総務省の招へいにより、本年3月24日(火)から27日(金)まで広島市において、国際電気通信連合電気通信標準化部門(ITU-T)の「ICTと気候変動に関するフォーカスグループ(FG)」の最終会合が開催されました。
本会合では、ICTの利活用によるCO2削減効果を客観的に評価する手法等について体系的にまとめ、国際機関としては初めて、報告書として完成されました。
1 広島会合の概要
本FG会合は、幅広い専門家の参加を得て「ICTの利活用によるCO2削減効果の評価手法」等について検討を行うものです。昨年9月の第1回会合及び11月の第2回会合(ジュネーブ・スイス)を経て、今回広島で最終会合が開催されました。
(1) 日 程 平成21年3月24日(火)〜27日(金)
(2) 場 所 メルパルク広島(広島市中区)
(3) 参加数 101名
(うち、ITU-Tマルコム・ジョンソン局長他外国からの参加者12カ国、27名)
2 報告書の概要
本会合までの間、我が国は、「地球温暖化問題への対応に向けたICT政策に関する研究会(座長:月尾東京大学名誉教授)」報告書等をはじめとする研究結果を寄与文書にて入力し、特に、ICT利活用によるCO2の削減量の評価方法の研究については中心的な役割を果たしてきました。
今回の広島会合では我が国がこれまで寄与してきた内容も含め、以下の研究項目について報告書がまとめられたところです。
(1) 気候変動に関する専門用語、概念等についての各種定義
(2) ICTと気候変動に関するこれまでの取組状況及び今後必要となる取組
(3) ICT機器及びICT利活用によって可能となる社会・経済活動の効率化及びICT利活用によるCO2の削減量の評価方法(ICTのCO2削減効果の評価方法について国際機関として初めて体系的にまとめたもの。)
(4) CO2削減に関するICT技術・利活用事例のとりまとめ及びICT利活用によるCO2排出量削減に向けた取組を促進させるためのチェックリスト 等
3 今後の予定
本報告書は、本年4月に開催予定のITU-Tの電気通信標準化アドバイザリーグループ(TSAG)会合に報告され、その後、研究委員会(SG)においてICTによるCO2削減効果の評価方法の勧告化及びそれに基づくCO2排出削減目標の設定に向けた検討 等が開始される予定です。