総務省では、青少年のインターネット・リテラシーに関する実態調査を実施し、結果概要を「平成28年度 青少年のインターネット・リテラシー指標等」として取りまとめましたので、公表します。
1.経緯・目的
総務省では、インターネット・リテラシー向上施策の重要性に鑑み、同施策を効果的に進めていくために、平成23年度に青少年のインターネット・リテラシーを可視化するテスト(注1)を開発し、平成24年度より全国の高等学校1年生相当を対象に実施してきました。
本年度は対象校・人数を大幅に増やした上で(注2)、インターネット等の利用状況に関するアンケートと共に青少年のインターネット・リテラシーを測るテストを実施しました。
この結果を集計・分析し、「平成28年度 青少年のインターネット・リテラシー指標等」として
別添のとおり取りまとめました。
注1:「青少年がインターネットを安全に安心して活用するためのリテラシー指標」=ILAS(Internet Literacy Assessment indicator for Students)。インターネット・リテラシーの中でも、特に、インターネット上の危険・脅威への対応能力やモラルに配慮しつつ、的確な情報を判断するために必要な能力を、3つの大分類、7つの中分類に整理し、それぞれに対応する多肢選択式問題を作成。数値化することにより、各能力を可視化した。
注2:本年度は約14,800名・89校を対象に実施。(昨年度は約13,700名・75校)
2.調査結果のポイント
〇本年度の全問正答率は67.2%。前年度と同一の問題・参加校で比較すると、本年度正答率は68.9%と昨年度正答率(71.0%)をやや下回った。
〇スマートフォンの1日の平均利用時間は、平日・休日とも2〜3時間が最も多い。また平日は68.4%、休日は85.2%の青少年が1日に2時間以上利用する等、他の通信機器と比べて利用時間が長い。
〇約半数の青少年は一度も会ったことのないSNS上だけの友人がおり、11人以上いると答えた青少年は22.0%に及ぶ。また、SNS上だけの友人の平均数は男子よりも女子の方が多い。
〇フィルタリングサービスについては、70.8%の青少年が有用であると考え、また76.6%が必要性を認識しているが、利用率は48.3%となっている。
〇利用時間のうちSNSが占める割合が6割程度を占めるが、その次に多いのが利用時間1時間未満の青少年では情報収集、1〜3時間程度の利用者では動画視聴、4時間以上の青少年ではオンラインゲームとなっている。なお、今回の調査で新設した「学習」の目的での利用はほとんどなかった。
〇フィルタリングの意義について理解している青少年や、フィルタリングを利用している青少年のリテラシーが高いため、フィルタリングの必要性、意義等を青少年自らが考える機会を設けることが重要。
〇スマートフォンやSNS利用に関する家庭のルールがある青少年のリテラシーが比較的高いため、正しいリスク認識や家庭での話し合い・ルールづくりの促進、フィルタリングの意義等に対する保護者の意識の向上等が重要。