(1)ラインセレクトが消費者向けに提供する本件サービスに関して、総務省及び全国の消費生活センターに多数の苦情相談が寄せられており、その中には、自らを利用者が契約中の大手の電気通信事業者又はその販売代理店であるかのように名乗る等の行為により、利用者をこれらの者からの勧誘を受けていると誤認させた状態で勧誘を行っていたと考えられる事案等、不適切な勧誘と疑われる事案が多く含まれています。
(2)上記苦情相談を踏まえ、本件サービスに対して寄せられた苦情の原因となった電話勧誘について総務省が確認を行ったところ、
別紙のとおり、法第26条(提供条件の説明義務)並びに第27条の2第1号(不実告知等の禁止)及び第2号(自己の名称等又は勧誘である旨を告げずに勧誘する行為の禁止)の規定への違反が認められました。
(3)また、ラインセレクトが作成した、販売代理店に対する業務の手順等に関する文書において、勧誘に先立って勧誘の対象となる電気通信サービスを提供する電気通信事業者名を名乗らず、サービス内容の紹介へ移行する記述が確認されました。この記述から、ラインセレクトは意図的に法第27条の2第2号の規定に違反した指示を行っていたと認められ、法第27条の4(媒介等業務受託者(販売代理店)に対する指導等措置義務)への違反が認められました。
(4)さらに、ラインセレクトの任意の報告から、本件サービスに関する相談窓口の受電率が著しく低い値であったことが確認されました。このことからラインセレクトは電気通信サービス又はその業務方法についての苦情及び問合せを適切かつ迅速に行っていないと認められ、法第27条(苦情等の処理義務)の規定への違反が認められました。
(5)これらの状況から、総務省はラインセレクト及び不適切な勧誘等を行ったと認められた販売代理店に対して法の遵守を徹底することなどについて指導しました。
(ラインセレクトに対する指導の主な内容)
1 法第26条、第27条、第27条の2第1号及び第2号並びに第27条の4の規定の遵守徹底
法第26条(提供条件の説明義務)、第27条(苦情等の処理義務)、第27条の2第1号(不実告知等の禁止)及び第2号(自己の名称等又は勧誘である旨を告げずに勧誘する行為の禁止)並びに第27条の4(媒介等業務受託者(販売代理店)に対する指導等措置義務)の規定の遵守を徹底すること。
これに際しては、「電気通信事業法の消費者保護ルールに関するガイドライン(平成28年3月(令和2年3月最終改定))」及び「平成30年度消費者保護ルール実施状況のモニタリング(評価・総括)」を十分に参照することとし、特に以下の事項に留意すること。
・ 消費者が最低限理解すべき提供条件の概要を説明しないことは、法第26条の規定に違反すること。
・ 契約に関する事項であって利用者の判断に影響を及ぼすこととなる重要なものについて、不実の説明を行うことは、法第27条の2第1号の規定に違反すること。
・ 勧誘に先立って自己の名称等を告げず、また、勧誘を行うことを告げずに勧誘を行うことは、法第27条の2第2号の規定に違反すること。
2 再発防止措置の実施及び実施状況の報告
ラインセレクトが提供する電気通信サービスにおいて、今後このような不適切な事案が生じることがないよう、上記の指導を踏まえ、再発防止措置を速やかに講じ、当該再発防止措置の内容について、総務省へ文書で報告すること。