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報道資料

令和2年2月28日
総合通信基盤局

あくびコミュニケーションズ株式会社に対する業務改善命令

 総務省は、本日、電気通信事業法(昭和59年法律第86号)第29条第2項第1号の規定に基づき、利用者の利益の確保のため、あくびコミュニケーションズ株式会社(代表取締役社長 佐竹 雅哉)に対して、業務の方法の改善その他の措置を講ずることを命じました。

1 事案の概要

 あくびコミュニケーションズ株式会社(以下「あくび社」という。)は、令和元年12月から数か月分の料金の前払を条件とする料金割引サービス「まとめ割」を利用者に提供することを計画していたが、利用者に何らの説明や通知等必要な情報提供を行っていなかったにもかかわらず、1,336件の利用者に対してまとめ割を適用し、これらの利用者から本来徴収すべきであった金額に比して合計77,520,000円を過大に徴収した事実が判明しました。

2 電気通信事業法に基づく措置

 あくび社が利用者に何らの説明や通知等必要な情報提供を行わずに、利用者に対して「まとめ割」を適用したことは、一時的に数か月分の料金の前払を条件に将来的な料金の割引を約束するという契約内容の変更であり、その契約内容の変更の一部である料金の前払は利用者にとって不利であるにもかかわらず、電気通信事業法(以下「事業法」という。)第26条第1項の提供条件の説明義務及び事業法第26条の2第1項の書面交付義務の規定を遵守しなかったものです。したがって、本件事案は利用者に無断で利用者にとって不利な契約変更を行ったものであり、利用者の利益を阻害する悪質な事案であると認められます。また、本件事案は極めて多数の利用者の利益に影響を及ぼしており、社会的影響も大きいものであると考えられます。
 さらに、あくび社は、令和元年12月以前にも、同年7月から電気通信役務の利用者に対して「まとめ割」による過大徴収とは別に料金を過大に徴収していた事実が判明しました。このように、あくび社の顧客管理やそれを踏まえた料金徴収、利用者への適切な説明・確認の方法等に問題があることは明白です。
 加えて、あくび社は過去にも総務省から事業法第26条の説明義務違反等について指導を受けていた中で本件事案を生じさせたものであり、あくび社の遵法意識の欠如は明らかです。
 以上のように、あくび社が発生させた本件事案は利用者の利益を阻害する悪質な事案であり、その社会的な影響は極めて大きいと認められます。また、その背景にはあくび社の顧客管理やそれを踏まえた料金徴収、利用者への適切な説明や確認の方法等の問題の存在や法令遵守を徹底する意識の欠如等、経営管理態勢に重大な問題があると考えられることから、今後も引き続き本件事案と同様の事案を始めとした利用者の利益の確保に支障を生じさせる事案を発生させるおそれがあると認められます。
 これらを踏まえ、事業法第29条第2項第1号の規定に基づき、あくび社に対して、別紙PDFのとおり業務の方法の改善その他の措置を講ずることを命じました。
 

3 これまでの経緯

令和2年1月24日 あくび社に対する報告の要請
   同年2月 6日 あくび社からの報告の受領
   同年2月25日 あくび社を当事者とする聴聞の開催
 

(参考)

○電気通信事業法(昭和59年法律第86号)(抄)

(提供条件の説明)
第二十六条 電気通信事業者は、利用者(電気通信役務の提供を受けようとする者を含み、電気通信事業者である者を除く。以下この項、第二十七条及び第二十七条の二において同じ。)と次に掲げる電気通信役務の提供に関する契約の締結をしようとするときは、総務省令で定めるところにより、当該電気通信役務に関する料金その他の提供条件の概要について、その者に説明しなければならない。ただし、当該契約の内容その他の事情を勘案し、当該提供条件の概要について利用者に説明しなくても利用者の利益の保護のため支障を生ずることがないと認められるものとして総務省令で定める場合は、この限りでない。
一 その一端が移動端末設備と接続される伝送路設備を用いて提供される電気通信役務であつて、その内容、料金その他の提供条件、利用者の範囲及び利用状況を勘案して利用者の利益を保護するため特に必要があるものとして総務大臣が指定するもの
二 その一端が移動端末設備と接続される伝送路設備を用いて提供される電気通信役務以外の電気通信役務であつて、その内容、料金その他の提供条件、利用者の範囲及び利用状況を勘案して利用者の利益を保護するため特に必要があるものとして総務大臣が指定するもの
三 前二号に掲げるもののほか、その内容、料金その他の提供条件、利用者の範囲その他の事情を勘案して利用者の利益に及ぼす影響が少なくないものとして総務大臣が指定する電気通信役務
2 (略)

(書面の交付)
第二十六条の二 電気通信事業者は、前条第一項各号に掲げる電気通信役務の提供に関する契約が成立したときは、遅滞なく、総務省令で定めるところにより、書面を作成し、これを利用者(電気通信事業者である者を除く。以下この条及び次条において同じ。)に交付しなければならない。ただし、当該契約の内容その他の事情を勘案し、当該書面を利用者に交付しなくても利用者の利益の保護のため支障を生ずることがないと認められるものとして総務省令で定める場合は、この限りでない。
2・3 (略)

(業務の改善命令)
第二十九条 総務大臣は、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、電気通信事業者に対し、利用者の利益又は公共の利益を確保するために必要な限度において、業務の方法の改善その他の措置をとるべきことを命ずることができる。
一〜十二 (略)
2 総務大臣は、次の各号のいずれかに該当するときは、当該各号に定める者に対し、利用者の利益を確保するために必要な限度において、業務の方法の改善その他の措置をとるべきことを命ずることができる。
一 電気通信事業者が第二十六条第一項、第二十六条の二第一項、第二十六条の四第一項、第二十七条、第二十七条の二又は第二十七条の四の規定に違反したとき 当該電気通信事業者
二 (略)

(聴聞の特例)
第百六十一条 総務大臣は、(略)第二十九条(略)の規定による処分をしようとするときは、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第十三条第一項の規定による意見の陳述のための手続の区分にかかわらず、聴聞を行わなければならない。
2・3 (略)

(報告及び検査)
第百六十六条 総務大臣は、この法律の施行に必要な限度において、電気通信事業者等に対し、その事業に関し報告をさせ、又はその職員に、電気通信事業者の営業所、事務所その他の事業場に立ち入り、電気通信設備、帳簿、書類その他の物件を検査させることができる。
2〜8 (略)
 
連絡先
総合通信基盤局電気通信事業部消費者行政第一課
担当:雨内課長補佐、東消費者行政調整官、石塚官
住所:〒100-8926
東京都千代田区霞が関2-1-2 中央合同庁舎2号館
電話:(代表)03-5253-5111
:(直通)03-5253-5488
FAX:03-5253-5948
E-mai:denkijigyou-syougyou_atmark_ml.soumu.go.jp
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