(1)あくびコミュニケーションズ株式会社(以下「あくび社」といいます。)が東日本電信電話株式会社又は西日本電信電話株式会社(以下「NTT東西」といいます。)から光アクセス回線サービスの卸売を受けて消費者向けに提供するサービスである「AKUBI光」(以下「本件サービス」といいます。)の電話勧誘に関して、総務省及び全国の消費生活センターに苦情相談が寄せられています。その内容によれば、例えば以下のような不適切な勧誘が疑われる事案が多く見られました。
<不適切な勧誘が疑われる事例>
(2)また、総務省に寄せられた苦情のうち、本件サービスの販売を行うあくび社代理店の株式会社エルアクト(法人番号「2290001073576」。以下「本件代理店」といいます。)の電話勧誘において、以下の不適切な勧誘が行われていたことが認められました。
<確認された不適切な勧誘事例(別紙参照)>
(3)その他、あくび社が作成する媒介等業務の手順等に関する文書において、本件サービスの料金と他のサービスの料金を比較せず、本件サービスの料金の方が安価であると断定した案内をするような不適切な表現が認められました。また、あくび社が本件サービスの申込み確認のために用いる電話対応マニュアルにおいても、NTT東西であると消費者に誤認させるおそれのある表現が認められました。
(4)これらの状況から、あくび社は電気通信事業法(昭和59年法律第86号。以下「法」といいます。)第26条に規定する説明義務及び法第27条の3に規定する媒介等業務受託者に対する指導措置義務に違反していると認められ、本件代理店は法第26条に規定する説明義務及び法第27条の2第1号に規定する不実告知の禁止に違反していると認められることから、総務省は、本日、あくび社及び本件代理店に対し、本件サービスに係る勧誘方法の改善等を求める行政指導を行いました。
あくび社に対する主な指導内容は以下のとおりです。
(1)法第26条、法第27条、法第27条の2第1号及び法第27条の3の遵守徹底
法第26条に規定する説明義務、法第27条に規定する苦情等処理義務及び法第27条の3に規定する媒介等業務受託者に対する指導措置義務の遵守を徹底することとし、代理店において法第27条の2第1号で規定する不実告知の禁止の違反が行われないよう徹底すること。これらの取組に当たっては、「電気通信事業法の消費者保護ルールに関するガイドライン(平成28年3月(平成29年1月最終改訂))」及び「消費者保護ルール実施状況のモニタリング 書面等調査の主な結果(平成29年2月)」のFTTHサービスに係る「改善・検討事項」を十分に参照することとし、特に以下の事項に留意すること。
(2)利用者の意思確認の徹底等
光卸サービスを利用した本件サービスの勧誘においては、NTT東西又はそれらの代理店からの勧誘であると誤認されることがないよう必要な措置の実施を徹底するとともに、NTT東西からあくび社へ契約先が変更となる旨を明確に説明し、利用者の契約締結意思の確認を確実に行うこと。 また、当該確認を徹底するため、意思確認の電話を行うことを徹底すること。特に、NTT東西の光回線サービスから乗り換えようとする利用者に対する意思確認の際は、NTT東西の光回線サービスの契約が解約となりあくび社との新たな契約関係となることを明確に伝えること。 さらに、電話による説明方法だけでなく、契約に当たって利用者に交付する書面の構成や表示内容についても、利用者が誤解を招かないよう、適切かつ分かりやすいものとすること。
(3)再発防止措置の実施及び実施状況の報告
あくび社が提供する電気通信役務において、今後このような不適切な事案が生じることがないよう、上記の指導を踏まえ、再発防止措置を速やかに講じ、当該再発防止措置の内容については、平成29年7月7日までに、総務省へ文書で報告すること。
また、本件代理店に対しても、消費者保護規律を遵守した業務実施を求める指導を行いました。
総務省は、今後も、電気通信サービスの勧誘方法の適正化に努めてまいります。