報道資料

　現在、我が国には、BS放送用周波数として、国際調整手続を経て12周波数が割り当てられていますが、このうち4周波数（17、19、21及び23チャンネル）については現在使用されておらず、平成19年7月の電波監理審議会答申等を受け、平成23年以降、BSデジタル放送のために使用を開始すること等が決定されています。
　これを受け、平成20年1月末から2月初めにかけて、これらの4周波数のうち2周波数（21チャネル及び23チャネル）を使用して、当時、情報通信審議会において審議中であった、BSデジタル放送等に適用可能な新たな放送方式の検討のための実験電波を発射したところ、携帯電話サービスを提供する電気通信事業者から、携帯電話（1.5GHz帯PDC）基地局の一部において受信障害が発生しているとの報告があったため、同実験を直ちに停止しました。
　その後、関係者及び総務省が協力して実態調査を行ったところ、屋外設置型のBS放送受信用増幅器を使用している一部の形態のBS放送受信システムで、BS21又は23チャンネルの電波を受信した際に、同システムから漏えいした電波が既存の携帯電話等の無線システム等に干渉を与える可能性があるという事実を確認しました。

※ 事実関係の詳細については以下の報道資料をご覧ください。 　https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/2008/080530_19.html

　これを受け、総務省は、平成20年5月30日に、関係者とともに「一部の形態のBS放送受信システムの電波干渉問題に関する連絡会」を設置し、これまで、対応策について検討を進めてきました。（連絡会の現在の構成員については別紙1をご覧ください）。

　連絡会において、調査・対策フロー及び対策費用総額の概算（別紙2をご覧ください。）が取りまとめられたことを受け、本連絡会の下に、対策の実施を実際に担う関係者により構成する「対策実施協議会」を設置することが決定されました。（協議会の構成員については別紙3をご覧ください）。
　なお、この対策実施協議会の設置に先立ち、同協議会が実施する対策に必要な費用（総額は概算で約12億円）について、連絡会構成員である株式会社放送衛星システムより、総務省に対し、「BSデジタル放送の普及・発展を支え周波数の有効利用を推進するために、基本的に弊社が分担する用意がある」旨の提案がありました。（当該提案の詳細については別紙4をご覧ください）。
　これを受け、総務省は、連絡会の他の構成員に対する協力要請を行いました。（要請書については別紙5をご覧ください。）

　対策及び手続が想定どおり順調に進められた場合の今後のスケジュールは以下のとおりです。

平成21年　4月頃	協議会による調査・対策の開始
平成22年　3月頃	協議会による調査・対策の終了
平成22年　4月頃	協議会から連絡会への対策実施報告、 連絡会による当該報告の承認（※1）
平成22年　5月頃 （※2）	BS21・23チャンネルに係る 委託放送業務認定申請の受付開始
平成22年　9月頃	BS21・23チャンネルに係る 委託放送業務の認定
平成23年〜平成24年 （※3）	BS21・23チャンネルに係る 新たなBSデジタル放送の放送開始

※ 1：別紙2 に掲げる調査・対策フローに基づき調査・対策が適切に実施されたことを承認するもの。

※ 2：今回のBS5、7、11及び19チャンネルに係る委託放送業務認定申請の受付開始時点では、本件調査・対策が終了していないことから、BS21・23チャンネルについては、今回の申請受付の対象からは除外することとなる。

※ 3：対策が予定どおり順調に行われた場合の放送開始時期は、早ければ平成23年10月1日（目途）、遅くとも平成24年9月頃を想定している。