報道資料
平成29年4月13日
熊本地震における情報通信の在り方に関する調査結果
総務省は、(株)三菱総合研究所に委託し、熊本地震の発災時から平成28年5月末頃までにおける被災者の方々の情報行動やICTの活用状況についてアンケート及びインタビュー調査を実施し、その結果を取りまとめましたので、公表します。
今後、この調査結果の内容を平成29年版情報通信白書に盛り込むとともに、災害時における情報通信の在り方に関する政策検討の基礎資料とすることとしています。
1 調査の概要
(1)調査対象地域
熊本県熊本市、益城町、宇城市、西原村及び南阿蘇村
一部他の自治体関係者にも実施。
(2)調査方法及び対象者
- ・被災者
対象地域の居住者にウェブアンケートを実施(862件)
- ・組織・団体
自治体、企業、医療機関等の組織・団体にインタビュー調査を実施(116件)
(3)調査期間
平成28年11月〜平成29年1月
2 調査結果のポイント
熊本地震における情報通信の在り方に関する調査結果の主なポイントは以下のとおり。
(1)震災時に利用したメディアの評価(概要P2、3)
携帯通話・メール、地上テレビ及びSNS(LINE)が高評価。
なお、東日本大震災では、発災直後にラジオが高評価でその後低下する一方、携帯通話や地上テレビを始め、その他多くの手段は時間経過とともに評価が上昇するという変化が見られたが、熊本地震においては時間経過による変化が小さい。
(2)情報収集に関するスマホ利用者の特徴(概要P2)
スマートフォン利用者では、各時期において携帯通話やLINE等のスマートフォンで利用する手段が多くなっているのに対し、スマートフォン未利用者では、携帯通話に次いで地上波放送、携帯メール、ラジオの順となっている。
(3)各メディアの位置づけ・特徴(概要P4)
- ・地上波放送:全般的に優位性が高く、特に地域外情報も含めた情報量に対する評価が高い。
- ・AMラジオ:相対的にバランスの取れた特性を持つ。他の手段が使えない場合のオールラウンド のメディアとして有効といえる。
- ・携帯通話:迅速性のみやや優位。安定性(滞ることなく情報を得ることができた)に対する評価が低く、「つながらないことがある」という認識が一定程度あると考えられる。
- ・SNS(Facebook、LINE、Twitter):Facebook及びTwitterは希少性(他の手段で得られない情報を得られた)の評価が高い。LINEはこれに加えて安定性・迅速性の評価も高く、携帯通話の評価を補完する関係が見られる。
(4)事業継続(概要P6)
- ・データバックアップの重要性に対する認識が高まっており、自治体・企業では全てがバックアップ実施済みとの回答であった。
- ・クラウドについては、活用しているとの回答が全体で4割を下回り、経済性やセキュリティに関する懸念からクラウド導入予定なしとの回答もあった。
3 公表資料
熊本地震におけるICT利活用状況に関する調査結果(概要)(
別添1
)
熊本地震におけるICT利活用状況に関する調査結果(MRI報告資料)(
別添2
)
4 今後の予定
平成29年版情報通信白書(本年夏に公表予定)に本調査結果を盛り込み。
同時期に参考資料等を含めた報告書を公表。
ページトップへ戻る