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報道資料

令和6年2月27日

デジタルエコノミーに関する日米対話(第14回会合)の結果

 2024年2月6日(火)及び7日(水)の2日間、総務省と米国国務省は、東京にて、「デジタルエコノミーに関する日米対話」(第14回会合)を開催しました。
 本対話は、産業界が参加する官民会合と政府間会合の二部構成で、デジタルエコノミーに関する幅広い議題について対話が行われました。

1 第14回会合の共同声明内容

 日米両国は、2024年2月6日、7日にハイブリッド形式にて日本主催で実施された第14回デジタルエコノミーに関する日米対話(DDE)において、デジタル経済の成長を支えるためのオープンかつ相互運用可能で、信頼できるセキュアなデジタル連結性と情報通信技術への共通のコミットメントを再確認した。

総括
 この対話は、両国の民間部門代表との間で行われた、オープンで相互運用可能でありセキュアな5G無線技術、ネットワーク及びサービスの推進、第三国におけるデジタル経済の発展を支援するための官民連携、人工知能(AI)、データ保護とプライバシー、自由なデータ流通、デジタルフリーダムの推進、サイバーセキュリティ能力構築等に係る国際協調、インターネットとデジタル連結性への公共の信頼を深め、責任ある管理を促進する官民連携及びグリーンで持続可能な成長に貢献する情報通信技術(ICT)の活用などの分野についての議論を含むものであった。両国政府は、日本経済団体連合会、全米商工会議所及び在日米国商工会議所からの民間部門の代表が日米両国政府に対して提示した共同声明を歓迎した。
 両国は、設備、ソフトウェア及びサービスを提供する企業が、デジタル経済の発展を支えるとともに、サイバーセキュリティを強化し、プライバシー、知的財産権及びデジタルフリーダムを保護することを、国、企業、市民が確実に信頼できるよう、先進国及び新興国においてオープンで強靱かつセキュアな5Gネットワークの発展及び展開を推進する重要性を認識した。両国は、セキュアで信頼性の高いグローバルな海底ケーブルネットワークを促進し、したがって重要な個々のケーブルシステムに関する必要な情報交換を継続することの重要性を再確認した。両国はセキュアかつ強靭なICTインフラに対する投資を促進することの重要性を認識した。また、両国は、マルチステークホルダー・モデルに基づいた、包摂的で、オープンな、透明性のあるインターネットガバナンス・システムへの共通のコミットメントを再確認した。さらに、両国は以下の分野で協力することで一致した。
 
(1)5G及びBeyond 5G/6G
 両国は、セキュアな5Gネットワークの発展、オープンな無線アクセスネットワーク(Open RAN)及び仮想無線アクセスネットワーク(vRAN)などの革新的な方策を可能にする環境の促進に関して、第三国における協力を継続することを決定した。さらに、第三国におけるOpen RANプロジェクト(テストベッド、パイロット又は概念実証プロジェクトを含む。)を共同で支援する。両国は、より多様で強靭かつセキュアな通信のエコシステムを育成及び促進する上で、オープンで相互運用可能なネットワークアーキテクチャ及び通信サプライヤーの多様性の価値を強調した。また、2023年4月にG7デジタル・技術大臣会合において支持された、Beyond 5G/6G 時代における G7 将来ネットワークビジョンに沿った、2030年代における、よりセキュア、オープン、相互運用可能であり、強靭、かつエネルギー効率の高いネットワークの実現という目標に向け、次世代ネットワーク(6G又はBeyond 5G)技術に関する協力(研究開発及び国際標準化を含む。)を強化することの重要性を認識した。
 
(2)グローバル・デジタル連結性パートナーシップ(GDCP)
 第三国において共に関与する可能性のあるデジタル及びICTのイニシアティブについて議論するため、グローバル・デジタル連結性パートナーシップ(GDCP)を更に活用することを追求する。両国は、包摂的なインターネット接続を促進し、セキュアなICTインフラに関する協力を拡大し、サプライヤーの多様性を促進するための努力に基づき、GDCPを通じて、適当な場合には民間企業を関与させ特定のトピックに対応しつつ、四半期ごとの会合及びアドホックな集中会合を行うことに関する共通のコミットメントを再確認した。
 
(3)AIガバナンス
 両国は、AIガバナンスに関する国際的な議論の重要性が増していること及び高度なAIシステムがもたらす課題と機会に対処する必要性に鑑み、広島AIプロセスを前進させるための作業計画に基づき、高度なAIシステムを開発する組織向けの広島プロセス国際行動規範及び全てのAI関係者向けの広島プロセス国際指針を含む広島 AI プロセス包括的政策枠組みを共有するため、パートナー国及びAI関係者への働きかけを拡大することに協力することを約束した。さらに、両者は国際行動規範への支持を共同で広げていく。広島AIプロセスに基づき、日米両国は、AIガバナンスの枠組み間の相互運用性を促進し、安全、安心、信頼できるAIシステムが設計、開発、導入、利用されるオープンで実現可能な環境を醸成するため、引き続き協力していく。 また、日米両国は、AIガバナンスの相互運用性を促進するため、新たに設立されるAIセーフティ・インスティテュート間の協力を推進する。
 
(4)越境プライバシールール(CBPR)
 2024年初頭にグローバル越境プライバシールール(CBPR)及び処理者向けプライバシー認証(PRP)システムを稼働し、2024年5月に予定されるグローバルCBPRフォーラム多国間ワークショップを共催することを含め、グローバルなメンバーシップと参加を促進し、政府、認証企業及び消費者の利益を拡大するためにプログラム要件の強化について密接に取り組み、グローバルCBPRフォーラムのメンバーとともに二国間連携及び多国間連携を継続する。グローバルCBPRフォーラムは、信頼性のある自由なデータ流通(DFFT)を支援するために、データ保護制度間の相互運用性を促進しながら、効果的なデータ保護及びプライバシーを支援する。
 
(5)ガバメントアクセスに係る協力
 DFFTの具体化に向けたコミットメントの一環として、両国は、OECD DFFT専門家グループ内を含め、民間部門が保有する個人データに対するガバメントアクセスに関する宣言の推進において引き続き協力する。この作業は、各国がガバメントアクセスに係る7つの原則をどのように遵守しているかを文書化し、OECD非加盟国が宣言の遵守をどのように証明できるかのロードマップを作成し、新しいOECD DFFT専門家グループの下で、またOECD外でも、宣言の理解を深め、その原則の遵守を証明することを奨励するようOECD非加盟国に対して二国間関係において働きかけるという、OECDが提案する新たなワークストリームに対し、OECD加盟国の支援を形成し、構築することを目的としている。
 
(6)国際場裡における協力
 国際電気通信連合(ITU)において、目標を推進するためにさらに協力する機会を模索する。日本及び米国は、国際連合、ITU、OECD、the Global Partnership on AI(GPAI)、AIに関する委員会(CAI)、アジア太平洋経済協力(APEC)、G7、G20、インターネット・ガバナンス・フォーラム(IGF)、日米豪印、インド太平洋経済枠組み(IPEF)、電気通信に関するグローバル連合(GCOT)や他のフォーラムにおけるものを含め、国際組織及び機関における多国間及びマルチステークホルダーの取組を通じて、グローバルなデジタル経済政策環境を向上するため、緊密に協力することにコミットする。
 
(7)国際連合における協力
 グローバル・デジタル・コンパクト及び世界情報社会サミット(WSIS)+20の検討プロセスに向けて、包摂的アプローチを推進し、マルチステークホルダーコミュニティとの強固かつ進行中の協議を進めるための協力を継続する。
 
(8)インターネットガバナンス
 2023年に京都で開催され成功を収めたIGFのレガシーとして、インターネット・ガバナンスに対する包摂的なマルチステークホルダーアプローチを引き続き支持し、推進する。また、両国は、ICANNの政府諮問委員会(GAC)において、円滑な新たな分野別トップレベルドメイン(gTLD)募集開始やDNS不正利用の抑止を含め、インターネットの共通のビジョンを推進するために緊密に協力する。
 
(9)今後の日米協力
 2024年にICT又はデジタル政策のトピックに焦点を当てた1つ又は複数のワークショップを、両国及び第三国の協力のもと、マルチステークホルダーが参加して開催する機会を探求する(例:5G /Open RAN、海底ケーブル、衛星、データセンター、AIガバナンス、ICTインフラにおけるサイバーセキュリティ能力構築、デジタルフリーダム等)。また、両国は、信頼性が高くセキュアなICTサプライチェーンとより包摂的で公平なデジタル連結性に貢献する原則としての信頼、そして法の支配の重要性を認識した。
 
(参考)第14回会合 出席者
日本側:田原康生総務省国際戦略局長をはじめとして、総務省、個人情報保護委員会、デジタル庁、外務省、経済産業省、国際協力銀行、海外通信・放送・郵便事業支援機構等の関係者
米国側:ステファン・ラング国務省サイバースペース・デジタル政策局次官補代理(情報通信政策担当)をはじめとして、国務省、商務省国家電気通信情報庁、商務省国際貿易局、連邦通信委員会、連邦取引委員会、国防総省、輸出入銀行、国際開発金融公社等の関係者
 
 

2 次回会合について

 2024年度中を目処に開催する予定です。
 
【別紙】
  政府間共同声明(和文)(2024年2月27日)PDF
  政府間共同声明(英文)(2024年2月27日)PDF
 
【参考】デジタルエコノミーに関する日米対話の概要
  「デジタルエコノミーに関する日米対話」(DDE)は、デジタルの経済的側面に焦点を当てた政策全般について、総務省と米国国務省が中心となって、日米政府の間で定期的に実施している政策対話です。「インターネットエコノミーに関する日米政策協力対話」(IED)第13回会合政府間共同声明(2023年3月16日発表)において、「デジタルエコノミーに関する日米対話」(DDE)と改称することが合意され、第14回会合から名称を変更しています。なお、本対話は、2021年4月16日の日米首脳会談において発表され、同年5月に立ち上げられた日米グローバル・デジタル連結性パートナーシップを推進する枠組みとしても位置付けられています。
 
 
【関係報道資料】
インターネットエコノミーに関する日米政策協力対話(第13回会合)の結果(令和5年3月16日)
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin08_02000149.html
連絡先
国際戦略局 国際経済課
担当 :平木補佐、大内係長、笹井官
電話 :03-5253-5928

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