1 政令の趣旨
○ 特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律(平成8年法律第85 号。以下「法」という。)は、行政上の権利利益の満了日の延長等に関する各種の特別措置を政令で定めることにより、災害時にこれらの措置を迅速に発動できるようにしたものであり、著しく異常かつ激甚な非常災害のうちそれらの措置を講ずることが必要と認められる非常災害(特定非常災害)について適用されるもの。
○ 今回の令和8年熊本地震においては、人的被害、住家被害の程度が多数であるとともに、未だ多くの被災者の皆様が避難生活を余儀なくされ、被災地域全体の日常生活や業務環境に多大な支障が生じている状況にあり、かつ、その復旧・復興には時間を要することが見込まれるところ。
○ この度、「令和8年熊本地震による災害」について特定非常災害として指定するとともに、行政上の権利利益の満了日の延長等を行うことにより、被災者の権利利益の保全等を図ろうとするもの。
2 政令の概要
(1)令和8年熊本地震による災害を特定非常災害として指定する。(法第2条、政令第1条)
(2)この特定非常災害に対し、次に掲げる措置を適用する。(法第2条、政令第2条)
i) 行政上の権利利益の満了日の延長(法第3条、政令第3条)
特定非常災害の被害者が、運転免許証のような有効期間がある許認可等の行政上の権利利益について、更新等のために必要な手続をとれない場合があることを考慮して、許認可等に係る有効期間を令和9年1月27日まで延長することができること。
※ 延長措置を講ずる具体的な行政上の権利利益、地域、対象者及び延長後の満了日は、可能な限り速やかに各府省等の告示により別途指定(指定された内容は、総務省において取りまとめ、WEB サイト等において公表予定)。
ii) 期限内に履行されなかった行政上の義務の履行の免責(法第4条、政令第4条)
事業報告書の提出、薬局の休廃止等の届出のような履行期限のある法令上の義務が、特定非常災害により本来の履行期限までに履行されなかった場合であっても令和8年11月27日までに履行された場合には、行政上及び刑事上の責任を問われないとすること。
iii) 法人の破産手続開始の決定の特例(法第5条、政令第5条)
特定非常災害により債務超過となった法人に対しては、債権者から破産手続開始の申立てがされたとしても、支払不能等の場合を除き、令和10年7月27日までは破産手続開始の決定をすることができないこと。
iv) 相続の承認又は放棄をすべき期間の特例(法第6条、政令第6条)
特定非常災害発生日(令和8年7月28日)において、令和8年熊本地震に際し災害救助法が適用された区域に住所を有していた相続人については、相続の承認又は放棄をすべき期間を令和9年3月31日まで伸長すること。
v) 民事調停法による調停の申立ての手数料の特例(法第7条、政令第7条)
特定非常災害発生日において、令和8年熊本地震に際し災害救助法が適用された区域に住所等を有していた方が、今般の災害に起因する民事に関する紛争について、令和11年6月30日までの間に民事調停法による調停の申立てをする場合には、申立手数料を不要とすること。
3 スケジュール
○ 令和8年8月7日(金) 閣議決定
○ 同日 公布・施行
〈別添〉
令和8年熊本地震による災害についての特定非常災害及びこれに対し適用すべき措置の指定に関する政令