総務省は、本日、情報通信審議会(会長:内山田 竹志 トヨタ自動車株式会社取締役会長)から、平成28年6月30日付け情報通信審議会諮問第2037号「Ka帯を用いた移動体向けブロードバンド衛星通信システムの技術的条件」のうち「Ka帯を用いた移動体向けブロードバンド衛星通信システム(ESIM)の技術的条件」について一部答申を受けました。
1 背景
近年、船舶や航空機等の移動体においても陸上と同等の高速通信のニーズが高まっており、そのために広域なサービスエリアを確保可能な移動衛星通信システムの利活用が重要になっています。現在我が国ではL帯(1.5/1.6GHz帯)、S帯(2.5/2.6GHz帯)及びKu帯(12/14GHz帯)を用いた移動衛星通信サービスが提供されていますが、L帯及びS帯のサービスで400kbps程度、Ku帯のサービスで1Mbps程度の通信速度となっています。またKu帯では既存業務との共用のために、陸上との離隔距離(沿岸から125km以上)が必要となっています。
また、これらの周波数帯がひっ迫していることもあり、近年では更に高い周波数帯であるKa帯(20/30GHz帯)が次世代の高速衛星通信用の帯域として世界的に注目されており、2015年11月に開催された国際電気通信連合(ITU)世界無線通信会議(WRC-15)において、より高速通信が可能な移動体向けグローバルサービスを実現するため、ESIM(Earth stations in motion)が定義され、Ka帯の19.7-20.2GHz及び29.5-30.0GHzを利用することが合意されました。海外では既にこの帯域を用いた移動衛星通信サービスが開始されています。
この新しい移動体向け衛星通信サービスが利用可能になると、船舶及び航空機においても数十Mbps程度の高速通信サービスが実現できることから、平成28年7月より、情報通信審議会情報通信技術分科会衛星通信システム委員会(主査:安藤 真 東京工業大学理事・副学長(研究担当) 産学連携推進本部長)において同システムの技術的条件について検討が進められてきたところ、検討の結果として、本日一部答申を受けました。
2 答申の概要
一部答申の概要は、
別紙
のとおりです。
3 今後の予定
総務省では、本一部答申を踏まえ、Ka帯を用いた移動体向けブロードバンド衛星通信システムの技術基準等の策定を進めていく予定です。
【関係報道資料】