総務省トップ > 広報・報道 > 報道資料一覧 > 第17回 日ASEANサイバーセキュリティ政策会議の結果

報道資料

令和6年10月21日
総務省
内閣官房内閣サイバーセキュリティセンター
経済産業省
 

第17回 日ASEANサイバーセキュリティ政策会議の結果

   令和6年10月18日(金)に「日ASEANサイバーセキュリティ政策会議」(以下「政策会議」という)が開催されました。
   政策会議は、サイバーセキュリティ分野における我が国とASEAN諸国との国際的な連携・取組を強化することを目的として、平成21(2009)年以降、およそ一年に一度開催されているものです。
   第17回の開催となる本年の政策会議では、この一年間の各国のサイバーセキュリティ政策について意見交換し、より高度で洗練化された攻撃の脅威に直面している現況等を共有したほか、サイバー演習、重要インフラ防護ワークショップ、能力構築、産官学連携、共同意識啓発などの協力活動を確認し、今後の更なる協力活動の在り方についても議論を行いました。
   その結果、日ASEANの各種の協力活動の更なる推進を確認するとともに、官民含めて今後の日ASEAN間の連携を一層強化することについて合意されました。

1 日時等

日時・場所 : 令和6年10月18日(金) 於:シンガポール
主 催        :内閣官房(内閣サイバーセキュリティセンター)、総務省、経済産業省
議 長 国    :日本(見澤將林 東京大学公共政策大学院客員教授)及びシンガポール(プア・プエイ・リー サイバーセ
                 キュリティ庁 長官補(政策・企業開発))
基調講演   :篠田陽一(内閣サイバーセキュリティセンター サイバーセキュリティ参与)
出 席 者    :ASEAN加盟国のサイバーセキュリティ関係省庁及び情報通信関係省庁、ASEAN事務局、我が国の内閣
                 官房・総務省・外務省・経済産業省
 

2 主な成果

   昨年10月に東京にて開催された第16回会合において合意された協力活動(リファレンス(便覧)、インシデント相互通知、サイバー演習、重要インフラ防護ワークショップ、意識啓発、能力構築及び産官学連携)について、活動結果を確認するとともに、今後の日ASEANの連携・協力についての検討を行いました。主な内容は以下のとおりです。

(1)日ASEANサイバーセキュリティリファレンス(便覧)の策定
    ASEAN加盟国及び日本のサイバーセキュリティに関する最新の取組状況を整理したリファレンス(便覧)の2024
  年版の策定結果が報告されるとともに、2025年版の策定方針について承認されました。

(2)情報共有体制の強化及びサイバーインシデント発生時の対処体制の強化
    日ASEANにおける情報共有を促進するために、他国におけるインシデントを検知した際の相互通知を含むサイ
  バー関連情報の共有手順や共有すべき情報の種類、標準フォーマット等にする検討結果が報告され、サイバー脅
      威情報などの情報共有の枠組の更なる改善、促進に向けた議論を行いました。

(3)サイバーインシデントの対処能力強化や政策課題の解決を目的とした演習の推進
    日常的な情報共有を含むASEANと日本とのサイバー連携強化を目的とした情報連絡演習及び机上演習の実施
      方針に関する検討結果が報告され、2025年より新方針による演習を実施することが承認されました。
    情報連絡演習は、日ASEANの情報共有に関する標準運用手順書(Standard Operating Procedure)に基づき、
      より高度で洗練化されたサイバー攻撃による大規模インシデント発生を擬似した演習シナリオを用いて日ASEAN間
      の情報連絡のスキルアップを目指す方針とし、机上演習は、情報連絡演習の振り返りと、AI等のデジタル技術の
      発展に伴う政策準備を想定した演習を実施する方針とされました。

(4)重要インフラ防護に関する取組の推進
    本年8月に大阪にて開催した「重要インフラ防護ワークショップ」の実施結果が報告されました。本年は、「サイ
      バー危機下での重要インフラ防護、OTセキュリティ」の2つテーマに基づき、7名のスピーカーが、重要インフラ防護
      に関する標準化や研究開発の動向、サイバー危機下における各国の重要インフラ防護に関する取組状況等につい
      て情報交換を行ったことが報告されました。加えて、次年度のテーマについても議論が交わされました。

(5)サイバーセキュリティに関する能力構築における協力の推進
    タイ及びシンガポールから能力構築における研修に関して報告されました。また、日本からは、サイバー分野の
   能力構築(人材育成)事業の実施状況や国際機関との協力等について次のとおり報告しました。
    総務省からは、日ASEANサイバーセキュリティ能力構築センター(AJCCBC)等における研修、ワークショップの
      実施状況や今後の計画について報告しました。経済産業省からは、11月中旬に東京で開催が予定されている、産
   業制御システム(ICS: Industrial Control System)に関するハンズオントレーニングやセミナーを含む「インド太平洋
   地域向け日米EU 産業制御システムサイバーセキュリティウィーク」について報告しました。外務省からは、世界銀
   行「サイバーセキュリティ・マルチドナー信託基金」との協力や、JICAを通じた支援について説明されました。

(6)共同意識啓発の推進
    昨年に引き続き開催した学生を対象としたサイバーセキュリティに関する意識啓発のためのビデオコンペティショ
  ンについて、ASEAN加盟国及び日本がそれぞれ作成したビデオが披露され、審査結果の発表及び表彰式が実施さ
     れました。また、ビデオ作品の利活用方法や、今後の意識啓発の取組方針について議論されました。

(7)産官学連携の推進
    ASEAN地域全体の重要インフラ等を含むサイバーセキュリティ能力の向上を目指すための産官学連携の取組状
      況が報告され、特に、日ASEANの民間のサイバーセキュリティ団体が連携のため覚書を締結し立ち上がった
      ASEAN Japan Cybersecurity Community Alliance(AJCCA)の活動、産官連携、官学連携等について報告され、今
      後の日ASEAN間の官民・官学の一層の連携強化の必要性について確認されました。
 

3 今後の予定

   第18回政策会議は、来年10月頃に東京にて開催予定です。
連絡先
内閣官房内閣サイバーセキュリティセンター
担当:佐々木企画官、横田補佐
電話:03-6277-7071
総務省サイバーセキュリティ統括官室
担当: 道方企画官、吉岡補佐、岡本専門職、佐倉官
電話:03-5253-5749
経済産業省商務情報政策局サイバーセキュリティ課
担当: 金田企画官、前田補佐、木村係長
電話:03-3501-1253

ページトップへ戻る