平成24年5月29日付けで、ITU−T(国際電気通信連合 電気通信標準化部門)において審議が進められ、日本からの提案等により議論を主導してきた「直流給電システムのインターフェース仕様(L.1200)」がITU−Tの勧告となりました。
1 経緯等
総務省では、ICT利活用による環境問題の解決に資するため、「ICTシステムそのもののグリーン化(Green of ICT)」、「ICTの利活用による各分野のグリーン化(Green by ICT)」の両方について積極的に取り組んでいます。この度、Green of ICTの取組として総務省が実証実験を行った結果等が盛り込まれた「直流給電システムのインターフェース仕様」が平成24年5月29日付けでITU-T勧告L.1200として承認され、平成24年6月22日付けで公表されました。
2 勧告の概要
本勧告は、通信事業者ビル・データセンターなどの電力消費量削減の一手段として有効な高電圧直流給電システムについて、従来の交流給電方式から移行する際に必要となる電圧などのインターフェースや本システムを安全に運用するための接地方法などを定めたものです。
一般的に電力は、電力会社から交流(AC)で供給されていますが、バッテリーやICT機器内部は、直流(DC)で動作しているため、交流から直流、直流から交流への変換を行う必要があります。このときの変換ロスを減らすことによって、電力消費量を削減することができます。
総務省では、通信事業者ビル・データセンターにおける電力消費量を削減するため、高電圧直流給電による省エネルギー・省資源化対策に着目し、実証実験を行い、その有効性を検証しました。この結果を含む日本からの提案が今回の勧告に反映されているものです。
3 今後の取組
本勧告のほか、ICTの利活用による環境負荷の低減等について、ITU-T SG5 WP3(ICTと気候変動グループ)において検討されており、日本としても本分野における国際標準化に積極的に貢献していきます。
4 添付資料