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報道資料

平成23年8月24日

災害時には「災害用伝言サービス」やメールを御活用ください

 地震などの災害発生時には、音声通話が集中し、電話がつながりにくくなります。東日本大震災発生の直後も、携帯電話事業者によっては平常時の50〜60倍以上の通話が一時的に集中するなど、長時間にわたり電話が非常につながりにくい状態となりました。
 このため、大規模災害時などには、「災害用伝言サービス」や比較的つながりやすいメール等を活用していただくとともに、電話をかける場合には手短な通話を心がけたり、不要不急な電話やリダイヤルを控えたりしていただくなどして、被災地での緊急を要する電話がスムーズに利用できるよう、御協力をお願いします。
 また、総務省としても通信事業者と連携して、より使いやすく、よりつながりやすい「災害用伝言サービス」や携帯電話の音声メッセージのファイル化サービスの導入等を推進してまいります。

【東日本大震災時の通信状態】

1 地震などの災害発生時は、被災地への音声通話の集中等により通信回線が大変混雑し、電話がつながりにくい状態(輻輳(ふくそう))になります。この輻輳は、通信ネットワークの処理能力を超えた音声通話が一時的に集中することにより発生します。
 本年3月11日の東日本大震災の直後も、こうした輻輳状態が発生(図参照)し、携帯電話事業者によっては最大で平常時の50〜60倍以上の通話が一時的に集中するなど、電話が非常につながりにくい状態が続きました。

2 このため通信事業者は、警察・消防への緊急通報(110番、119番)や国民の生命・財産の保護のために行われる緊急性の高い災害対策機関の音声通話を確保等するために、固定電話で最大80%〜90%、携帯電話では最大70%〜95%の通信規制を実施しました。
 固定電話(NTT東日本管内)の通信規制は比較的短時間で解除されましたが、携帯電話の通信規制は断続的に数日間にわたり実施されました(図参照)。この要因としては、過去の大規模災害時と比べて携帯電話の利用者が大幅に増加したことや、安否確認等を行う手段として携帯電話の音声通話を利用する方が非常に多かったことが考えられます。

3 一方、携帯電話におけるメールなどのパケット通信では、通信規制が行われなかったか、又は通信規制を実施した通信事業者であってもその割合は最大30%かつ一時的であったため、携帯電話の音声通話と比べると、メール等パケット通信の方がつながりやすい状況にありました(ただし、送信したメールの到達時間については、メールサーバの輻輳により通常よりも時間を要する状況にありました。)。

4 また、今回の震災時には、長時間にわたる停電の発生や計画停電により固定電話などの電気通信サービスが利用できない状況も生じました。
東北地域における輻輳発生と通信規制の例 発信ピーク時において、通信規制率から換算すると、最大50〜60倍以上のトラヒック(発信)が発生したと推定される 出典:大規模災害等緊急事態における通信確保の在り方に関する検討会ネットワークインフラWG第二回 配布資料より作成

【災害時における通信手段の活用について】

 大規模災害時においては、家族の安否を確認するための通話などが集中するため、電話はつながりにくくなります。こうした状況でも、家族の安否確認を行うための方法等を、以下のとおり紹介しますので、是非参考にして御活用ください。

1 災害用伝言サービスの活用

 通信事業者は、輻輳の影響を避けながら、家族や知人との間での安否確認や避難場所の連絡等をスムーズに行うことができるよう、固定電話・携帯電話・インターネットによって、3種類の「災害用伝言サービス」を提供しています。
 今回の震災においては、発生直後から「災害用伝言サービス」の運用が開始され、災害用伝言ダイヤル(171)は約346万件、災害用伝言板は約1362万件、災害用ブロードバンド伝言板(web171)は約33万件利用されました。
 これらサービスについては、防災週間(8月30日〜9月5日)に、体験サービスが提供されていますので、操作等について是非お試しください(利用方法は別紙参照。)。

○「災害用伝言ダイヤル(171)」
被災地の方が、加入電話、ISDN、公衆電話等から自宅の電話番号宛てに安否情報(伝言)を音声で録音(登録)し、全国から伝言を確認できます。 ○「災害用伝言板」
被災地の方が、携帯電話、PHSから、伝言を文字で登録し、携帯電話・PHS番号をもとにして全国から伝言を確認できます。 ○「災害用ブロードバンド伝言板(web171)」
被災地の方が、パソコン等から自宅の電話番号等宛てに伝言を文字・動画・静止画・音声で登録し、全国から伝言を確認できます。
 これらのサービスについては現在それぞれ単独で提供されていますが、総務省では通信事業者と連携して、「災害用伝言サービス」間の横断的な検索が可能となるように、検討を進めていきます。

2 音声通話以外の通信手段の活用

 災害時における安否確認のための通信手段としては、どの通信手段が早くつながるか分からない状況にあること、また、安否を肉声で伝えたい、聞きたいという思いから、結果として、日常的に利用している固定電話・携帯電話の音声通話に利用が集中しがちです。
 しかし、今回の震災における通信ネットワークの輻輳状態を踏まえると、メールの方が音声通話よりつながりやすい結果となっていますので、大規模災害時においては、各種の災害用伝言サービスやメールなど音声通話以外の通信手段の積極的な活用をお願いします。
 また、今回の震災ではインターネットを用いたインターネット電話(Skype等)や050IP電話、SNS等についてもつながりやすかった状況にありましたので、こうした手段の活用もお願いします。

 なお、携帯電話事業者は音声通話の輻輳対策として、音声メッセージを端末でファイル化してデータ通信網で送信するサービスを提供する予定であり、総務省では関係事業者間の相互接続が可能となるよう、各事業者と連携して検討を進めていきます。

3 停電時における家庭用固定電話機等の利用可否の確認

(1) 今回の震災において、長時間にわたる停電が生じたことや、その後の電力需給のひっ迫に伴い計画停電が実施されたことを契機に、御家庭で利用されている固定電話機やFAXの停電時における利用可否についての関心が高まっています。

(2) そこで、一般社団法人情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)及び社団法人電気通信事業者協会(TCA)においては、それぞれ、会員各社の家庭用固定電話機等の停電時における利用可否等や、停電時における固定電話サービスの利用について取りまとめ、以下のウェブページにおいて周知を行っています。
 ○「家庭用固定電話機等の停電時における利用可否等」
 ○「停電時における固定電話サービスの利用」(PDF)別ウィンドウで開きます

(3) 大規模災害時などの停電時において、警察・消防への緊急通報などの緊急を要する電話を行うためには、停電時においても利用可能な固定電話機等やUPSなどのバックアップ電源をあらかじめ準備しておくことが必要になる場合がありますので、上記HP等を参考としてください。
 大規模災害時においては、「災害用伝言サービス」を活用していただくとともに、電話をかける場合には手短な通話を心がけたり、不要不急な電話やリダイヤルを控えたりしていただくことや、また、音声通話以外の通信手段(メール等)を活用していただくことで、被災地での緊急を要する電話がスムーズに利用できるようになりますので、改めて皆様の御協力をお願いします。

(参考)
 東日本大震災以降、総務省や通信事業者からは、次のような電気通信サービスに関する情報提供を行っていますので、今後の参考にしてください。

○ 平成23年3月14日「停電の際の固定電話サービスの利用について」
○ 平成23年3月15日「チェーンメールを受け取った際は、転送は止めてください!」
○ 平成23年3月15日「義援金詐欺の悪質なメールにご注意ください!」
○ 平成23年3月16日「被災地からの着信について」(NTT東日本)
○ 平成23年3月18日「総務省の名をかたった不当料金請求メールにご注意ください!」
○ 平成23年4月27日「災害発生時の安否確認における「災害用伝言サービス」の活用」
連絡先
総合通信基盤局 電気通信技術システム課
担当:村田課長補佐、黒田係長、村井官
電話:(代表)03−5253−5111
    (内線)5862
    (直通)03−5253−5862
FAX:03−5253−5863

災害用伝言サービス利用方法

災害用伝言ダイヤル(171)の使い方

災害用伝言ダイヤル 伝言の登録方法 1.171にダイヤルします。 2.1をダイヤルします 3.ご自分の電話番号をダイヤルし、ガイダンスに従い録音してください 伝言の再生方法 1.171にダイヤルします。 2.2をダイヤルします 3.安否情報等を確認したい相手の電話番号をダイヤルします


災害用伝言板の使い方

災害用伝言板 伝言の記録は「登録」「メッセージ」「登録」と覚えてください。方法は次の通り 1 各通信会社のトップ画面にある「災害用伝言板」を選ぶ 2 災害用伝言板の画面が現れたら登録を選ぶ 3 メッセージしたい項目を選ぶ コメントも書き込めます 4 その画面でも登録を選ぶ 伝言の登録が完了。 伝言の確認は「確認」「電話番号」「検索」と覚えてください。方法は次の通り 1 各通信会社のトップ画面にある「災害用伝言板」を選ぶ 2 災害用伝言板の画面が現れたら確認を選ぶ 3 相手のケータイ電話番号を入力 4 その画面で検査うを選ぶ 伝言の検索結果が表示
出典:社団法人 電気通信事業者協会


災害用ブロードバンド伝言板(web171)の使い方

1 URL:https://www.web171.jp/へアクセスし、利用規約を確認後、「同意する」にチェックをして「次へ」ボタンをクリックする。

災害用ブロードバンド伝言板の画面

2 伝言を登録する電話番号を入力後、「OK」ボタンをクリックする。

災害用ブロードバンド伝言板の画面

3 伝言の登録者、伝言の登録を入力後、「伝言の登録」ボタンをクリックする。

災害用ブロードバンド伝言板の画面

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