地震等の災害発生時には、音声通話が集中し、電話がつながりにくくなります。被災地での緊急を要する電話がスムーズに利用できるよう、不要不急な電話やリダイヤルを控え、電話をかける場合には手短な通話を心がけていただきますようお願いいたします。
あわせて、安否確認等の通信手段としては比較的つながりやすいパケット通信を利用した災害用伝言サービスやメール等を積極的に御活用くださいますようお願いいたします。
通信事業者と総務省は、より使いやすく、よりつながりやすい災害用伝言サービスの導入等を今後とも進めてまいります。
1. 地震等の災害発生時は、被災地への音声通話の集中等により通信回線が大変混雑し、電話がつながりにくい状態(輻輳(ふくそう))になります。この輻輳は、通信ネットワークの処理能力を超えた音声通話が一時的に集中することにより発生します。
平成23年3月11日の東日本大震災の直後も、こうした輻輳状態が発生(図参照)し、携帯電話事業者によっては最大で平常時の50〜60倍以上の通話が一時的に集中するなど、電話が非常につながりにくい状態が続きました。
2. このため通信事業者は、警察・消防等への緊急通報(110番、118番、119番)や国民の生命・財産の保護のために行われる緊急性の高い災害対策機関の音声通話を確保等するために、固定電話で最大80%〜90%、携帯電話では最大70%〜95%の通信規制を実施しました。
固定電話の通信規制は比較的短時間で解除されましたが、携帯電話の通信規制は断続的に数日間にわたり実施されました。この要因としては、過去の大規模災害時と比べて携帯電話の利用者が大幅に増加したことや、安否確認等を行う手段として携帯電話の音声通話を利用する方が非常に多かったことが考えられます。
3. 一方、携帯電話におけるメール等のパケット通信では、通信規制が行われなかった、又は通信規制を実施した通信事業者であってもその割合は最大30%かつ一時的であったため、携帯電話の音声通話と比べると、メール等のパケット通信の方がつながりやすい状況にありました(ただし、送信したメールの到達時間については、メールサーバの輻輳により通常よりも時間を要する状況にありました。)。
4. また、東日本大震災においては、長時間にわたる停電の発生や計画停電により固定電話等の電気通信サービスが利用できない状況も生じました。
大規模災害時においては、家族の安否を確認するための通話等が集中するため、電話はつながりにくくなります。こうした状況でも、家族の安否確認を行うための方法等を、以下のとおり紹介しますので、是非参考にして御活用ください。
通信事業者は、輻輳の影響を避けながら、家族や知人との間での安否確認や避難場所の連絡等をスムーズに行うことができるよう、以下のような「災害用伝言サービス」等を提供しています。
これらサービスについては、防災週間(8月30日〜9月5日)に、体験サービスが提供されていますので、操作等について是非お試しください(利用方法は別紙参照。)。
(1) 災害時における安否確認のための通信手段としては、どの通信手段が早くつながるか分からない状況にあること、また、安否を肉声で伝えたい、聞きたいという思いから、結果として、日常的に利用している固定電話・携帯電話の音声通話に利用が集中しがちです。
しかし、東日本大震災における通信ネットワークの輻輳状態を踏まえると、メールの方が音声通話よりつながりやすい結果となっていますので、大規模災害時においては、パケット通信を利用する災害用伝言サービスやメール等の音声通話以外の通信手段の積極的な御活用をお願いいたします。
(2) 特に、本年3月以降に提供が開始された「災害用音声お届けサービス」は災害発生時に多くの音声発信により電話がつながりにくくなった際に、音声通信に代わってパケット通信により音声メッセージを同じ通信事業者の利用者に送信するサービスです。まだ、同じ事業者内の利用者同士のみでしか利用できないサービスですが、スマートフォンからアプリケーションを利用して送信する事ができますので、各社HP等を参考にして、いざという時に備え、アプリケーションをあらかじめダウンロードしておきましょう。
また、東日本大震災ではインターネット電話、SNS等についてもつながりやすかった状況にありましたので、こうした手段の御活用もお願いいたします。
(3) 一方で、長文の安否確認メールや大量の安否確認メールが、被災者の方々にとっては、携帯電話の電池の消耗等の観点から望ましくないという意見もありました。メール等で安否確認を行う際にも、不要不急なメール等の送信は控えたり、手短な文面を心がけたりするようにお願いいたします。
(1) 東日本大震災において、長時間にわたる停電が生じたことや、その後の電力需給のひっ迫に伴う計画停電が実施されたことを契機に、御家庭で利用されている固定電話機やFAXの停電時における利用可否についての関心が高まりました。
(2) そこで、一般社団法人情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)及び社団法人電気通信事業者協会(TCA)においては、それぞれ、会員各社の家庭用固定電話機等の停電時における利用可否等や、停電時における固定電話サービスの利用について取りまとめ、以下のHPにおいて周知を行っています。
(3) 大規模災害時等の停電時において、警察・消防への緊急通報等の緊急を要する電話を行うためには、停電時においても利用可能な固定電話機等やUPS等のバックアップ電源をあらかじめ準備しておくことが必要になる場合がありますので、上記HP等を参考にしてください。
大規模災害時においては、災害用伝言サービスを御活用していただくとともに、電話をかける場合やメール等で安否確認を行う際には、不要不急な連絡やリダイヤル、再送等を控えたり、手短な通話や文面を心がけたりしていただくことで、被災地での緊急を要する電話がスムーズに利用できるようになりますので、改めて皆様の御協力をお願いいたします。
東日本大震災以降、総務省や通信事業者からは、次のような電気通信サービスに関する情報提供を行っていますので、参考にしてください。
出典:社団法人 電気通信事業者協会
https://www.web171.jp/(NTT災害用伝言板(web171)のページ)へアクセスし、登録する電話番号を入力し「伝言を登録する」ボタンまたは「伝言を確認する」ボタンをクリックする。
氏名の入力、安否の選択及び伝言の入力(100文字以内)を行い、「伝言を登録する」ボタンをクリックする。
表示された伝言を確認する。
以下のアプリケーションを各社のアプリマーケットやGoogle Play(旧Android Market)、Apple Storeからダウンロードして下さい。
NTTドコモ | 「災害用キット」 |
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KDDI(au) | 「au災害対策」 |
ソフトバンクモバイル | 「災害用伝言板」 |
音声ファイルを受信した際はSMSで通知が来ます。
なお、NTTドコモの一部機種を除き、メッセージの送信を行うことは出来ません。