2020年(令和2年)7月22日、G20デジタル経済大臣会合がテレビ会議形式で開催され、総務省から寺田総務副大臣が出席しました。G20構成国・地域のほか、招待国及び関係国際機関(ITU及びOECD)が参加し、AIをはじめとしたデジタル技術の活用拡大に関し国際連携を強化することを確認するとともに、閣僚声明を採択しました。
1.開催日時
開催日時:令和2年7月22日(水)20時〜22時半(日本時間)
※テレビ会議形式での開催
2.出席国・国際機関
G20構成国・地域:日本、サウジアラビア(議長国)、アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、カナダ、中国、欧州連合(EU)、フランス、ドイツ、インド、インドネシア、イタリア、メキシコ、韓国、南アフリカ、ロシア、トルコ、英国、米国
招待国 :ヨルダン、ルワンダ、シンガポール、スペイン、スイス、アラブ首長国連邦(UAE)、ベトナム
国際機関 :ITU(国際電気通信連合)、OECD(経済協力開発機構)
3.概要
G20デジタル経済大臣会合は、デジタル化が経済・社会に広範かつ大きなインパクトをもたらし、多岐に亘る新たな政策課題が認識されつつある中、デジタル経済分野に関する政策議論を進めるために2017年に発足した会合です。昨年2019年には、日本が議長国として、G20茨城つくば貿易・デジタル経済大臣会合を開催しました。
総務省からは寺田総務副大臣が出席し、昨年日本が議長国を務めたG20で合意した「人間中心」の考え方に基づく「G20AI原則」の実装や「信頼性のある自由なデータ流通(Data Free Flow with Trust)」の推進、新型コロナウイルス感染症におけるインターネット接続性の重要性等について発言しました。本会合の成果として、閣僚声明が採択されました。
4.閣僚声明の主なポイント
(1)信頼性のあるAI
G20は「人間中心」の考え方に基づくAIの促進やG20AI原則を前進させることへの支持を再確認する。研究開発や人材育成、イノベーション政策等を含む、G20AI原則を推進するための各国のAI戦略・政策を政策集として共有する。
(2)信頼性のある自由なデータ流通と越境データ流通
信頼性のある自由なデータ流通の重要性を再確認する。データ、情報、アイデア及び知識の国境を越える流通は、より高い生産性、より大きな革新及び持続可能な開発の改善を生み出すと同時に、データの自由な流通はいくつかの課題をもたらすことも認識する。自由なデータ流通を促進するため、特に相互運用性に関する各国のデータ政策に関するグッドプラクティスの共有やWTOにおける電子商取引に関する取組の重要性等を認識する。
(3)スマートシティ
スマートモビリティが、スマートシティ・コミュニティに対する包括的なアプローチの要素の一つであること、スマートモビリティのデータ及びテクノロジーソリューションにより、スマートシティ・コミュニティの課題のいくつかに対処し、環境に優しい方法で都市のサービスへのアクセスの不平等を削減する可能性があることを認識する。スマートモビリティ普及を促進するため、優良事例や指針を提供する議長国による「スマートモビリティプラクティス」の策定を歓迎する。
(4)デジタル経済の計測
各国間(特に発展途上国)における統計計測能力のギャップを埋め、統計計測の能力や各国間で指標の比較可能性を高めるための「デジタル経済を計測するための共通の枠組に向けたG20ロードマップ」を歓迎する。
(5)デジタル経済におけるセキュリティ
急速に拡大するデジタル化と先進技術の普及の中で、デジタル経済におけるセキュリティの強化はますます重要になっている。デジタル経済におけるセキュリティに関する各国の政策事例集の策定を歓迎する。産・学・官、市民社会を含むマルチステークホルダーでの議論を継続することに合意する。
(添付資料) G20デジタル経済閣僚声明
【原文】/
【仮訳(本文のみ)】