公害等調整委員会の裁定委員会(大内捷司裁定委員長)は、神栖市におけるヒ素による健康被害等責任裁定申請事件・参加申立事件(公調委平成18年(セ)第2号・平成20年(セ)第4号)について、本日平成24年5月11日付けで裁定を行いましたので、お知らせいたします。
1.事案の概要
平成18年7月24日、茨城県神栖市等の住人34人から、国及び茨城県を相手方(被申請人)として、以下の主張により損害賠償金の支払いを求めて、当委員会に責任裁定(※)を申請した事案。
(平成20年11月、同一原因による被害を主張する住民5人も参加。)
1 国に対する主張
旧日本陸軍が保管等していた有機ヒ素化合物のジフェニルアルシン酸(DPAA)を外部に流出しないようにすべき高度の保管義務等を負っていたのに、これを怠ったため、DPAAにより地下水が汚染され、申請人らに健康被害等の損害を生じさせた。
2 県に対する主張
水質汚濁防止法等の法令に基づく適切な規制権限を行使しなかったことによって、地下水のDPAA汚染の拡大を防止せず、申請人らに健康被害等の損害を生じさせた。
※責任裁定
損害賠償責任の有無及び賠償額について、法律的判断を行うことによって、公害紛争の解決を図る手続
2.事件の処理経過