総務省は、港則法及び海上交通安全法の一部を改正する法律(平成21年法律第69号)が平成22年7月1日に施行することに伴い、電波法関係告示の各一部を改正する告示案を作成し、平成22年4月1日(木)から同年5月6日(木)までの間、意見募集を行いました。
その結果、意見の提出はありませんでしたので、電波法関係告示の改正を行います。
1 改正の背景等
(1) 港則法及び海上交通安全法の一部改正に伴う関係規定の整備
海上保安庁では、海上交通の安全のため海上交通センターを運営しています。今般、港則法及び海上交通安全法の一部を改正する法律によって、海上交通センターは、現在実施している船舶の位置情報・動静情報の提供のほかに、船舶の危険の防止・航法是正のための勧告及び航路外での待機等の指示を行うこととなりました。さらに、監視対象船舶の基準を長さ50メートル以上と規定したことに伴い、監視対象船舶数が1.2倍〜1.9倍に大幅増加するため、通信量の増大が起きることや、船舶自動識別装置(AIS)の非搭載船も増加し、船名、識別信号が不明な船舶を呼び出す必要も多発することが予想されています。
ついては、港則法及び海上交通安全法の改正後も海上交通センターが円滑に業務を行えるように、海上交通センターと監視対象船舶の通信に使用する国際VHFの周波数及びその運用方法について電波法関係告示の改正を行うものです。
(2) 南鳥島のロランCの廃局に伴う関係規定の整備
海上保安庁では、我が国沿岸海域において、無線測位システムの一つであるロランCを運用していますが、GPSの普及により周辺海域において利用者が減少している状況にあることなどから、南鳥島ロランC局を廃局することとなりましたので、あわせて電波法関係告示の改正を行います。
2 改正の概要
(1) 昭和37年郵政省告示第361号(無線局運用規則の規定により、無線局が同規則の規定によることが困難であるか不合理である場合の当該無線局の通信方法の特例を定める等の件)の一部を改正する告示案
・船名、識別信号が不明な船舶を呼び出す方法を追加します。
(2) 昭和59年郵政省告示第964号(海上移動業務に使用する電波の型式及び周波数の使用区別を定める件)の一部を改正する告示案
・船舶局がチャネル13を使用して海上保安庁の無線局と通信できるようにします。
(3) 平成14年総務省告示第203号(海上無線航行業務に使用する電波の型式及び周波数等を定める件)の一部を改正する告示案
・南鳥島のロランCの廃局に伴い当該無線局を削除するとともに、海上保安庁の無線局がチャネル13を使用してすべての通信をできるようにします。
3 今後の予定
意見募集の結果を踏まえ、当該電波法関係告示の改正を行います。