総務省は、本日、もっとサポート株式会社(代表取締役 野見 幸弘)において、電気通信事業法(昭和59年法律第86号)第27条の2第1号に規定する不実告知等の禁止及びその他の同法の規律への違反が認められたことを受け、同社に対し、同法の遵守を徹底することなどについて指導しました。
1.事案の概要及び行政指導の内容
(1)もっとサポート株式会社(以下「もっと社」という。)は、消費者向けに提供する光回線サービスである「MOTTO光」(※)(以下「本件サービス」という。)に関して、その苦情相談を受け付ける窓口である「MOTTO光消費者相談窓口」を紹介するチラシに、
・ 「MOTTO光消費者相談窓口とは、消費者安全法に基づいて、民間企業が運営する第三者機関です。」
・ 「自主交渉では解決が困難な時には、MOTTO光消費者相談窓口が業者とのあっせんをします。」
という事実とは異なる不実の記載があったにもかかわらず、社内で確認を行わないまま、令和2年1月15日から同年3月5日までの間に、300件程度の利用者に対して販売代理店を通じて当該チラシの配布を行った事実が明らかとなりました。当該チラシを利用者に配布する行為は、「利用者の判断に影響を及ぼすこととなる重要な事項」についての不実告知に該当し、電気通信事業法(以下「法」という。)第27条の2第1号(不実告知等の禁止)の規定への違反が認められました。
※もっと社が、株式会社絆コミュニケーションズから卸売を受け、消費者向けに提供する光回線サービス(なお、株式会社絆コミュニケーションズはソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社から光回線サービスの卸売を受けています。)
(2)また、もっと社の販売代理店による本件サービスの電話勧誘に関して、総務省及び全国の消費生活センターに多数の苦情相談が寄せられており、その中には、自らを利用者が契約中の大手の電気通信事業者又はその販売代理店であるかのように名乗る等の行為により、利用者をこれらの者からの勧誘を受けていると誤認させた状態で勧誘を行っていたと考えられる事案等、不適切な勧誘と疑われる事案が多く含まれています。
さらに、もっと社が作成した販売代理店への業務手順等に関する文書において、勧誘に先立って勧誘の対象となる電気通信サービスを提供する電気通信事業者名を名乗らずにサービス内容の紹介へ移行する記述が確認されたことから、もっと社については法第27条の2第2号(自己の名称等を告げない勧誘の禁止)の規定への違反のおそれ及び法第27条の4(販売代理店への指導等の措置義務)の規定への違反が認められます。
(3)これらの状況から、総務省はもっと社に対して法の遵守を徹底することなどについて指導しました。
(指導の主な内容)
・ 法第27条の2第1号及び第2号並びに第27条の4の遵守徹底等
法第27条の2第1号(不実告知等の禁止)及び第2号(自己の名称等を告げない勧誘の禁止)並びに第27条の4(販売代理店への指導等の措置
義務)の規定の遵守を徹底すること。
これに際しては「電気通信事業法の消費者保護ルールに関するガイドライン(平成28年3月(令和2年3月最終改訂))」及び「平成30年度消費者
保護ルール実施状況のモニタリング(評価・総括)」を十分に参照することとし、特に以下の事項に留意すること。
・ 契約に関する事項であって利用者の判断に影響を及ぼすこととなる重要なものについて、不実の説明を行うことは、法第27条の2第1号の規
定に違反すること
・ 勧誘に先立って自己の名称等を告げず、また、勧誘を行うことを告げずに勧誘を行うことは、法第27条の2第2号の規定に違反すること
2.自己の氏名若しくは名称又は勧誘である旨を告げない勧誘行為の禁止について
令和元年10月1日より、電気通信事業法の一部を改正する法律(令和元年法律第5号)が施行されております。同法による改正後の法第27条の2第2号では自己の氏名若しくは名称又は勧誘である旨を告げない勧誘行為の禁止等が定められています。この規定により、電気通信事業者又は販売代理店が、電気通信役務の提供に関する契約の締結の勧誘に先立って、その相手方に対して自己(販売代理店が勧誘を行う場合にあっては、自己に加え、勧誘に係る電気通信役務を提供する電気通信事業者)の氏名若しくは名称又は勧誘である旨を告げずに勧誘することを禁止しています。
電気通信事業者及び販売代理店においては、この点について十分に認識され、消費者保護ルールの実施に努めていただくことが必要です。
総務省においては、利用者の利益の保護のため、引き続き、法の厳正な執行に努めてまいります。