1 好事例2025選定ICT機器・サービス
2 募集・公表の概要
(1)募集期間:令和7年9月12日(金)から令和7年11月14日(金)
(2)次の(i)〜(iii)をいずれも満たしているICT 機器・サービスを対象とする。
(i) 情報アクセシビリティ※に配慮したICT機器・サービスであること。
- ※情報アクセシビリティとは、年齢や障害の有無に関わらず、誰でも情報の取得及び利用並びに意思疎通ができることをいいます。募集対象とするのは、一般向け、障害者又はその支援者向け、高齢者又はその支援者向けのICT機器・サービスであって、情報アクセシビリティに配慮したものとします。
- (ii) (i)の「ICT機器・サービス」は、以下のいずれかに該当する、自社が自社製品として開発・製造・販売しているICT機器・サービスであること(他社から提供された技術、部品、ソフトウェア等を組み込んだ上で、自社の最終製品としている場合についても、応募対象とする)。
(ア) パーソナルコンピューター(JIS X 8341−2 対象製品)
(イ) ウェブコンテンツ・アプリケーション(JIS X 8341−3/WCAG 2.1対象製品)
(ウ) 電気通信機器※(JIS X 8341−4 対象製品)
(エ) 事務機器(JIS X 8341−5 対象製品)
(オ) 対話ソフトウェア(JIS X 8341−6 対象製品)
- ※ 電気通信機器とは、「電気通信に関する設備の中において,電気通信サービスの利用者が直接操作する機器」を指す。なお、従来の電気通信機器に当てはまらない新しい概念の製品及び製品群についても、従来の電気通信機器に含まれる機能等を有する場合は(ウ)に該当する。
- (iii)応募時点において企業や消費者向けに販売・提供等されているICT機器・サービスであること。なお、既に実装されている機能のみを対象とするため、現在開発中の機能等については評価には含めないものとする。
(3)審査:審査項目(※)に基づき、書面及び応募企業によるプレゼンテーションを審査
(4)審査結果:17件を好事例として公表
※
審査項目
(1)情報アクセシビリティへの対応
(2)当事者ニーズを踏まえた開発
(3) 企業としての取組
3 審査委員からの総評
情報アクセシビリティ好事例の実施は今年度で3年目となる。今年度は応募団体からの応募資料とオンライン形式での発表により審査を行った。審査を通して社会貢献に対する真摯な姿勢とユニバーサル社会実現に向けた高い志を感じることができ、審査委員一同、深い感銘を受け、心から敬意を表する。
今年度は、17件に及ぶ多様な製品・サービスを選定した。移動、就労、契約といった日常生活や社会参加に不可欠な場面での課題解決を目指したものが多く、多様な主体が、「誰一人取り残さない」社会の実現を自らの課題として捉え始めていることを強く感じさせるラインナップとなった。
各項目に基づく審査概要は、以下の通りである。
○審査項目(1)製品の情報アクセシビリティへの配慮
今年度は、生成AIやセンシング技術等の最新技術を視覚・聴覚の代替手段として実用化した製品が多く見られた。画像認識や振動通知など、技術活用で周囲の状況把握を可能にする試みが高く評価された。
また、本取組が開始されて以降初めて、高齢者向けの製品が複数応募されたことは特筆に値する。これらの製品に顕著に見られたように、高齢者やICT製品に不慣れな層に対しては、あえて物理ボタンを採用する、操作そのものを不要にするといった、デジタル活用のハードルを下げ、誰にとっても直感的で扱いやすい設計になされている点も高く評価された。
○審査項目(2)当事者ニーズを踏まえた開発
単に当事者から要望を聞くだけでなく、製品・サービスの開発者が当事者の生活シーンに深く入り込むことで、当事者の「リアルな困りごと」を発見し、解決策を見出す姿勢が高く評価された。また、一方的な製品提供にとどまらず、ユーザーコミュニティを通じて当事者が主体的に関与できる場を作り、共にサービスを育てていく「共創型」の取組も、当事者の社会参加や役割発揮を促進する優れた実践として高評価を得た。
○審査項目(3)企業としての情報アクセシビリティ確保に向けた取組
経営層主導のロードマップ策定や、エンジニアに限らない全社員への研修必須化など、全社的かつ組織的な取組が評価された。
また今年度は、応募団体が外部機関との連携を深めたり、収集したバリアフリー情報をオープンデータとして社会へ発信・提供したりするなど、組織の枠を超えた取り組みが顕著に見られた。このような、業界や社会全体の情報アクセシビリティ水準の底上げを図ろうとする活動は、ユニバーサル社会の実現に向けた社会的責任を体現するものとして高評価を得た。
〇当事者にとって重要であり、今後さらなる配慮が期待される点
今年度は、歩行支援アプリやバリアフリーマップ、移動状況の共有など、「移動」について取り扱うサービスが多く選定された。これらは当事者の行動範囲を広げる重要なものである。一方で、誤認識の可能性を含めた適切な情報提供など、サービス利用時の安全性について、より一層の考慮と対策が求められる。
また、製品・サービスが利用者の生活の中に深く入り込み、利便性が高まるにつれて、個人の行動履歴や映像などの取り扱いが重要となる。利便性と表裏一体となる「プライバシーへの配慮」については、当事者の尊厳を守る観点からも、今後ますます重要になるため、各企業の誠実な対応と技術的な工夫を期待したい。
昨年度に続き、好事例を公表することは、情報アクセシビリティに配慮したICT製品・サービスやそれに関わる企業等の前向きな取組を広く周知することとなり、障害当事者を含む多様な者がデジタル活用の利便性を享受し、豊かな人生を送ることができる社会の実現に資するものと考えられる。今後も、企業等における情報アクセシビリティへの取組の広がりを大いに期待したい。
4 審査委員(五十音順)
(1)学識経験者
・榊原 直樹 清泉女学院大学 専任講師
・白澤 麻弓 筑波技術大学 障害者高等教育研究支援センター 教授
・中邑 賢龍 東京大学 先端科学技術研究センター シニアリサーチフェロー
・宮城 愛美 筑波技術大学 障害者高等教育研究支援センター 准教授
・山田 肇 東洋大学 名誉教授
(2)業界団体
・一般社団法人 情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)
・一般社団法人 ビジネス・機械情報システム産業協会(JBMIA)
・ウェブアクセシビリティ基盤委員会(WAIC)
(3)障害者団体
・一般社団法人 全日本難聴者・中途失聴者団体連合会
・一般財団法人 全日本ろうあ連盟
・社会福祉法人 日本視覚障害者団体連合
5 情報アクセシビリティ自己評価様式について