令和7年9月29日(月)から同月30日(火)まで、南アフリカ(ケープタウン)においてG20デジタル経済大臣会合及びAIタスクフォース大臣会合が開催され、総務省からは今川総務審議官が出席しました。同会合では、G20構成国・地域のほか、招待国及び国際機関が参加し、デジタル及びAI分野に係る政策の諸課題等について議論を行い、成果として議長声明が発出されました。
1.開催日
2.G20構成国・地域、招待国及び招待国際機関
【G20構成国・地域】
AU (アフリカ連合)、アルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、カナダ、中国、EU、フランス、ドイツ、インド、インドネシア、イタリア、日本、韓国、メキシコ、ロシア、サウジアラビア、南アフリカ(議長国)、トルコ、イギリス、アメリカ
【招待国】
アルジェリア、デンマーク、エジプト、エストニア、フィンランド、アイルランド、オランダ、ナイジェリア、ノルウェー、シンガポール、スペイン、アラブ首長国連邦
招待国際機関】
ITU(国際電気通信連合)、ユネスコ、UNDP(国連開発計画)、UN ODET(国連デジタル・新興技術室)、Research ICT Africa、 ATU (アフリカ電気通信連合)、AfDB(アフリカ開発銀行)、South Centre、OECD(経済協力開発機構)、ILO(国際労働機関)、Digital Cooperation Organization、WTO(世界貿易機関)
3.開催結果概要
G20におけるデジタル経済分野の大臣会合は、デジタル化が経済・社会に広範かつ大きなインパクトをもたらし、多岐に亘る新たな政策課題が認識されつつある中、デジタル経済分野に関する政策議論を進めるために2017年に発足しました。
南アフリカで開催された本年の会合では、議長国の設定した4つのテーマ(「接続性、利用、そして支援的な条件を通じた普遍的かつ公平なデジタル包摂」、「デジタル・トランスフォーメーションの主要要素としてのデジタル公共インフラ」、「デジタル・イノベーション・エコシステム:MSMEs の潜在力を解き放つ」「善のための、全ての人のための 公平で、包摂的で、信頼できる持続可能な人工知能」)について議論が行われました。
今川総務審議官からは、接続性、利用、そして支援的な条件を通じた普遍的かつ公平なデジタル包摂の議論において、高品質で安全かつ持続可能なネットワークを確保するためには、デジタルインフラを継続的に進化させることが不可欠であることを強調し、デジタルインフラに関する日本の取組を紹介するとともに、引き続きG20各国のコネクティビティ向上に貢献していく旨発信しました。
また、善のための、全ての人のための公平で、包摂的で、信頼できる持続可能な人工知能に関する議論では、我が国が主導する「広島AIプロセス」や、本年5月に成立したAI法等の我が国の取組を紹介した他、信頼性のある自由なデータ流通やマルチステークホルダー・アプローチによる議論の重要性を強調し、「安全、安心で信頼できるAI」の実現に向けた国際的な議論に貢献し、国際社会との協力を続けていく旨発信しました。
また、本年は、南アフリカ議長国下において、多分野にわたるAIの議論について各会合の議論を横断的にまとめる場として「持続可能な開発のためのAI、データガバナンス及びイノベーションに関するタスクフォース」(AIタスクフォース)が設置され、デジタル経済分野と並行して議論が行われました。
今川総務審議官からは、多分野にまたがるボーダレスなAIの議論をまとめるという南アフリカ議長国の取組を評価するとともに、言語的・文化的な多様性を反映したAIモデルの開発やAI分野の人材育成等の重要性を強調しました。
閣僚間の議論の結果、両会合の成果として、議長声明が発出されました。
【添付文書】
4.バイ会談の概要
本会合の機会を捉え、今川総務審議官は、以下の閣僚等とバイ会談を実施し、各相手方と共有する政策上の課題等について対話を深めました。
・南アフリカ ソリ・マラツィ 通信・デジタル技術大臣
・アルゼンチン リオ・レアンドロ・ヘヌア イノベーション・科学技術大臣
・ブラジル フレデリコ・シケイラ・フィーリョ 通信大臣
・UN ODET(国連デジタル・新興技術室) アマンディープ・ギル 特使