報道資料
平成26年6月11日
電波法施行規則等の一部を改正する省令案についての
電波監理審議会からの答申
― 国際海事機関の決議(航海情報記録装置の性能基準の改正)に伴う制度整備 ―
総務省は、本日、国際海事機関の決議(航海情報記録装置の性能基準の改正)に伴う、電波法施行規則等の一部を改正する省令案について、電波監理審議会(会長:前田 忠昭 東京瓦斯株式会社顧問)に諮問し、原案を適当とする旨の答申を受けました。
1 改正の背景等
航海情報記録装置(以下「VDR
(注1)」といいます。)は、海難事故原因の調査に資するため、航海中の通信記録等を記録媒体に保存する装置であり、「海上における人命の安全のための国際条約(SOLAS条約)」により国際航海に従事する旅客船及び大型貨物船に搭載することが義務付けられています。なお、一部の貨物船については、VDRに代えて、記録情報の一部を簡素化した簡易型航海情報記録装置(以下「S−VDR
(注2)」といいます。)の搭載が認められており、固定式及び浮揚式
(注3)があります。
2012年(平成24年)6月、国際海事機関(以下「IMO」といいます。)の決議(VDRの性能基準の改正)により、固定式のVDRの記録時間等が改められたほか、新たに長時間記録式及び浮揚式のVDRが規定され、2014年(平成26年)7月1日以降に搭載されるVDRから適用されることとなりました。
このうち浮揚式のVDRは、平成18年度に制度整備を行った浮揚式のS−VDRと同様、衛星位置指示無線標識
(注4)に備えることとされていることから、IMOの決議に伴い、義務船舶局が備えなければならない無線設備の機器として浮揚式のVDRを追加する等、所要の規定の整備を行うものです。
(参考:制度整備の概要)
注1:Voyage Data Recorder
注2:Simplified Voyage Data Recorder
注3:「浮揚式」とは、船舶が沈没した際、船体から自動離脱し、海面に浮揚するもの
注4:人工衛星を介して陸上の捜索救助機関へその位置を探知させる信号を送信する無線設備
2 改正の概要
(1) IMOの決議に伴い、義務船舶局が備えなければならない無線設備の機器としてVDRを備える衛星位置指示無
線標識を追加する。
(電波法施行規則(昭和25年電波監理委員会規則第14号)第28条第4項)
(2) IMOの決議に伴い、衛星位置指示無線標識の技術基準に係る規定の整備を行う。
(無線設備規則(昭和25年電波監理委員会規則第18号)第45条の3の5)
(3) 衛星位置指示無線標識の機器の型式表示に係る指定項目を追加し、当該機器の型式に関する記号を定める。
(無線機器型式検定規則(昭和36年郵政省令第40号))別表第7号及び別表第8号)
3 答申の概要
本日、電波監理審議会に電波法施行規則等の一部を改正する省令案
(別添:新旧対照表)
について諮問し、原案を適当とする旨の答申を受けました。
なお、意見公募については、本件改正がIMOの決議を受け、管海官庁である国土交通省がVDRの性能要件に係る意見公募を行っていること等から、総務省では実施しませんでした。
4 今後の予定
電波監理審議会の答申を踏まえ、速やかに省令等の改正を行います(平成26年7月1日施行予定)。
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