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報道資料

令和元年7月5日

「2018年度 青少年のインターネット・リテラシー指標等に係る調査結果」の公表

 総務省では、青少年のインターネット・リテラシーに関する実態調査を実施し、結果概要を「2018年度 青少年のインターネット・リテラシー指標等に係る調査結果」として取りまとめましたので、公表します。

1 経緯・内容

総務省では、青少年のインターネット・リテラシー向上のための前提として、特にインターネット上の危険・脅威に対応するための能力とその現状等を可視化するため、2011年度にこれらの能力を可視化するテスト(注)を指標として開発し、2012年度より毎年、高等学校1年生を対象に、青少年のインターネット・リテラシーを測るテストをインターネット等の利用状況に関するアンケートとあわせて実施してきました。

2018年度は78校・12,626名を対象に、テスト及びアンケートを実施した上、この結果を集計・分析し、「2018年度 青少年のインターネット・リテラシー指標等に係る調査結果」として別添PDFのとおり取りまとめました。

注:「青少年がインターネットを安全に安心して活用するためのリテラシー指標」=ILAS(Internet Literacy Assessment indicator for Students)。インターネット・リテラシーの中でも、特に、インターネット上の危険・脅威への対応能力やモラルに配慮しつつ、的確な情報を判断するために必要な能力を、以下の3つの大分類、7つの中分類に整理し、それぞれに対応する多肢選択式問題を作成。数値化することにより、各能力を可視化した。

〔青少年に必要なリスク対処能力〕

  1. インターネット上の違法コンテンツ、有害コンテンツに適切に対処できる能力【違法有害情報リスクへの対処能力】
    • a. 違法コンテンツの問題を理解し、適切に対処できる。【違法情報リスク】
    • b. 有害コンテンツの問題を理解し、適切に対処できる。【有害情報リスク】
  2. インターネット上で適切にコミュニケーションができる能力【不適正利用リスクへの対処能力】
    • a. 情報を読み取り、適切にコミュニケーションができる。【不適切接触リスク】
    • b. 電子商取引の問題を理解し、適切に対処できる。【不適正取引リスク】
    • c. 利用料金や時間の浪費に配慮して利用できる。【不適切利用リスク】
  3. プライパシー保護や適切なセキュリティ対策ができる能力【プライバシー・セキュリティリスクへの対処能力】
    • a. プライバシ一保護を図り利用できる。【プライバシーリスク】
    • b. 適切なセキュリティ対策を講じて利用できる。【セキュリティリスク】

2 調査結果のポイント

(※「⇒」以下は考察)

  • 2018年度の全体としての正答率は69.6%で、2017年度(68.8%)より向上したが、3年前(69.7%)との比較では横ばいである。3年前の比較を項目別に見ると「セキュリティリスク」の正答率が相対的に大きく上昇している一方で、「不適切利用リスク」の正答率が相対的に大きく下降している(セキュリティリスク:65.3%(2015年度)→67.4%(2018年度)、不適切利用リスク:82.4%(2015年度)→80.2%(2018年度))。

  • 高校生の95.8%がインターネット接続機器としてスマートフォンを保有しており、保有するインターネット接続機器のうち最もよく利用する機器として、高校生の92.2%がスマートフォンを挙げている。

  • 平日1日当たりの平均利用時間は、他の機器に比べ、スマートフォンについて2時間〜3時間の利用が最も多い。平日のスマートフォンの利用時間別の正答率では平均利用時間が1時間〜2時間が最も高く、平均利用時間2時間以上においては、利用時間が長いほど正答率が低下する傾向にある。

  • 高校生の69.2%がフィルタリングを一定程度認知しており、そのうち、51.0%がフィルタリングを利用している。他方、フィルタリングをあまり認知していない高校生(20.4%)のフィルタリングの利用率は19.5%である。
    ⇒ フィルタリングの利用促進に向けては、フィルタリングサービスの認知を高めていくことが必要。

  • 高校生の78.0%がフィルタリングを「有害なサイトやアプリの閲覧を制限し、安心にインターネットを使うことを可能にしてくれるもの」と肯定的に捉えており、そのうち、49.0%の高校生がフィルタリングを利用している。一方、高校生の10.0%がフィルタリングを「使いたいサイトやアプリを利用できなくする邪魔なもの」と否定的に捉えており、そのうち、36.3%の高校生がフィルタリングを利用している。また、フィルタリングに肯定・否定のいずれのイメージも持っていない高校生(12.0%)のフィルタリング利用率は16.0%である。
    ⇒ フィルタリングの利用促進に向けては、フィルタリングの有用性や機能(サイト・アプリのカスタマイズ機能等を含め)について、正しい情報を周知することが重要。

  • インターネットの利用について家庭でのルールや学校でのルールがある高校生の方が、ルールがない高校生に比べフィルタリング利用率が高い(家庭でのルールが「ある」:55.0%、「ない」:34.6%。学校でのルールが「ある」:45.8%、「ない」:41.0%)。特に、学校でのルールがある場合のフィルタリング利用率(45.8%)より、家庭でのルールがある場合のフィルタリング利用率(55.0%)の方が高い。
    ⇒ フィルタリングの利用促進に向けては、家庭でのインターネット利用に係るルールづくり等、安心な利用に係る保護者の意識向上(普及啓発)が重要。

  • フィルタリングを利用している高校生(正答率:71.8%)の方が、利用していない高校生(正答率:69.7%)に比べ正答率が高い。また、家庭でのルールがある高校生(正答率:71.2%)の方が、ルールがない高校生(正答率:68.5%)に比べ正答率が高い。

  • 高校生が利用しているSNSは、「主にメッセージサービスを目的とするサービス」が最も多く、フィルタリングを認知し、かつSNSを利用している高校生の43.9%がフィルタリングを利用している。また、フィルタリングを認知し、かつSNSを利用していない高校生のフィルタリング利用率は49.2%と更に高い。
    ⇒ SNSを利用している高校生等に対し、「高校生プラスモード」やカスタマイズ機能等の周知を図ることが、フィルタリングの利用率の向上につながる可能性がある。
連絡先
総合通信基盤局電気通信事業部消費者行政第一課
(担当:杉田課長補佐、本村係長、庭野官)
電話 :03-5253-5111(代表) 5867(直通)
FAX :03−5253−5948

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