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報道資料

令和4年4月28日
情報流通行政局

2021年度 青少年のインターネット・リテラシー指標等に係る調査結果の公表

 総務省では、青少年のインターネット・リテラシーに関する実態調査を実施し、結果概要を「2021年度 青少年のインター
ネット・リテラシー指標等に係る調査結果」として取りまとめましたので、公表します。

1 経緯・内容

 総務省では、青少年のインターネット・リテラシー向上のための前提として、特にインターネット上の危険・脅威に対応するための能力とその現状等を可視化するため、2011年度にこれらの能力を可視化するテスト(注)を指標として開発し、2012年度より毎年、高等学校1年生を対象に、青少年のインターネット・リテラシーを測るテストをインターネット等の利用状況に関するアンケートと併せて実施してきました。
 2021年度は75校・14,021名を対象に、テスト及びアンケートを実施した上、この結果を集計・分析し、「2021年度 青少年のインターネット・リテラシー指標等に係る調査結果」として別添PDFのとおり取りまとめました。

注:「青少年がインターネットを安全に安心して活用するためのリテラシー指標」=ILAS(Internet Literacy Assessment indicator for Students)。インターネット・リテラシーの中でも、特に、インターネット上の危険・脅威への対応能力やモラルに配慮しつつ、的確な情報を判断するために必要な能力を、以下の3つの大分類、7つの中分類に整理し、それぞれに対応する多肢選択式問題を作成。数値化することにより、各能力を可視化した。
 
〔青少年に必要なリスク対処能力〕
 1.インターネット上の違法コンテンツ、有害コンテンツに適切に対処できる能力
 【違法有害情報リスクへの対処能力】
  a. 違法コンテンツの問題を理解し、適切に対処できる。【違法情報リスク】
  b. 有害コンテンツの問題を理解し、適切に対処できる。【有害情報リスク】
 2. インターネット上で適切にコミュニケーションができる能力
 【不適正利用リスクへの対処能力】
  a. 情報を読み取り、適切にコミュニケーションができる。【不適切接触リスク】
  b. 電子商取引の問題を理解し、適切に対処できる。【不適正取引リスク】
  c. 利用料金や時間の浪費に配慮して利用できる。【不適切利用リスク】
 3. プライパシー保護や適切なセキュリティ対策ができる能力
 【プライバシー・セキュリティリスクへの対処能力】
  a. プライバシ一保護を図り利用できる。【プライバシーリスク】
  b. 適切なセキュリティ対策を講じて利用できる。【セキュリティリスク】

2 調査結果のポイント

2―1 2021年度のILAS結果

○ 上述のテストにおける全体の正答率(70.6%)は、過去6年間の平均(69.3%)を上回っており、過去6回で最も高かった2020年度(72.0%)に次いで高かった。
 項目別の正答率について、「2b.不適正取引リスク」は7つのリスク分類の中で正答率(60.2%)が最も低い。2015年度からの変化で見ると、「1a.違法情報リスク」と「3b.セキュリティリスク」の正答率は上昇傾向にある。
 違法情報リスク(著作権、肖像権、出会い系サイト等):72.9%(2015年度)→75.9%(2021年度)となっており、3.0ポイント上昇。
 セキュリティリスク(ID・パスワード、ウイルス等):65.3%(2015年度) →68.5%(2021年度)となっており、3.2ポイント上昇。

2―2 高校生のインターネット利用実態

○ 高校生の98.6%がインターネット接続機器としてスマートフォンを保有している。また、2020年度と比較してタブレットPC及びノート/デスクトップPCの保有率が急増した(タブレットPC:31.7%→41.6%、ノート/デスクトップPC:25.6%→34.7%)。      
 保有するインターネット接続機器のうちで最もよく利用する機器として、92.9%がスマートフォンをあげている。
 
○ インターネットを自由に使い始めた時期について、「中学1年生」が全体の27.1%で最も多いが、中学入学前(小学6年生以下)の回答が41.1%を占める。
 インターネットを自由に使い始めた時期に、その使い方について主に教えたのは、「保護者」が46.1%と最も多い(男性41.9%、女性50.7%)が、「誰にも教わらなかった/特に調べなかった」は全体の21.5%を占める。
 
2―3 フィルタリング利用状況

○ スマートフォンを利用している高校生のうち79.8%(「よく知っている」が32.4%、「多少知っている」が47.4%)が一定程度フィルタリングを認知しており、2020年度(79.5%)よりも増加している。
 
○ フィルタリングを認知している高校生の77.8%は、フィルタリングを「有害なサイトやアプリの閲覧を制限し、安心にインターネットを使うことを可能にしてくれるもの」と肯定的に捉えている一方、9.7%が「使いたいサイトやアプリを利用できなくする邪魔なもの」と否定的に捉えている。
 
○ 現在フィルタリングを利用していない理由については、「特に必要を感じない」が最も多く(38.3%)、次いで「閲覧したいサイトまたはアプリが使用できなかったから」(26.8%)、「使用したところ使い勝手が悪かった」(23.1%)の順で高い。なお、「特に理由はない」は29.4%を占めた。 

○ 一定程度フィルタリングを認知している高校生のうち、フィルタリングのカスタマイズ機能により一部のSNSを利用できることを認知しているのは47.3%であった。
 そのうえで、カスタマイズ機能を認知している場合のフィルタリング利用率は49.6%であり、認知していない場合のフィルタリング利用率(39.6%)と比較して高い。
 
2−4 高校生のインターネット利用実態とILAS結果(クロス集計)

 ○ スマートフォンの平日1日当たりの平均利用時間は、2〜3時間未満の割合が最も多く(24.1%)、他の機器に比べて利用時間が長い。また、56.1%がスマートフォンを3時間以上利用している。
 スマートフォンの利用時間別の正答率では平均利用時間1時間未満が最も高く(73.0%)、利用時間が長いほど正答率が低下する傾向にある。
 
○ 一定程度フィルタリングを認知している高校生のうち、フィルタリングを利用している高校生(正答率:73.6%)の方が、フィルタリングを利用していない高校生(正答率:71.5%)に比べ正答率が高い。
 また、家庭でのルールがある高校生(正答率:71.8%)の方が、ルールがない高校生(正答率:69.5%)に比べ正答率が高い。
 家庭でのルール有無及びフィルタリング利用の有無との関係については、「家庭でのルールあり」かつ「フィルタリング利用あり」の場合が74.2%と最も高く、いずれも「なし」の場合が71.1%と最も低い。
 
○ 学校でインターネット利用上の危険について、「通常授業の中で教えてもらった」 (正答率:71.2%)、「外部の講師等による特別授業の中で教えてもらった」(72.6%)の正答率は高く、「教えてもらっていない」(正答率:62.3%)と比較すると大きな差がある。

3 参考

 上記2.調査結果のポイントのとおり、青少年のスマートフォン(インターネット)の安全・安心な利用に関しては、利用時間の管理、フィルタリングやペアレンタルコントロール機能に係る適切な情報の周知・普及、家庭でのインターネット利用に係るルールづくり等が重要な課題であると考えられます。
 このため、これらに関して理解を深める上で参考となる啓発コンテンツを、次のとおり御紹介します。

【インターネットの安心・安全な利用に係る啓発資料関連】
インターネット利用お役立ち情報(保存版)PDF(総務省)
 
ILAS調査に係る補助教材(総務省)
情報リテラシー&情報モラルの高さがカギ「7種のリスクを正しく知ろう!」
 https://www.soumu.go.jp/use_the_internet_wisely/special/ilas/
 
【青少年フィルタリングや利用時間管理等のペアレンタルコントロール機能等関連】
青少年フィルタリング及び海賊版対策に係る普及啓発動画 
「フィルタリングサービス『NEWヒーロー?』編」
 https://youtu.be/NBbbHdoRK1I
(ショート版:https://youtu.be/AU8WaeRLXac
子どもとネットのトリセツ(一般社団法人 安心ネットづくり促進協議会)
https://www.kodomo-safety.org/
青少年の携帯電話利用について(一般社団法人 電気通信事業者協会)
https://www.tca.or.jp/mobile/approach.html
MVNOスマートフォン安心安全ガイド(一般社団法人 テレコムサービス協会)
https://www.telesa.or.jp/mvno-spaa-guide
 
【インターネット利用に係る家庭内ルール作成関連】
SNS利用ガイドライン・家庭内ルール作成のすすめ(一般社団法人 安心ネットづくり  促進協議会)
https://www.good-net.jp/safe-internet/guideline/
連絡先
情報流通行政局情報流通振興課情報活用支援室
(担当:熊原課長補佐、森野主査、井内官)
電話:03-5253-5743
FAX:03-5253-6041

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