平成24年11月28日(水)に開催された電波監理審議会(会長:前田忠昭 東京瓦斯株式会社顧問)において、アマチュア無線家及び短波放送受信者からの異議申立てについて棄却及び却下する旨の決定案が議決されたことを受け、本日、総務大臣は当該異議申立てに対する決定を行いました。
1 決定の対象となる異議申立て
異議申立人 |
付議番号 |
付議年月日 |
アマチュア無線家及び短波放送受信者
115名 |
平成19年付議第1号 |
平成19年1月15日 |
平成19年付議第2号 |
平成19年5月1日 |
平成19年付議第3号 |
平成19年6月11日 |
平成19年付議第4号 |
平成19年8月6日 |
平成19年付議第22号 |
平成19年9月27日 |
平成19年付議第23号 |
平成19年11月13日 |
平成20年付議第3号 |
平成20年2月6日 |
平成20年付議第4号 |
平成20年4月8日 |
平成20年付議第6号 |
平成20年6月6日 |
平成20年付議第9号 |
平成20年11月7日 |
平成21年付議第2号 |
平成21年1月20日 |
平成21年付議第5号 |
平成21年5月13日 |
アマチュア無線家及び短波放送受信者
102名 |
平成21年付議第6号 |
平成21年10月20日 |
アマチュア無線家
1名 |
平成21年付議第7号 |
平成21年10月27日 |
アマチュア無線家及び短波放送受信者
101名 |
平成22年付議第1号 |
平成22年2月8日 |
平成23年付議第1号 |
平成23年2月3日 |
2 異議申立ての概要
上述1の異議申立ては、総務大臣が行った電力線搬送通信設備の型式指定処分に対してなされたものであり、その概要は、以下のとおりである。
(1)異議申立てに係る広帯域電力線搬送通信設備が2MHzから30MHzの周波数を利用することに伴い、型式指定処分の申請者によって広帯域電力線搬送通信機器の製造・販売がなされる結果、これまで上記周波数帯に含まれる同じ周波数を使用してアマチュア無線を行い又は短波放送を受信していた異議申立人らは、無線通信又は短波放送受信が不可能となるか著しく困難になるという重大な損害を被ることになることから、本件型式指定処分を取り消すとの決定を求める。
(2)異議申立てに係る広帯域電力線搬送通信設備の型式指定処分を行う際に審査の基準とされる技術基準は、他の無線利用に継続的に重大な障害を生じさせるものであるため、総務大臣が行った型式指定処分は、いずれも総務大臣に与えられた裁量権の範囲を超え又は濫用したというべきであって違法であるから、本件型式指定処分を取り消し、技術基準における許容値及び測定法を見直すべきである。
3 決定の概要
上述1の異議申立ては、いずれも広帯域電力線搬送通信設備に係る型式指定処分の名宛人ではない第三者(アマチュア無線の資格を有し、無線局を開設している者、アマチュア無線の資格を有するものの、免許状はなく、無線局を開設していない者、アマチュア無線の資格を有しておらず、短波放送等を受信している者)からなされたものである。
電波監理審議会において審議された結果、アマチュア無線家からの異議申立ては、総務大臣の型式指定処分が電波法によって与えられた裁量権を逸脱するものではなく、違法と判断することはできないため棄却、短波放送受信者からの異議申立ては、電波法上、特定の周波数の利用を許された者ではなく、放送法上、短波放送を受信する利益が一般的公益に吸収解消される性質のもので個々人の個別的利益として保護された法律上の利益とは認められないため、異議申立適格がないことから却下する旨の決定案の議決があった。
これを受け、総務大臣は電波法第94条第1項の規定に基づき電波監理審議会の決定案のとおり、異議申立てに対して棄却及び却下する旨の決定を行ったものである。