※ APEC:アジア太平洋地域の21の国・地域(米、加、豪、中、韓、タイ等)から構成される地域協力の枠組み。
※ 電気通信・情報作業部会(TEL):電気通信分野における実務者会合として、約半年ごとに持ち回りで開催。
1 会合日程等
平成28年10月31日(月)から11月4日(金)までの5日間、京都府(けいはんなプラザ)において開催されました。
2 出席者
今次会合には、APECの21の国・地域のうち、18の国・地域の情報通信主管庁から実務担当者が参加いたしました。
情報通信関係の民間企業等からの参加も含め、計150名程度が参加いたしました。
3 主な議題等
(1) 情報の自由な流通の促進に向けたラウンドテーブル
自由化分科会(LSG)におけるラウンドテーブルとして、各国・地域の産学官のステークホルダーの参加を得て、情報の自由な流通の促進に向けたビジネス及び政府の取組のあり方に関する議論を行い、情報の自由な流通が、APEC
エコノミーにおける包摂的な成長及びイノベーションの創出に資することを確認するとともに、その促進のための国際的な政策枠組みの形成に向けた取組(プライバシー保護やサイバーセキュリティに関する取組)を推進するべき旨を取り
まとめました。その内容は、自由化分科会(LSG)議長及び電気通信・情報作業部会(TEL)議長へも報告され、その
承認を得ました。
(2) 今後の超高齢化社会に向けたシルバーICTに関するラウンドテーブル
ICT開発分科会(DSG)におけるラウンドテーブルとして、各国・地域の政府関係者及び学識経験者の参加を得て、
今後の超高齢化社会においてICTが果たす役割等に関する議論を行いました。我が国からは、早稲田大学より、ICTを
活用した高齢者及び女性活躍の推進について、また、(株)国際電気通信基礎技術研究所(ATR)より、高齢者向けの
コミュニケーションロボットの開発等の取組について紹介をいたしました。
(3) 4K・8K放送に関するワークショップ(日本主催)
自由化分科会(LSG)におけるワークショップとして、各国・地域の政府関係者に対して、4K・8K放送に関する我が国の先進的な取組として、BSにおける試験放送の取組、CS、ケーブルテレビ及びIPTVにおける実用放送の取組並びに4K・8Kを活用したアプリケーションの事例等について、放送事業者等より紹介をいたしました。
また、東京の日本放送協会(NHK)及び(株)スカパーJSATを訪問し、4K・8K放送を実際に体感していただくイベントを開催いたしました。
(4)サイバーセキュリティに関するワークショップ(米国主催)
セキュリティ・繁栄分科会(SPSG)におけるワークショップとして、各国・地域の産学官のステークホルダーの参加を
得て、官民連携による取組や重要インフラ保護に関する取組の事例を共有いたしました。
我が国からは、総務省所管の国立研究開発法人である情報通信研究機構(NICT)におけるサイバー攻撃の観測・
分析・対策に関する取組について紹介をいたしました。
(5)電気通信機器の適合性評価と相互承認制度に関するタスクフォース
自由化分科会(LSG)に設置されているタスクフォースとして、各国・地域の政府関係者及び有識者により、各国の
相互承認制度の締結状況・運用状況等について共有しました。
我が国からは、基準認証制度におけるフェイクデータ対応に関する今後の取組予定について報告いたしました。
4 今後の開催予定
次回会合(TEL55)について、来春にメキシコで開催することが決定されるとともに、 今後の開催候補地として、パプアニューギニアがTEL57に、台湾がTEL58に立候補をいたしました。
また、平成30年に開催が予定されている「第11回APEC電気通信・情報産業大臣会合(TELMIN11)」の 開催候補地
として、パプアニューギニアが立候補をいたしました。
5 その他
今回の会合の機を捉えて、各国・地域からの参加者に向けて我が国の様々な魅力を発信する観点から、京都府及び奈良県の主催により、ICT分野における世界最先端の研究施設や世界遺産を含む多くの観光資源等を訪問するエクスカーションイベントを開催し、好評を得ました。