画像に関するアクセシビリティ対応について
図やグラフなどの画像の内容の詳細については、総務省自治財政局財務調査課にお問い合わせください。
電話番号:03-5253-5111(内線5649)

平成28年版
地方財政白書
(平成26年度決算)

3 地方自治を取り巻く動向

(1)地方自治制度の見直し

地方自治制度の見直しについては、平成26年5月30日に公布された「地方自治法の一部を改正する法律」(平成26年法律第42号)における改正事項のうち、新たな広域連携の制度である連携協約制度の創設及び事務の代替執行制度の創設に関する部分が、平成26年11月1日に、中核市制度と特例市制度の統合等に関する部分が、平成27年4月1日にそれぞれ施行されている。残りの改正事項である総合区制度の導入や指定都市都道府県調整会議の設置等といった指定都市制度の見直しに関する部分も、平成28年4月1日に施行される予定である。

また、平成26年5月15日に発足した第31次地方制度調査会においては、内閣総理大臣からの諮問事項である人口減少社会に的確に対応する三大都市圏及び地方圏の地方行政体制のあり方、議会制度や監査制度等の地方公共団体のガバナンスのあり方等について審議が行われ、平成28年2月29日に「人口減少社会に的確に対応する地方行政体制及びガバナンスのあり方に関する答申」が取りまとめられた。

(2)連携中枢都市圏構想の推進

「連携中枢都市圏構想」とは、人口減少・少子高齢社会にあっても、地域を活性化し経済を持続可能なものとし、国民が安心して快適な暮らしを営んでいけるようにするために、地域において、相当の規模と中核性を備える圏域の中心都市が近隣の市町村と連携し、コンパクト化とネットワーク化により「経済成長のけん引」、「高次都市機能の集積・強化」及び「生活関連機能サービスの向上」を行うことにより、人口減少・少子高齢社会においても一定の圏域人口を有し活力ある社会経済を維持するための拠点を形成する政策である。本構想は、第30次地方制度調査会「大都市制度の改革及び基礎自治体の行政サービス提供体制に関する答申」を踏まえて制度化したものであり、平成26年度から全国展開を行っている。

また、平成27年度中に確定することとしていた連携中枢都市圏の対象都市圏の条件については、「まち・ひと・しごと創生総合戦略(2015改訂版)」(平成27年12月24日閣議決定)において、地方圏における政令・中核市を中心都市とする連携中枢都市圏に加え、2つの中心的な市が連携して核となる都市の役割を担う「複眼型連携中枢都市圏」を新たに創設することとした。

平成28年1月現在では、12市が中心都市として圏域を形成する意思を宣言し、4つの圏域(延べ37市町村)が形成されるなど、全国で着実に連携中枢都市圏構想による取組が進んでいる。

平成27年度から、圏域全体の経済成長のけん引、高次都市機能の集積・強化及び生活関連機能サービスの向上に資する取組を支援するため、連携協約を締結しビジョンを策定した市町村の取組に対して、地方交付税措置を講じるとともに、平成28年度からは圏域全体に効果が及び、圏域をけん引するために必要な取組を進める上で中核となる施設等の整備について、地域活性化事業債の対象とすることとしている。

今後も、連携中枢都市圏構想を推進するため、圏域の形成段階における支援はもとより、圏域での取組や施策の質の向上を積極的に支援することとしている。

(3)定住自立圏構想の推進

我が国は、平成20年をピークとして人口減少局面に入っており、特に地方圏においては、今後、大幅な人口減少と急速な少子化・高齢化が見込まれている。このような状況を踏まえ、地方圏において安心して暮らせる地域を各地に形成し、地方圏から三大都市圏への人口流出を食い止めるとともに、三大都市圏の住民にもそれぞれのライフステージやライフスタイルに応じた居住の選択肢を提供し、地方圏への人の流れを創出することが求められている。

「定住自立圏構想」とは、人口5万人程度以上の中心市と近隣市町村が連携・協力することにより、圏域全体で必要な生活機能を確保し、地方圏への人口定住を促進する政策であり、平成21年度から全国展開を行っている。

平成27年10月現在では、123市が中心市として圏域を形成する意思を宣言し、95の圏域(延べ447市町村)が形成されるなど、全国で着実に定住自立圏構想による取組が進んでいる。

平成27年度は、地域住民の生活実態やニーズに応じ圏域ごとにその生活に必要な機能を確保して、圏域全体の活性化を図る取組を強力に推進するため、平成26年度に拡充した地方交付税措置を引き続き講じるとともに、定住自立圏におけるこれまでの取組について、人口の観点を含め取組成果に係る検証を実施している。今後も、地方圏における定住の受け皿を形成するため、本構想の推進を通じて、圏域による生活機能の確保を支援することとしている。

ページトップへ戻る