総務省は、欧州委員会通信ネットワーク・コンテンツ・技術総局とともに、2月24日(金)に、日EU・ICT政策対話(第28回)をベルギー・ブリュッセルにて開催しました(一部参加者はWEB参加)。
本政策対話は、ICT分野における政策について日EUの政府間で相互理解を深め、連携・協力を推進することを目的としています。今回の会合では、社会全体のデジタル化に資する、日EU間におけるICT分野の重要テーマに関し、双方の最新の取組について活発な議論が行われました。
今回の会合の結果を受けて、協力の一層の深化、具体化に向けて引き続き議論してまいります。
日EU・ICT政策対話(第28回)の主な成果
今回(第28回)の政策対話では、日EU双方におけるICT分野における政策動向や課題等を踏まえ、主として以下の事項について対話を行った。
ア スマートシティ
日本側から、総務省におけるスマートシティの取組として、「都市OS」の整備・普及に向けた支援などの事例紹介やスマートシティガイドラインなどを紹介し、EU側からは欧州におけるスマートシティ推進に向けた取組について説明されると共に、日本の取組との類似性の指摘、ベンダロックインを避けて、オープンな標準に基づくデータ共有が出来るものであるべき等の意見が述べられた。
イ 5G/Beyond 5G(6G)等
Beyond 5G(6G)について、日本側からは、Beyond 5Gが実現する社会像やユースケース、目指すべきネットワークの姿等を説明すると共に、最新の取組として新たな研究開発基金の設立やBeyond 5G推進コンソーシアムの活動状況について説明。EU側からは、研究開発プロジェクト予算を説明し、今後の連携について意見交換を行った。また、Open RANを含む通信サプライヤーの多様化や通信インフラのレジリエンス確保について、主に日本側から現在の取組を説明し、セキュリティやエネルギー効率等の観点を含め意見交換を行った。
ウ サイバーセキュリティ
日本側から、ICTサイバーセキュリティ総合対策2022の説明、NICTが行っているNOTICEプロジェクトの紹介やサイバーセキュリティ人材育成の取組状況、日EUのISAC国際連携に向けた取組について説明。EU側からは、2024年10月7日施行予定のNIS2指令案の状況、サイバーレジリエンス法案に関連する制度整備状況、加盟国間の情報共有の枠組であるSecurity Operation Centerプロジェクト等EUの取組について説明がなされた。
エ 安全で公平なオンライン環境
日本側から、インターネット上の誹謗中傷等の違法・有害情報対策について、総務省のこれまでの取組や今後の方向性について説明。EU側からは、デジタルサービス法の執行状況について説明。
また、日本側からは本年10月に日本で開催予定のIGF(Internet Governance Forum)についても説明し、民主主義的な価値に基づくインターネットの重要性を強調。EU側からも日本の考え方に賛意が示されると共に、グローバルであることやマルチステークホルダーの重要性について述べられた。
オ AI
EU側からAI規制に係る取組状況やAI原則に関する取組の状況説明があり、またGPAIにおける共通のイニシアチブについて紹介された。日本側からは、GPAIサミットにおけるEUからの協力に感謝すると共に、引き続き国際場裡における協力について意見交換を行った。
(参考)日EU・ICT政策対話(第28回)出席者
日本側:総務省吉田総務審議官 ほか
EU側:欧州委員会通信ネットワーク・コンテンツ・技術総局スコルダス次長 ほか