総務省は、本日、独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構(理事長 白山 昭彦)に対し、郵政民営化前に預け入れられた定期性の郵便貯金の払戻しに関する運用について、預金者に一層寄り添う観点から、見直しを検討するよう要請しました。
1.要請の背景
独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構は、独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構法(平成17年法律第101号)に基づき、日本郵政公社から承継した、郵政民営化前に預け入れられた定期性の郵便貯金(以下「旧郵便貯金」といいます。)を適正かつ確実に管理し、これに係る債務を確実に履行することが求められています。
旧郵便貯金の払戻しの請求への対応は、預金者の財産に関わることであり、個々の預金者の事情に配慮した丁寧な対応が必要となります。
同機構では、なおその効力を有するものとされる郵便貯金法(昭和22年法律第144号)第29条の規定により預金者の権利が消滅したかどうかについて、平成23年に同機構が策定した基準に基づき判断する運用を行っています。
上記運用は既に10年以上にわたるところ、その運用状況を踏まえ、必要な見直しについて検討することが適当であると考えられることから、総務省は、本日、同機構に対し、運用の見直しの検討を要請しました。
2.要請の概要
預金者に一層寄り添う観点から、次の点を含めて運用の見直しを検討し、その結果を本年9月7日までに報告するよう要請しました。
(1)払戻しの請求に応じる基準
権利消滅の扱いとなった旧郵便貯金に関する払戻しの請求への対応に当たっては、請求者が正当権利者であることを確認するとともに、例えば、次の事項のいずれかにつき、真にやむを得ない事情があったと認められる場合には、当該請求に応じること。
・貯金の存在を認識していなかったこと。
・催告書の存在又は内容を認識していなかったこと。
・払戻しの請求をしなかったこと。
(2)払戻しの請求への対応
事情の確認は、適切かつ請求者にとってより負担の少ない形で行うよう留意すること。
(3)態勢の整備及び実施時期の明確化
運用の見直しに際しては、払戻しの請求をできる限り速やかに処理できるよう必要な態勢を整備するとともに、見直し後の運用の実施時期を明らかにすること。
(4)周知の実施
見直しの内容について、周知に取り組むとともに、これまでに払戻しの請求が認められなかった者に対しても、可能な限り個別に通知を行う対応を検討すること。