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報道資料

平成24年8月29日

災害時には「災害用伝言サービス」やメールを御活用ください(平成24年8月29日)

 地震等の災害発生時には、音声通話が集中し、電話がつながりにくくなります。被災地での緊急を要する電話がスムーズに利用できるよう、不要不急な電話やリダイヤルを控え、電話をかける場合には手短な通話を心がけていただきますようお願いいたします。

 あわせて、安否確認等の通信手段としては比較的つながりやすいパケット通信を利用した災害用伝言サービスやメール等を積極的に御活用くださいますようお願いいたします。

【新たに開始・拡充された災害用伝言サービス等】
  • 音声による安否確認等が可能となる「災害用音声お届けサービス」
  • 「災害用伝言板」と「災害用伝言板(web171)」の相互連携

 通信事業者と総務省は、より使いやすく、よりつながりやすい災害用伝言サービスの導入等を今後とも進めてまいります。

【東日本大震災時の通信状態】

1. 地震等の災害発生時は、被災地への音声通話の集中等により通信回線が大変混雑し、電話がつながりにくい状態(輻輳(ふくそう))になります。この輻輳は、通信ネットワークの処理能力を超えた音声通話が一時的に集中することにより発生します。
 平成23年3月11日の東日本大震災の直後も、こうした輻輳状態が発生(図参照)し、携帯電話事業者によっては最大で平常時の50〜60倍以上の通話が一時的に集中するなど、電話が非常につながりにくい状態が続きました。

2. このため通信事業者は、警察・消防等への緊急通報(110番、118番、119番)や国民の生命・財産の保護のために行われる緊急性の高い災害対策機関の音声通話を確保等するために、固定電話で最大80%〜90%、携帯電話では最大70%〜95%の通信規制を実施しました。
 固定電話の通信規制は比較的短時間で解除されましたが、携帯電話の通信規制は断続的に数日間にわたり実施されました。この要因としては、過去の大規模災害時と比べて携帯電話の利用者が大幅に増加したことや、安否確認等を行う手段として携帯電話の音声通話を利用する方が非常に多かったことが考えられます。

3.  一方、携帯電話におけるメール等のパケット通信では、通信規制が行われなかった、又は通信規制を実施した通信事業者であってもその割合は最大30%かつ一時的であったため、携帯電話の音声通話と比べると、メール等のパケット通信の方がつながりやすい状況にありました(ただし、送信したメールの到達時間については、メールサーバの輻輳により通常よりも時間を要する状況にありました。)。

4.  また、東日本大震災においては、長時間にわたる停電の発生や計画停電により固定電話等の電気通信サービスが利用できない状況も生じました。

【災害時における通信手段の活用について】

 大規模災害時においては、家族の安否を確認するための通話等が集中するため、電話はつながりにくくなります。こうした状況でも、家族の安否確認を行うための方法等を、以下のとおり紹介しますので、是非参考にして御活用ください。

1. 災害用伝言サービスの活用

 通信事業者は、輻輳の影響を避けながら、家族や知人との間での安否確認や避難場所の連絡等をスムーズに行うことができるよう、以下のような「災害用伝言サービス」等を提供しています。
 これらサービスについては、防災週間(8月30日〜9月5日)に、体験サービスが提供されていますので、操作等について是非お試しください(利用方法は別紙参照。)。

  • 「災害用伝言ダイヤル(171)」
    被災地の方が、加入電話、ISDN、公衆電話等から自宅の電話番号を入力して、安否情報(伝言)を音声で録音(登録)でき、全国から被災地の方の電話番号を入力して伝言を確認できます。
  • 「災害用伝言板」
    被災地の方が、携帯電話、PHSから、安否情報(伝言)を文字で登録でき、全国から被災地の方の携帯電話・PHS番号を入力して伝言を確認できます。
  • 「災害用伝言板(web171)」
    「災害用ブロードバンド伝言板(web171)」に新たな機能が追加され、8月30日より「災害用伝言板(web171)」として提供を開始します。パソコンやスマートフォン等から固定電話番号や携帯電話・PHS番号を入力して安否情報(伝言)の登録、確認を行うことができます。
    なお、「災害用伝言板」と「災害用伝言板(web171)」の連携により、それぞれの伝言板に登録された安否情報を横断的に検索可能となりました。その他の新たな機能等については以下の各社HPから御確認をお願いいたします。
  • 「災害用音声お届けサービス」
    専用アプリケーションをインストールしたスマートフォン等の対応端末から、同じ通信事業者の対応端末に音声メッセージを送信することができます。
    現在、NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクモバイルの各社でサービス提供が行われています。対応端末等については以下の各社HPから御確認をお願いいたします。   総務省では通信事業者と連携して、これら「災害用伝言サービス」等がより使いやすいものとなるように、今後も取り組んでまいります。
音声通話以外の通信手段の活用

(1)  災害時における安否確認のための通信手段としては、どの通信手段が早くつながるか分からない状況にあること、また、安否を肉声で伝えたい、聞きたいという思いから、結果として、日常的に利用している固定電話・携帯電話の音声通話に利用が集中しがちです。
しかし、東日本大震災における通信ネットワークの輻輳状態を踏まえると、メールの方が音声通話よりつながりやすい結果となっていますので、大規模災害時においては、パケット通信を利用する災害用伝言サービスやメール等の音声通話以外の通信手段の積極的な御活用をお願いいたします。

(2) 特に、本年3月以降に提供が開始された「災害用音声お届けサービス」は災害発生時に多くの音声発信により電話がつながりにくくなった際に、音声通信に代わってパケット通信により音声メッセージを同じ通信事業者の利用者に送信するサービスです。まだ、同じ事業者内の利用者同士のみでしか利用できないサービスですが、スマートフォンからアプリケーションを利用して送信する事ができますので、各社HP等を参考にして、いざという時に備え、アプリケーションをあらかじめダウンロードしておきましょう。
また、東日本大震災ではインターネット電話、SNS等についてもつながりやすかった状況にありましたので、こうした手段の御活用もお願いいたします。

(3)  一方で、長文の安否確認メールや大量の安否確認メールが、被災者の方々にとっては、携帯電話の電池の消耗等の観点から望ましくないという意見もありました。メール等で安否確認を行う際にも、不要不急なメール等の送信は控えたり、手短な文面を心がけたりするようにお願いいたします。

2. 音声通話以外の通信手段の活用

(1)  東日本大震災において、長時間にわたる停電が生じたことや、その後の電力需給のひっ迫に伴う計画停電が実施されたことを契機に、御家庭で利用されている固定電話機やFAXの停電時における利用可否についての関心が高まりました。

(2)  そこで、一般社団法人情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)及び社団法人電気通信事業者協会(TCA)においては、それぞれ、会員各社の家庭用固定電話機等の停電時における利用可否等や、停電時における固定電話サービスの利用について取りまとめ、以下のHPにおいて周知を行っています。

(3)  大規模災害時等の停電時において、警察・消防への緊急通報等の緊急を要する電話を行うためには、停電時においても利用可能な固定電話機等やUPS等のバックアップ電源をあらかじめ準備しておくことが必要になる場合がありますので、上記HP等を参考にしてください。

 大規模災害時においては、災害用伝言サービスを御活用していただくとともに、電話をかける場合やメール等で安否確認を行う際には、不要不急な連絡やリダイヤル、再送等を控えたり、手短な通話や文面を心がけたりしていただくことで、被災地での緊急を要する電話がスムーズに利用できるようになりますので、改めて皆様の御協力をお願いいたします。

(参考)

 東日本大震災以降、総務省や通信事業者からは、次のような電気通信サービスに関する情報提供を行っていますので、参考にしてください。

連絡先
総合通信基盤局 電気通信技術システム課
担当:村田課長補佐、山田係長、村井官
電話:(代表)03−5253−5111
    (直通)03−5253−5862
FAX:03−5253−5863

(別紙)災害用伝言サービス利用方法

災害用伝言ダイヤル(171)の使い方

伝言の登録方法 (1)「171」にダイヤルします。 (2)「1」をダイヤルします。 (3)ご自分の電話番号をダイヤルし、ガイダンスに従い録音してください。 伝言の再生方法 (1)「171」にダイヤルします。 (2)「2」をダイヤルします。 (3)安否情報等を確認したい相手の電話番号をダイヤルします。

災害用伝言板の使い方

「災害用伝言板」は、震度6度以上の地震など、大きな災害が発生した場合にスマートフォンのネット上に緊急開設されます。 伝言の登録方法 登録、メッセージ、登録の順と覚えてください。 (1)トップ画面の「災害用伝言板」(ドコモは「災害用安否確認」)を選ぶ。 (2)「災害用伝言板」の画面が現れたら、「登録」を選ぶ。 (3)メッセージしたい項目を選ぶ。(コメントも書き込めます。) (4)その画面でも「登録」を選ぶ。 (5)伝言の登録が完了。 伝言の確認方法 確認、電話番号、検索の順と覚えてください。 (1)トップ画面の「災害用伝言板」(ドコモは「災害用安否確認」)を選ぶ。 (2)「災害用伝言板」の画面が現れたら、「確認」を選ぶ。 (3)相手のケータイ電話番号を入力。 (4)その画面で「検索」を選ぶ。 (5)伝言の検索結果が表示。

出典:社団法人 電気通信事業者協会

災害用伝言板(web171)の使い方

 https://www.web171.jp/(NTT災害用伝言板(web171)のページ)別ウィンドウで開きますへアクセスし、登録する電話番号を入力し「伝言を登録する」ボタンまたは「伝言を確認する」ボタンをクリックする。

○「伝言を登録する」をクリックした場合

 氏名の入力、安否の選択及び伝言の入力(100文字以内)を行い、「伝言を登録する」ボタンをクリックする。

○「伝言を確認する」をクリックした場合

 表示された伝言を確認する。

災害用音声お届けサービスの使い方

○スマートフォンの場合の場合

 以下のアプリケーションを各社のアプリマーケットやGoogle Play(旧Android Market)、Apple Storeからダウンロードして下さい。

NTTドコモ 「災害用キット」
KDDI(au) 「au災害対策」
ソフトバンクモバイル 「災害用伝言板」

災害用音声お届けサービスの使い方(スマートフォンの場合) アプリからの送信 (1)災害用音声お届けサービスを選択 (2)メッセージ送信を選択 (3)電話番号を入力し、決定を選択 (4)録音を選択し、録音を開始 (5)録音を終了後、完了を選択 (6)送信を選択  アプリで受信 (1)受信を選択 (2)再生を選択 (3)音声ファイルのダウンロード (4)ダウンロード完了後に再生開始

○フィーチャーフォンの場合

 音声ファイルを受信した際はSMSで通知が来ます。
 なお、NTTドコモの一部機種を除き、メッセージの送信を行うことは出来ません。

災害用音声お届けサービスの使い方(フィーチャーフォンの場合) SMSでの受信 (1)受信したSMSのURLを選択 (2)再生を選択 (3)音声ファイルのダウンロード (4)ダウンロード完了後に再生開始

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