総務省と欧州委員会は、11月14日(水)及び15日(木)に、東京にて、日EU・ICT政策対話(第19回)及び日EUインターネット・セキュリティフォーラムを開催しました。
1 日EU・ICT政策対話(第19回)
「日EU・ICT政策対話」は、総務省と欧州委員会(通信ネットワーク・コンテンツ・技術総局)との間で、ICT政策全般について、定期的に実施している政策対話です。
今回(第19回)の政策対話では、本年5月の総務省と欧州委員会の間のICT担当の閣僚級会談及び会談後に発表したICT分野における日EU間での政策協力に関する共同声明を踏まえ、ICT分野に関する幅広い議題について対話を行いました。
概要は以下のとおりです。
(1)インターネットに係る政策課題
インターネット政策課題に関する議論の動向について意見交換を行い、インターネット上での情報の自由な流通は不当に制約されるべきではないという国際的なコンセンサスを実現するため、本年12月に開催されるITU(国際電気通信連合)のWCIT(世界国際電気通信会議)等、今後の多国間会合の場において、日EU間で協力していくことで一致しました。
(2)クラウドコンピューティングサービス
クラウドコンピューティングサービスを推進するための日EU双方の政策の最新動向に関する情報交換、日EU間での更なる協力を推進するための方策について意見交換を行い、今後も情報共有等を継続していくことで一致しました。
(3)ICT分野における研究開発協力
欧州の研究開発に関する枠組み及び日本のICT技術政策に関する情報共有を行いました。また、日EU間での国際共同研究の推進について、日EUでの共同公募に関する現在の協力状況を確認するとともに、更なる協力の推進に向けてワークショップを開催するなどにより継続的に議論していくことで一致しました。
(4)ICTを活用した超高齢社会への対応
ICTを活用した超高齢社会への対応に関して、日EU双方の政策動向やベストプラクティスなどについて情報共有を行い、今後も継続的に議論していくことで一致しました。
(5)その他
青少年のインターネット利用環境整備、ブロードバンド普及促進、スマートフォンにおける利用者情報の取扱い等ICTサービスにおける利用者情報・プライバシーについて、日EU双方の政策動向やベストプラクティスの共有など、情報交換・意見交換を行いました。これらの議題についても、引き続き情報交換・意見交換を行うこととしています。
(参考) 第19回政策対話 出席者
日本側:桜井総務省情報通信国際戦略局長 ほか
EU側:スタンチッチ欧州委員会通信ネットワーク・コンテンツ・技術総局次長 ほか
2 日EUインターネット・セキュリティフォーラム
「日EUインターネット・セキュリティフォーラム」は、本年5月の総務省と欧州委員会の間のICT担当の閣僚級会談において、インターネット上での情報の自由な流通を確保し、増大するサイバー攻撃の経済的影響に対応する上で、インターネットにおけるセキュリティを確保することの重要性について認識が一致するとともに、インターネットにおけるセキュリティ確保に関する政策や技術の動向等について日EU間で情報交換を行う場として「日EUインターネット・セキュリティフォーラム」の開催に合意したことに基づき、今般開催したものです。
本フォーラムには、総務省のほか、内閣官房情報セキュリティセンター、経済産業省等関係省庁が参加しました。また、日本の産業界を代表する形で経団連からセキュリティ政策等に関する提言(「日・EUインターネット政策の連携強化に向けて」)がありました。
本フォーラムでは、
(1)インターネットにおけるセキュリティに関する政策動向についての意見交換
(2)インターネットにおけるセキュリティに関する日EU双方のグッド・プラクティス(サイバー攻撃予知・即応技術の研究開発、スマートフォンのセキュリティ対策等)の共有
(3)重要インフラ防護、官民の情報共有の在り方等についての日EU双方の取組の共有
(4)インターネットにおけるセキュリティに関する日EU双方における意識啓発活動についての意見交換
(5)EUにおけるオンライン上のプライバシー等に関する意見交換
を行いました。
本フォーラムでの議論を通じて、日EU双方において、インターネットにおけるセキュリティの確保に向けて取り組むに当たっては国際的な連携を推進することが重要であることを改めて確認しました。
(参考) 日EUインターネット・セキュリティフォーラム 出席者
日本側:桜井総務省情報通信国際戦略局長、阪本総務省政策統括官、内閣官房情報セキュリティセンター、経済産業省 ほか
EU側:ティマーズ欧州委員会通信ネットワーク・コンテンツ・技術総局H局(安全かつ持続可能な社会)局長 ほか
3 今後の予定