1 諮問の概要
船舶や航空機等の移動体においても陸上と同等の高速通信のニーズが高まっており、そのためには広域なサービスエリアを確保可能な移動衛星通信システムの利活用が重要です。現在我が国においてはL帯(1.5/1.6GHz帯)、S帯(2.5/2.6GHz帯)及びKu帯(12/14GHz帯)を用いた移動衛星通信サービスが提供されていますが、L帯・S帯のサービスで400kbps程度、Ku帯のサービスで1Mbps程度の通信速度となっています。またKu帯では既存業務との共用のために陸上との離隔距離(沿岸から125km以上)が必要となっています。
他方、これらの周波数帯がひっ迫していることもあり、近年では更に高い周波数帯であるKa帯(20/30GHz帯)が次世代の高速衛星通信用の帯域として世界的に注目されており、2015年11月に開催された国際電気通信連合(ITU)世界無線会議(WRC-15)において、より高速通信が可能な移動体向けグローバルサービスを実現するため、ESIM(Earth stations in motion)が定義され、Ka帯の19.7-20.2GHz及び29.5-30.0GHzを移動衛星業務に利用することが合意され、海外では既にこの帯域を用いた移動衛星通信サービスが開始されています。
この新しい移動体向け衛星通信サービスが利用可能となると、船舶及び航空機においても数十Mbps程度の高速通信サービスが実現できることから、早期の国内導入に向けてKa帯を用いた移動体向けブロードバンド衛星通信システムの技術的条件について諮問を行いました。なお、参考資料は
別紙2
のとおりです。
2 審議事項
Ka帯を用いた移動体向けブロードバンド衛星通信システムの技術的条件について審議が行われます。
3 答申を希望する時期
4 今後の予定
答申を受けた際には、速やかに関係規程の整備を行う予定です。