総務省、経済産業省及びIoT推進コンソーシアムは、B2Bでのデータ流通取引を検討している事業者を後押しすることを目的として、「データ流通促進ワーキンググループ」における事業者からの相談事例について、委員からの助言内容等を整理した「新たなデータ流通取引に関する検討事例集ver1.0」を作成しましたので公表します。
1.背景・経緯
総務省、経済産業省及びIoT推進コンソーシアムでは、分野・産業の壁を超えてデータに関する取引を活性化させることを目的として「データ流通促進ワーキンググループ(座長:森川博之東京大学教授。以降、本WGという)」を平成28年1月に設置し、B2Bでのデータ流通取引を検討している事業者に対し、データ保護と利活用のバランス等を踏まえ、技術的・制度的・社会受容性等の観点から、個別事例に基づき事業者が抱える課題の解決に向けた助言等を通じ事業化への後押しを行ってまいりました。(本WGは個社の事業を扱うため原則非公開で実施。)
他の事業者による同様のデータ流通取引を促進するため、本WGにおける委員からの助言内容等を整理した「新たなデータ流通取引に関する検討事例集ver1.0」を公開します。
2.事例集の概要
(1) 個別事例の検討結果
本WGで平成28年1月から平成29年3月までに扱った20件の個別事例について、概要と委員からの助言内容等を記載しています。各社の事業が特定されうる内容(社名、サービス名、サービス内容の詳細等)は特定できないように整理しています。
(2) B2B取引事例に関する共通意見の整理
本WGで取り扱ったB2B(B2B2C含む)でのデータ流通取引に関する個別事例のうちB2B(B2B2C含む)取引事例に共通して参照可能な項目について記載しています。
具体的には、「データの利用目的(公共性の高い利活用、ビジネス性の高い利活用など)」、「データの種類(個人情報やプライバシー情報を含むか否か等)」、「データの利用範囲(データの第三者提供の有無等)」等の観点から、IoTデータの流通サイクル(取得時、加工・蓄積時、提供・二次利用時)に沿って意見を整理しています。
本事例集は、個別事例を前提として、委員から助言があった内容を基にまとめているものであり、事業者が留意すべき事項を網羅するものではありません。データ流通取引を伴うB2Bビジネスを検討している事業者が、本事例集を参照することで、検討すべき事項や解決の参考に資するものとなることが期待されます。
3.公表資料