わせをもう懸命にやらせるということ、これは全力でやらせることは、私がお約束します。
 ただ、もう1つの問題は、保険金失効還付金等に対する未請求の事案があるのではないかと。つまり未請求ですから、当然お支払いしてない。お客様からの速やかな支払い請求をしていただくために、こちらの方からも働きかけますが、ぜひかんぽ生命に入っておられる方々の御協力をお願いしたい。未請求だから支払ってないと、こちらの方からもできるだけ丁寧な対応で請求してくださいというふうにしようと思っているのですが、例えば10年満期の養老保険に加入した契約者が、毎月の保険料の支払いを忘れておられて契約が失効していると、失効還付金が受け取れる旨の通知は送付したけれども、お客様から受け取りにみえないというようなケースがかなりあるかもしれません。その場合はですね、失効還付金の未請求事案でございますので、再度、失効還付金が受け取れますよということを、こちらの方から連絡をして、説明してですね、支払うようにしたいと。
 これはぜひ加入しておられた方の協力がないと。それは「取りにきてください。請求してください。」と言って、請求していただかなければなりません。それから養老保険に加入していた契約者が契約の存在を失念しておりまして、満期を迎えたにもかかわらず、保険金を請求しにみえないというケースがございます。これもこちらから再度連絡して、「あなた、保険金、受け取れるのですから、どうぞ請求してください。」というふうに連絡をします。
ただ、この場合ですね、問題が1つあるのは、その間に住所変更していますと、こちらから再度連絡しても連絡がつかない。住所変更の届出か何か、こちらも把握してない。このケースが困難になる可能性があります。これはとにかくかんぽ生命としては全力を尽くして探すということですね。住所変更しておられたら、追跡して、できる限り「請求権があるのですよ。」というところの通知をですね、送れるように頑張らなくてはならないと、こんなふうに考えております。
 1,250万件の件は、これは全力でやっていきますから。私は成果を上げなくてはなりませんから。どんなことがあっても、これはきちんとさせますので、御安心をいただきたいと。ただ先ほど申し上げたように、満期になっても請求していただいていない方、あるいは失効還付金を請求しておられない方については、これはもうぜひですね、加入者の皆さんに御協力を願いたい、こう思っております。
 郵政公社以前の、郵政省、郵政事業庁時代の事柄の書類がうんぬんということでございますが、これは報道については知っておりますが、私はまだ詳細、確認しておりませんので、また社会保険庁の紙台帳みたいな話になると嫌なのですが、とにかくかんぽ生命が国民の信頼を失うことがないように、全力を私も尽くすし、全力を尽くさせます。ただ事実確認がまだできてないものがありますので、今日はあまり多くをお答えできません。
 いわゆる報告徴求は何度もしております。平成19年5月14日、10月1日、20年4月2日、8月5日と、報告徴求をして、どうなっている、どうなっていると、1,250万件あるけど、どうなっているかということで、これは事務方から説明をさせますが、報告徴求いたしております。私になってからまだ報告徴求しておりませんが。これは平成21年3月末までの状況を今年の5月末までに報告させるということになっていますから、それがどう進んでいくか。その内容は十分に精査しなくてはなりません。少なくとも、郵政公社になってからのものであるならば、記録が失われてうんぬんという問題は、基本的にはないはずでございますので、これはもう信頼回復のために、しりをたたくのが私の役割だと思っていますから、これは何とかします。私の責任と思ってやります。ただ、公社以前のものについては、事実確認をしてからということで、何とも今は申し上げられないということでございます。

質疑応答

追加経済対策(1)

問:
 今日、政府と与党で決める予定の追加経済対策についてです。総務省の関係で言うと、地デジ対応テレビの購入促進が入っていますが、これは仕組みがまだ固まっていない部分もあるようなので、具体的にはどういう仕組みを想定しているのかということと、公共事業の地方負担について、9割程度国が見るということも盛り込まれていますが、これについては、優先度の低い公共事業が進んでしまうような心配はないのかという点について、お願いいたします。
答:
 まず、地デジ対応ですが、これは率直に申し上げて、今日、基本の経済対策が決まるのだと思いますが、補正予算も組むのでしょう。そして、その国のお金を使うのであるならば、これは経済財政諮問会議でも言われているように、1つ、国民に分かりやすいメッセージであること、お金の使い方がですね。もう1つ、賢い使い方であること、wise spending。この2つの要素を、地デジ対応のためにお金を使うのは、その両方に当たると私は思います。そういう意味で、生活の厳しい方に対して、チューナーを配布するというのが、最大260万世帯になるでしょう。今年は60万世帯、百何十億円になります。そういうことは、2011年7月24日までに完了させますけれども、今、世帯普及率ですね、地デジ対応の受信機の世帯普及率が残念ながら58%を目標としていたものが、49.1%しかない。しかも49.1%の中には、地デジ対応受信機でないものも含まれている。チューナーでというものも含めて。ですから、できる限り将来は皆さんが地デジの受信できるテレビ受信器を買っていただくということになりますから、これをwise spendingと考えて、また液晶、プラズマいろいろあると思いますが、地デジ対応を契機として、今、売り出されているテレビは、非常に環境対応型になっておりますから、したがって、総務省としても、テレビの普及・買換え促進策として、750億円くらいを、今、予定をしております。他省庁分と合わせて、このテレビの買換え促進、これで2,000億円くらいになるのではないか。今のところ、それはエコポイントの活用ということを考えております。従来あるエコポイントに上乗せを5%するとすれば、それが総務省負担分です。基本の5%は経済産業省、環境省の方で、リサイクルをしていただく場合に、さらに3%ということですから、全部で13%のエコポイントということを今のところ目標にいたしておりまして、上乗せ5%分で、総務省関係予算750億円と考えております。  それから追加経済対策でございますが、結局、直轄事業のことで、地方分権に反しているということをいつも申し上げておりますが、これは経済の活性化、景気回復、経済的浮揚のためという意味の非常に大きい経済対策並びに補正予算ということになれば、地方がしりごみするようなやり方は、やはりできない。地方は、もう既に平成21年度の予算を組んでいろいろ作業を進めているわけですね。そこで、「新たにこんな事業をどうですか。」とか、あるいは地方公共団体の方から、「やりたいのだけれど、お金がないから。」ということですと、なかなか進まないので、やはり地方の負担が限りなくゼロに近づく方法を採らなければならないということで、地方負担の9割程度を国が交付金で埋めてあげると。つまり、ある公共事業があるとする。半分が国の補助金、残り半分、50:50と。その地方負担の50の分を90%国の交付金で埋める。ということは、95が国のお金、5が地方のお金ということで、この残り5について補正予算債の発行を認めないと予算が組めないということもあるかもしれませんが。そういうことを考えますと、地方公共団体が喜んで協力できる、そういう財政措置を講じなくてはならないわけですが、今の御質問に答えるのは、非常に難しいですが、国が「こんなものはどうですか。」、いや地方が「やりたい。」というこのミスマッチがないようにしなくてはならないと。基本的には私は、地方が希望を出すべきだと思いますけれども。地方公共団体が「自分の自治体としては、これをやりたい。」というものを出して、それに対して国が補助金を出し、それにいわゆる補助裏といわれているものについて、その9割を交付金でみる。それこそ、公共事業は景気浮揚にはなりますが、無駄な公共事業は絶対あってはなりませんからね。やはり優先度の高いものを地方が選んだ方がいいのではないでしょうか。私もですね、例えば地元におりまして、会合から会合に移りますね。そうすると東合川野伏間線の優先度が高いと言っているわけですが、確かにそこで引っ掛かるわけですよ。そこで引っ掛かって、会合に間に合わないということがあるわけです。これが通っていたらと思う、地方の道路ですが、これは地方に住んでいないと分からないのではないかと思います。地域、地方自治体の声を最優先で受け入れるという方向。そのためにも、95%は出してあげますということが、確定していないと「やりたいのだけれど、うちは金がないから。」というふうになるおそれがあります。

簡易保険生命

問:
 先ほどお話しいただいた、簡易保険の未払いの件で質問なのですけれども、今回の問題は公社時代の契約に未払いがあるということだと思うのですが、そうすると一義的には郵便貯金・簡易生命保険管理機構に責任があるということになると思うのです。民営化したかんぽ生命には、何らかの責任があるとか、何か命令をするとかということを考えていらっしゃるのかということが1つと、もう1つ、がん保険の発売に向けた政令改正要望をされていると思うのですが、この件については何か影響があるのかという、この2点について教えてください。
答:
 おっしゃることは全く正しいので、国が保証していた旧契約、もちろん実質は全部かんぽ生命の方が預かって、これは受託してやっていることになるのだと思いますけれど。郵便貯金・簡易生命保険管理機構はですね、旧契約の分。しかし、国民から見れば一緒ですよ。国民がそれを区別できませんから、私はかんぽ生命と言ったのですけれども、正確には、最終責任は郵便貯金・簡易生命保険管理機構ですね、公社時代の契約ですから。今では独立行政法人という形ですね。つまり、郵政公社であったときのものだから。今のかんぽ生命は、新しく民営化後のものを独自でやっているわけでしょうけれども、実際には全部業務委託してありますから、かんぽ生命がやっている。正確には責任というのは、独立行政法人の方にありますけれども、しかし、それは国民にとっては、どっちに責任があるからといって、独立行政法人の方に文句を言うのか、かんぽ生命に文句を言うのかというのは、国民にそのような区別を押しつけてはいけない。国民にとっては一緒ですから、広い意味でのかんぽ生命で、これは処理しなくてはならないと思っております。  がん保険については、なかなかきつい質問ですが、私はそれと別にですね、がん保険は販売できるようにしたい。1,000万円というものとは別枠を設定して。民営化してその辺は自由度が増したわけですから、それはやってもらいたいし、それは応援をします。片方でしりをたたいて、しりをたたくといっても、厳密には郵便貯金・簡易生命保険管理機構のしりをたたくことになるかもしれないが、それはかんぽ生命でやっていることですから。かんぽ生命のしりをたたき、片方では新しい業務を応援するというのが、私の立場だと思います。

追加経済対策(2)

問:
 先ほどの地デジのところなのですが、これは購入の時に1人1台とか、1世帯1台とか、特に限定というものはあるのでしょうか。
答:
 いい質問ですが、これは世帯普及率というけれども、昨日も質問が出ていましたね、世帯でもテレビが何台もあって、結局つないでいなくて、見られないテレビが一杯あるのではないかと、アナログのね。そういうこともありまして、これは調整して、これから考えていきたい。ただ、エコポイントという考え方をした場合に、台数制限をするのは、私はいかがかなと私は思いますが。まだ調整中らしいけれども、私の意見を言ってしまえば、台数制限というのは変ではないかなと。
問:
 ほか、よろしいですか。
答:
 どうもありがとうございました。
                             

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