総務省は、本日、国際民間航空条約第10附属書(※1)の改正を国内法令に反映するための無線設備規則(昭和25年電波監理委員会規則第18号)の一部を改正する省令案について、電波監理審議会(会長:原島 博 東京大学名誉教授)から原案のとおりとすることが適当である旨の答申を受けました。
また、同省令案について、平成22年3月10日(水)から同年4月9日(金)までの間、意見募集を行ったところ、意見の提出はありませんでした。
ついては、答申及び意見募集の結果を踏まえ、速やかに無線設備規則の改正を行います。
※1 国際民間航空条約は、国際民間航空の安全かつ整然とした発達及び国際航空運送業務の健全かつ経済的な運営を目的とした条約。同条約の附属書は、国際航空運送に関する国際基準及び勧告を定めており、第10附属書は航空通信について規定している。
1 改正の背景
航空無線通信は、航空機の安全航行を確保するために必要不可欠な通信手段として有効に活用されています。国際民間航空条約の第10附属書が平成21年11月に改正されたことを受けて、当該附属書の航空無線通信に関する技術基準の改正を国内法令に反映するため、DME(※2)及びVOR(※3)に関する規定の一部を改正するものです。
この改正によって、従来よりもサービスエリアの狭いDMEを設置できるようになり、限られた周波数の中でより多くのDMEの設置が可能となるとともに、低い仰角に制限されていたVORの性能保証エリアが高い仰角に拡大され、方位情報を提供できる範囲が広がることで、一層の航空機の安全航行の確保が図られることとなります。
※2 DME(Distance Measuring Equipment:距離測定装置)は、地表の定点に設置される無線設備と航空機との間の距離を測定する無線設備。航空機は、電波の送受信により当該航空機から地表の定点までの見通し距離を知ることができる。
※3 VOR(VHF Omni-directional Radio Range:超短波全方向式無線標識)は、地表の定点に設置され、電波により方位情報を送信する無線設備。当該電波を受信した航空機は、当該航空機から地表の定点への方位を知ることができる。
2 改正の概要
無線設備規則について、以下の改正を行います。
・機上DMEの距離測定を正確にするため及び地上DMEの柔軟な設置を可能とするための技術基準の改正(第45条の12の5第1項関係)
・VORの方位情報を提供できる範囲を拡大するための技術基準の改正(第45条の12の8第2号関係)
・その他関係規定の整備
3 答申及び意見募集の結果
(1)平成22年3月10日(水)に電波監理審議会へ当該省令案について諮問し、本日、当該省令案は適当である旨の答申を受けました。
(2)平成22年3月10日(水)から同年4月9日(金)までの間、当該省令案について意見募集を行ったところ、意見の提出はありませんでした。
4 今後の予定
総務省は、電波監理審議会の答申及び意見募集の結果を踏まえ、速やかに無線設備規則の改正を行います。